【独自】フィリピン収容所捜索の内部映像を入手 床には携帯電話が…(2023年1月31日)

【独自】フィリピン収容所捜索の内部映像を入手 床には携帯電話が…(2023年1月31日)

【独自】フィリピン収容所捜索の内部映像を入手 床には携帯電話が…(2023年1月31日)

 フィリピンで収容中の男4人を巡り新展開です。ANNが独自に入手した捜索を受ける収容所内部の映像です。フィリピン側は、男4人のうち1人を来月1日までに強制送還する見通しを示しました。一方、日本国内では「ルフィ」を名乗る人物と実際に会った男の初公判が行われ、謎に包まれている「ルフィ」の特徴が次第に明らかとなってきました。

 賄賂が横行していると指摘される塀の中。およそ100人もの入管関係者らが捜索に入り、施設には緊張感が漂いました。テーブルの上に収容者から押収された10台以上のスマートフォンや現金などが並べられています。半裸の男らは抵抗する様子がありません。これまで管理が緩く、金次第で通信機器やクーラー付きの個室「VIPルーム」などが手に入ると言われてきたビクタン収容所。

 ビクタン収容所に5カ月収容・ルポライター、金潤永さん:「今朝、監視が厳しいというメッセージは見ました。日本の事件で収容者たちは大変だね」
 収容者とみられる男:「そうですね。アイツはきのう独房から出されました」
 ビクタン収容所に5カ月収容・ルポライター、金潤永さん:「独房から出た人の名前は?」
 収容者とみられる男:「あの親分」

 タイミングが悪かったのか、規制が掛かったのか…この時、電話の相手は、多くを語ろうとしませんでした。そして「あの親分」とは一体、誰のことを指すのでしょうか。

 捜査関係者によりますと、現地で拘束されているのは渡邉優樹容疑者(38)、今村磨人容疑者(38)、藤田聖也容疑者(38)、小島智信容疑者(45)の4人。いずれも2019年にフィリピンで摘発された被害35億円に上る特殊詐欺に関与したとされ、警視庁が「窃盗容疑などで逮捕状」を取っています。また、4人のうち渡邉容疑者と今村容疑者は一連の強盗・窃盗事件にも関与した疑いがあり、犯行で使われたSNS上の指示役「ルフィ」や「キム」のアカウントが複数人でシェアされていた可能性も浮上。

 日本側は、連続強盗事件の捜査に支障がでないようフィリピン側に4人まとめての身柄引き渡しを求めていますが、手続き上、難しいとの見方を示します。

 フィリピン、レムリヤ法相:「我々は送還できる人については直ちに手続きします。1人はきょうかあす、送還できる見通しです」

 他の容疑者も条件が整い次第、送還させると説明。フィリピンでは、入管施設の収容者が強制送還を避けるため、外部の協力者に告訴させ刑事司法手続きに入ることで、身柄移送を“先送り”する手口が横行しているそうです。

 元「日刊まにら新聞」記者・ノンフィクションライター、水谷竹秀さん:「強制送還されるまでに2週間から1カ月程度、手続き含めてかかる。本国に帰りたくない人は強制送還されないように知人、友人に告訴をしてもらって。そうすると事件になりますので、事件を抱えている容疑者はフィリピンに事件を抱えてしまうので、そうすると裁判が始まるし、(フィリピンに)いなきゃいけないので強制送還されないんですよね。知人に訴えさせて強制送還を免れる形でずっと滞在期間・収容期間を延期させている日本人はいました」

 容疑者らについては、女性などへの暴行罪で訴追されていて今後、フィリピンでの裁判が予定されています。収容を延長させる狙いなのか。

 31日午前、担当の弁護士が取材に応じました。

 渡邉容疑者を訴えた弁護士:「私の仕事は原告である渡邉容疑者の妻を守ること。強制送還よりも訴えを起こした事案を先に解決するべきです。偽装ではありません」

 また、フィリピンの司法のトップを担うレムリヤ法相は、日本から強制送還を要請された容疑者らから携帯電話などの通信機器を押収したと明かしました。

 フィリピン、レムリヤ法相:「容疑者のうち1人が6台のスマホを所持していました。犯罪行為は施設内で、所持していた携帯電話によって行われていた可能性が高いとみています。それについては、現在調査を進めているところです」

 日本へ来月1日にも送還されるのは4人中1人とし、名前は明かされませんでした。そして、今週末にかけてもう1人、残る2人も来週中に引き渡される見通しです。

 一方、首都・マニラにある大型ホテル。フィリピン最大級のカジノが併設され、昼夜を問わず多くの客でにぎわっています。総額35億円もの被害が確認されている特殊詐欺事件のリーダー格とみられる渡邉容疑者は、VIP専用エリアに出入りするほど常連だったという情報も…。

 10年以上現地の新聞社で取材活動をしていた水谷氏によりますと、日本人の客も多く訪れていると言います。

 元「日刊まにら新聞」記者・ノンフィクションライター、水谷竹秀さん:「カジノの中に飲食店が入っていて日本料理店も入っている。日本で食べるよりも高い。例えば、カジノに入り浸っていたとしたら、日本の捜査当局からフィリピン側に情報が渡って『こういう人間がフィリピンに潜伏している可能性がある』となる」

 日本からの観光客によりますと、ホテル内は1週間ほど回っても見切れないほど広大な敷地だと言います。

 渡邉容疑者が“常連”だったカジノを訪れた人:「(Q.旅行中何度カジノへ?)毎日ですよ、6日間。とにかく広い。カジノの中も迷う。いまだに6日間通っても。入り口だけで5、6カ所ある」「(Q.VIP専用ルームもある?)VIPある。警備員がいて大きな扉がある」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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