「バックカントリー」遭難続出…クレバス落下女性“救助の瞬間” 下半身埋もれ動けず(2023年1月31日)
スキー場など、管理されたエリアの外で滑る「バックカントリー」中の事故が相次いでいます。雪崩に巻き込まれた直後の映像を入手。救助の様子を捉えていました。
■「こんな凍り方初めて」寒さで“秘境に絶景”
記録的な寒波は、秘境に絶景をもたらしました。
岩手県八幡平市にある、東京ドーム80個分の広さの森では…。
岩手県 県民の森・小松範子さん:「クマの爪痕です」
クマも暮らす森の雪道を2時間歩くと、そこには高さ30メートルほどの「七滝」が寒さで凍り、秘境の絶景を生み出していました。
普段は、滝つぼが池のようになっていますが、滝つぼも凍り、盛り上がっているのが分かります。
小松さん:「こんな凍り方、初めて。異様さがすごく迫力ある」
■北海道 マイナス30℃以下で「呼吸しづらい」
北海道占冠村では30日、マイナス30℃を下回る寒さになりました。
「放射冷却」が効き、冷え込みが強まった北海道。今季、マイナス30℃以下の冷え込みを記録したのは、陸別だけでしたが、一気に6地点が下回りました。
占冠観光協会の人:「深く息を吸うと、肺のほうが冷たいというか、呼吸がしづらいというのはある」
■過去にも雪崩…山岳ガイド「やっぱりそこか」
一方、過ぎ去った寒波の影響は続き、日本海側を中心に雪崩による被害が相次ぎました。
30日夕方、新潟県の妙高連峰で、スキー場のコース外にあたるバックカントリーで、スキーをしていたフィンランド国籍の男性4人が遭難しました。
4人は一時、身動きがとれなくなりましたが、その後、自力で下山したということです。
長野県小谷村では、スキーをしていた外国人グループ4人が巻き込まれる雪崩が発生。30日、2人が心肺停止の状態で発見され、死亡が確認されました。
現場近くのゴンドラの駅を降りると、すぐの所に黄色い看板があります。「これより先はスキー場の管理外」と書かれています。
外国人スキーヤーはここから先、およそ2時間歩いた所で雪崩に巻き込まれたとみられます。
現場は、白馬乗鞍岳の天狗原東側の斜面。ここもバックカントリーと呼ばれる、スキー場などとは違って、整備されていない場所です。
このバックカントリーでは、誰も滑っていない新雪を滑ることができる魅力がある反面、何度も雪崩が起きている、注意が欠かせない場所だといいます。
国際山岳ガイド・山岸慎英さん:「過去にも雪崩が、そこで起きていると思う。やっぱり、そこかと思った。2週間くらい前に、白馬でも雨、標高が高いところまで雨。それが凍って滑り面になって、雪が落ちたのでは」
■“クレバス”に落下…下半身埋もれ動けず
去年3月、長野県警の山岳救助隊が、女性の救助に向かう映像。女性は、バックカントリーでスキーをしていた最中に、雪崩に巻き込まれたといいます。
雪崩の発生から1時間半。懸命の捜索を続けていると…。
隊員:「そこにいる?もう(体)出てる?もう出るね!あと、どこ出ればいい?」
同行者:「腕」
雪に埋まった女性を発見しました。
同行者:「足、動かしていいですか?」
隊員:「いいよ、ゆっくりね」
隊員:「本人(遭難者)ほとんど出てます。(体の)一部分が埋まっていますが、顔等出ています」
女性は、雪崩に巻き込まれながら、クレバスと呼ばれる雪の深い割れ目に落下。同行者が雪の中から掘り出しましたが、女性の顔は青白く、低体温症の恐れもあります。
体のほとんどが雪から出ていましたが、足をけがして動けない女性。隊員らは懸命に雪をかき出して救助すると、意識を失わないようヘリコプターが到着するまで、声を掛け続けました
女性:「(Q.きょう昼、何食べた?覚えてる?)コーヒー飲んだだけ」「(Q.何も食べてない?)うん」「(Q.ここ、どこのスキー場(か分かる)?)えーと…〇〇スキー場」
女性は病院に搬送され、一命を取りとめたということです。
■ヘリで救助できない場所…ロープ使い“決死救助”
2018年、長野県の北アルプス栂池で、バックカントリーでスキーをしていた3人から「道に迷い、遭難した」との通報が入りました。ヘリで直接、救助するのは難しい場所のため、隊員たちは歩いて向かいます。
急な斜面に深い雪。滑落や雪崩などの危険性がある場所で、隊員たちも命がけです。
樹木にロープをつなぎ、遭難者たちを少しずつ誘導。無事に、3人を救助することができました。
警察は、毎年起きる雪山での事故について、装備を整え、油断することなく、天候や雪の状態を確認し、経験豊富な山岳ガイドなどと山に入るよう、呼び掛けています。
(「グッド!モーニング」2023年1月31日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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