【解説】アメリカ軍 中国の気球を撃墜  なぜ白色?専門家から疑問も…“軍施設の画像や電波情報取得などが目的か”|TBS NEWS DIG

【解説】アメリカ軍 中国の気球を撃墜  なぜ白色?専門家から疑問も…“軍施設の画像や電波情報取得などが目的か”|TBS NEWS DIG

【解説】アメリカ軍 中国の気球を撃墜  なぜ白色?専門家から疑問も…“軍施設の画像や電波情報取得などが目的か”|TBS NEWS DIG

4日にアメリカ軍が撃墜した中国の気球。目的は何だったのか?なぜ、気球を使ったのか?専門家と検証します。

■アメリカ軍 中国の気球を撃墜 日本にも飛来?目的は?

良原安美キャスター:
時系列で見ていきます。

【2月2日 アメリカ側】
“アメリカ上空を飛行する偵察用の気球の追跡・監視を続けている”
国防総省高官「中国のものだと確信している」

【2月3日 中国側】
「気球は中国からきたもの」
・民間の気球
・気象などの科学研究に使用
・偏西風の影響で制御不能に

【2月4日 アメリカ側】
米軍の戦闘機で気球を撃墜
国防総省高官「機密情報の収集を防ぐ措置をとった」

【2月5日 中国側】
国防省の声明「民間の気球を攻撃することは明らかに過剰な反応であり、我々は厳しく抗議する」

アメリカの対応に中国は激しく反発しています。実はこれと同じような気球が日本でも、2020年に宮城県で見られていたんです。

東北大学(天文学)の服部誠准教授に伺いました。

東北大学(天文学) 服部 誠 准教授
「形が球状になっているのと、吊っているものがほぼ一緒。宮城に来たものとほぼ同型」

ーー2020年の気球はどこから来たのか?

「(飛行ルートの分析結果から)ほぼ間違いなく、(宮城県に飛来した物体は)中国から来たものだと思う」

今回なぜアメリカの上空を気球が飛んでいたんでしょうか、2人の専門家に伺いました。

中国の軍事情勢に詳しい 笹川平和財団 安全保障研究グループ
小原 凡司 上席研究員

東アジアの安全保障問題に詳しい 東京大学 先端科学技術研究センター
山口 亮 特任助教

二人とも…
「米軍施設の偵察・情報収集が目的ではないか」と話しています。

まずは小原さんの見解です。「実験段階だった可能性もあるが」としながらも…

気球が撮影されたモンタナ州、核ミサイル配備をしている空軍基地。

笹川平和財団 小原 凡司 上席研究員
「人工衛星より隙間なく偵察できる気球で、軍施設の画像や電波情報の取得などが目的だったのではないか」

こうしたこともあってか、アメリカ軍が機器を撃墜。そして回収するということになりました。

さらに2月6日の中国共産党系国際紙「環球時報」では「民間の気球で危険性がないものと知らされたにも関わらず、武力を行使したことは明らかに限度を超える。中国側は賠償を主張して良い」とかなり激しく反発しているわけなんです。

この背景に小原さんこんなことがあるのではないかと話しています。

笹川平和財団 小原 凡司 上席研究員
「中国が欲しかった情報や偵察技術の能力などがアメリカにわかってしまう可能性がある」

井上貴博キャスター:
これは撃墜されて逆にデータがばれてしまうこともあると、丸腰過ぎはしないかなと感じるんですが。

TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
通信衛星は100キロ以上高いところを上を飛んでいて、全体の基地の配置とかその辺の動きを見る。これはおそらく通信傍受ではないか。通信をどういうふうにしてるかとかそういうのをキャッチする。そこは全部そのデータが溜まっていない可能性がある。その都度送信してる可能性があるから、全部アメリカ側に知られるってことはないかもしれません。

ホラン千秋キャスター:
中国としてはこれは偶発的なものであって、しかも民間の気象を調査するものだと。これは偶発的なものであったとしても、その気球を調査するものだったとしてもアメリカ側としては撃墜する権利というのはある?

星さん:
もちろんです。領空は領土の上の100キロぐらいを領空と言います。そこに入ってきたものは、もう不法侵入ですから撃墜する権利はある。

■米軍偵察 中国“実験”の可能性も 残る疑問は…

良原キャスター:
そして山口さんの見解です。

東京大学先端科学技術研究センター 山口 亮 特任助教
「人工衛星やドローンでの偵察に比べ、製造・運用のコストが安い」
「地下探索用の電磁波レーダーが搭載されていれば地下施設の観測も可能に」
「アメリカの探知能力と反応を試した可能性も」

そうした一連の流れもあってブリンケン国務長官は訪中を延期しました。

「訪中延期も計算の内だと思う。今後も中国による偵察気球が増える可能性は高い」

そしてお二人が残る疑問についても指摘してくださいました。

笹川平和財団 小原 凡司 上席研究員
「なぜ白色だったのか?発見を遅らせたいなら目立たない色に塗装するはず」

東京大学先端科学技術研究センター 山口 亮 特任助教
「搭載している通信機器が何だったのか?回収しないと情報が得られないのか、リアルタイムで映像を送信可能かでかなり違ってくる」

井上キャスター:
日本に3年前にあの気球がやってきていた。その結論は「正体不明」で片付けている。そうすると中国は日本の反応を見て「こんなもんか」と思う可能性もありますよね。

星さん:
それはあるでしょうね。日本でそれほど追及されなかったっていうことも。ただ今回ちょっと気になるのは、日本の政府もちょっと心配してるんですが、中…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20230206-6066388)

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