抜け道が?収容所の“間取り図”入手 「賄賂さえ渡せば…」集金手口を検証(2023年2月3日)

抜け道が?収容所の“間取り図”入手 「賄賂さえ渡せば…」集金手口を検証(2023年2月3日)

抜け道が?収容所の“間取り図”入手 「賄賂さえ渡せば…」集金手口を検証(2023年2月3日)

 日本への身柄引き渡しの壁となっている「嘘の告訴」を、当局は見過ごさない姿勢です。フィリピンでは藤田聖也容疑者(38)が被告となっている2件の裁判があり強制送還できない状況でしたが、このうち1件の脅迫罪を巡って訴えが棄却されたことが分かりました。もう1件の暴行罪についても棄却される見通しです。

 裁判所の職員:「棄却の判決が下されたのは2月1日付です。告訴は脅迫罪に関するものでした」

 裁判所によりますと、「正当な理由の欠如」が棄却の理由だということです。

 日本各地で相次ぐ強盗事件ではマニラ近郊にあるビクタン収容所からSNSなどで指示が出されていた疑いがあります。

 フィリピンまで現金を運んだという男性:「持って行った回数はたぶん5回から6回」「(Q.金額で言うと?)7000万円くらいじゃないですかね」

 現地の人物を通じ、渡邉容疑者からの依頼でフィリピンまで現金を運んでいたという男性が詐欺グループによる巨額の集金手口を語りました。

 2019年に摘発された被害60億円に上る特殊詐欺事件の主犯格とみられるのが、警視庁が逮捕状をとった収容所にいる4人のうちの1人渡邉優樹容疑者(38)です。

 摘発の舞台となったビル。実は、詐欺グループがフィリピンの実業家から購入したものだというのです。そう語るのは、2019年ごろ、日本からフィリピンに特殊詐欺で得た金を運んでいたという男性。

 フィリピンまで現金を運んだという男性:「(Q.金を運んだ名目は?)ビルの購入代金です。マカティにある7階建てのホテルです」「(Q.あそこで36人が特殊詐欺をしていた?)そうですね。渡邉優樹容疑者、小島智信容疑者のグループだった。いわゆる日本人特殊詐欺グループというのは後々分かりました」

 男性によりますと、渡辺容疑者らのグループがフィリピンの実業家からホテルだった建物を購入し、日本から資金の「運び屋」として、5、6回にわたり総額7000万円ほどを持っていったといいます。

 フィリピンまで現金を運んだという男性:「(Q.税関はどのように通った?)くぐり抜けたというか日本の場合は聞かれたことがある。ただ『ビルの不動産の支払いだ』と言ったら『大丈夫です』と」

 また、売主の実業家とやりとりする過程で小島容疑者と直接電話で話したこともあったそうです。

 フィリピンまで現金を運んだという男性:「(Q.話した印象は?)丁寧でした、めちゃくちゃ丁寧。例えば『きょうわざわざ対応してありがとうございました』。そんな感じですね」

 連絡にはテレグラムが使われ、様々なアカウントのメンバーと都内のホテルなどで会い、特殊詐欺で集めた金を受け取っていたそうです。

 一方、渡邉容疑者がいるビクタン収容所にはどのようにして現金が届けられていたのでしょうか。かつて施設に入っていた男性が当時の図面を元に「収容所の抜け道」を明かしました。

 「金さえ払えばどんな物でも手に入る…」。そんな収容者らの声が伝わるビクタン収容所。特殊詐欺の疑いで、警察から身柄引き渡しを求められている日本人収容者に現金を届けていたのが渡邉容疑者の元交際相手の女です。

 10年前に収容されていた男性:「まずですね、外に待合室と書いてある場所がある。そこで、まず『こういう物を持ってきたよ』と申告する」

 検査を通過して家族などが特別に接見できるエリアがあり、その先は入所者しか入れない居住エリアです。ところが…。

 10年前に収容されていた男性:「はじめの網の所に入れれば、奥には土日だけ入れます」「(Q.金庫番の役割を果たしていた女性でも中に入れる?)入れます」

 およそ10年前にビクタン収容所に拘束されていた男性は「賄賂さえ渡せば、数千万円の現金でも持ち込みは可能だ」と話します。

 10年前に収容されていた男性:「看守たちが(現金)を見ちゃうと何10%か持って行くんだったら(大金を持ち込むのも)大丈夫だと思います。賄賂次第です」

 10年ほど前の間取り図のため、現在とは中の様子が変わっている可能性もありますが、ビリヤードやベンチは以前と変わらず存在します。さらに「二人部屋」と書かれている所が今の「VIPルーム」なのでしょうか。ここで押収されたスマートフォンが連続強盗事件などに使用された疑いも…。

 フィリピン、レムリヤ法相:「日本人の容疑者たちへの訴訟が虚偽のものなのかどうか、見極めなければなりません。来週月曜日にも強制送還を実行させたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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