【報ステ】カギは「4人の携帯」強盗・窃盗事件への関与は?日本が4人“引き渡し”要請(2023年1月30日)

【報ステ】カギは「4人の携帯」強盗・窃盗事件への関与は?日本が4人“引き渡し”要請(2023年1月30日)

【報ステ】カギは「4人の携帯」強盗・窃盗事件への関与は?日本が4人“引き渡し”要請(2023年1月30日)

各地で相次ぐ強盗事件をめぐり、30日夜に動きがありました。

フィリピン政府に対し、現地の日本大使館は、事件に関与した可能性のある2人を含む日本人4人について、身柄を引き渡すよう正式に要請し、フィリピン側も協力する意向を示しました。

今後は捜査の進展とともに、いつ引き渡しが行われるかが焦点となります。

渡邉優樹容疑者(38)、今村磨人容疑者(38)、藤田聖也容疑者(38)、小島智信容疑者(45)の4人に対して、2019年に起きた特殊詐欺事件での逮捕状が出ています。

この特殊詐欺事件は「掛け子」がフィリピンから日本へ詐欺の電話をかけ、「受け子」が日本でキャッシュカードなどをだまし取るなどした事件で、36人が日本に強制送還され、逮捕されています。

この時点では、渡邉容疑者ら4人は身柄を拘束されていません。

【歓楽街にも…現地の生活は?】

◆フィリピン・マニラで取材にあたる井上桂太朗ディレクター

(Q.容疑者たちは逮捕前、どのような生活を送っていたのでしょうか?)

渡邉容疑者が出入りしていたとされるマカティ市。そのマカティ市内の歓楽街の1つブルゴスストリートという所にいます。

30日は昼から取材にあたっていますが、昼に比べると夜は人通りも増えてきたように感じます。

中国語や韓国語、英語など色んな言語が飛び交う街です。

マカティ市にはこうした歓楽街が点在していて、そのなかに日本人がよく利用する『KTV』というカラオケバーがあります。

渡邉容疑者はそういった所をよく利用していたということです。

渡邉容疑者を接待したことがあるという女性は、渡邉容疑者の印象について「悪い人には見えなかった。ただ、他の女性にお酒を振る舞うなど、羽振りがいい面があった」と話してくれました。

【強盗・窃盗事件への関与は?】

◆一連の強盗事件などを取材している、警視庁捜査一課担当・山木翔遥記者

(Q.渡邉容疑者、今村容疑者に続いて、新たに小島容疑者と藤田容疑者の名前が出てきました。一連の強盗・窃盗事件への関与について、警察はこの2人をどうみていますか?)

捜査関係者への取材では、現時点では、一連の強盗・窃盗事件に、小島容疑者と藤田容疑者の関与があるかどうかは分かっていません。

しかし、特殊詐欺事件については、主犯格とされる渡邉容疑者をはじめ、4人全員が関わりを持っていることが分かっています。

そのため、4人は当然、知り合いということになるので、一連の強盗・窃盗事件への関連も調べるのが自然な流れだと思います。

(Q.一連の強盗・窃盗事件は、特殊詐欺事件のやり口をそのまま応用したようにもみえますが、手口についてはどうみていますか?)

基本的な構図は一緒だとみられます。一般論ではありますが、特殊詐欺となると、電話をかける人物が何人も必要になります。

制限のある収容所にいると、メンバーを仕切れないと考えるのが普通で、一気に狙いどころを指示して、少人数で行える強盗という手口に変えたということは考えられます。

これまでの捜査で明らかになっているのは、犯行の指示にSNSが使われていることです。

つまり、スマートフォンが指示役とつながるカギとなることは確実です。

警察への対策として、スマートフォンに残ったデータを消すように、実行役に指示していることも考えられます。

ただ今回の事件は、関連の多くの容疑者が逮捕されていることで、実行役のなかには、やり取りを消し忘れたり、情報を残している人物がいる可能性が高くなってきます。

警察は、それをどれだけ解析・復元をしていけるのかが重要です。

そして、警察が気にしているのは、今回の4人の所持品です。フィリピン側が、携帯電話などをそのまま日本に提供してくれるのかが大きなポイントになってくると思います。

【“送還逃れ”で虚偽の訴訟も】

渡邉容疑者・今村容疑者の身柄引き渡しが、いつ・どのように行われるかが焦点になるとみられます。

国際刑法に詳しい土屋眞一弁護士によりますと、現地で法を犯した場合、通常の犯罪人引き渡し条約
では、まずはその国の司法手続きが優先されるため、原則として、手続きが終わるまでは容疑者を国外へ送還することはできないということです。

日本とフィリピンの間では、犯罪人引き渡し条約が結ばれていませんが、国際的な総合判断で、フィリピン政府も個別交渉で、容疑者の引き渡しに応じる可能性もあり得るということです。

渡邉容疑者の場合、女性や子どもに対する暴行事件で訴追されているため、本来は送還できない状況にあります。

一方、今村容疑者も女性や子どもに対する暴行事件で訴追されていましたが、中断され、送還できる状況になっています。

フィリピンのレムリヤ法相は、一般論として「多くの逃亡者は強制送還されないために訴訟を起こさせる。不法滞在している人が強制送還されないよう、裁判を起こすために手はずを整える弁護士がいる。長く居続けるためにでっち上げられた訴訟だと判明したら却下できる。そうすれば、すぐに強制送還できる」と話しています。

【4人の“引き渡し”早期実現か?】

◆一連の強盗事件などを取材している、警視庁捜査一課担当・山木翔遥記者

(Q.4人の早期引き渡しは実現しそうですか?)

今回、全国規模で事件が起き始め、渡邉容疑者らの関与は分かっていませんが「なんとしても解決する」という、警察の注力が相当なものになっています。

通常であれば、ビザやスケジュール調整は数週間、数カ月かかることもありますが、今回は今までにないようなスピード感で動いている印象です。

フィリピン側の判断次第では、数日中に一気に動く可能性もあり得ます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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