「捕まることはない」闇バイトの“実態” 見えたのは「ピラミッド型の構造」(2023年1月30日)

「捕まることはない」闇バイトの“実態” 見えたのは「ピラミッド型の構造」(2023年1月30日)

「捕まることはない」闇バイトの“実態” 見えたのは「ピラミッド型の構造」(2023年1月30日)

 特殊詐欺の「指示役」として、日本国内にいる「実行役」を操っていたとみられる渡邉優樹容疑者(38)と今村磨人容疑者(38)しかし専門家は、さらにそのうえに「首謀者」の存在があると指摘しています。では、この首謀者とは一体、誰なのでしょうか。犯罪組織の「全体像」を追いました。

 全国で相次ぐ強盗・窃盗事件。見えてきたのは「ピラミッド型の構造」です。

 フィリピンで収容中の渡邉容疑者と今村容疑者は一連の事件に関与しているとみられます。指示役として、国内にいる「実行役」を操っていたのでしょうか…。

 関連が疑われる事件は14都府県に広がり、すでに30数人が逮捕されていますが、指示役は実行役をどのように集めたのか。

 山口県岩国市の事件で逮捕された容疑者は、こんな供述をしています。

 強盗未遂事件で逮捕・渡邉翼被告(26):「SNSで『高額バイト』と検索した」

 番組スタッフが、そのうちの一つと接触しました。

 話が聞けたのは詐欺などの犯罪で相手から現金を受け取る、いわゆる「受け子」を募集する人物。自分が指示役だと明かしたうえで…。

 SNSで「受け子」を募集する人物:「うちに来てくれる人材を大事にしているので、連絡手段とか僕らは絶対にバレない方法でやっている。『あしたはこの地域でやります』というのを、そこの地域の機関にお金を払って報告したうえでやっているので」

 この人物が強調したのは“捕まることはない”ということでした。

 組織犯罪に詳しい元警視庁警視の櫻井裕一氏は、指示役と実行犯の関係について…。

 元警視庁警視・櫻井裕一氏:「(Q.実行役は指示役にとってどんな存在?)はっきり言って『駒』ですよね。荒っぽくなっても、やらせるのは“闇バイト”で集めた素人なので、平気で指示する。(指示役は実行役の)身分証や運転免許証など取り上げるので『辞めたい』となっても『やったこと言うよ』と言われるだけで困る。次やらなければ、指示通りやらなければと結局、足抜けできない状況に陥ってしまう」

 さらに、櫻井氏は「一連の事件には指示役の上に首謀者がいる」と指摘します。

 元警視庁警視・櫻井裕一氏:「実行犯がそれぞれ逃げたら(指示役だけでは)追い掛けられない。これは(背景に)反社会的勢力の組織がいるのではないかと思います」

 そう考える理由に、今回の事件の構図が反社会的勢力が絡んだ「特殊詐欺」と似ている点が挙げられます。そして、櫻井氏は「警察も“裏に組織がいると見ているはず”」だと話します。

 警察庁は先週、事件に関連する14都府県警の捜査部門トップを集めて緊急会議を行いましたが…。

 元警視庁警視・櫻井裕一氏:「ここで刑事部長と組織犯罪対策部長を集めていると、(反社会的な)組織も絡んでいると(警察が)みているのでは」

 一方で、事件を操る首謀者や組織にたどり着くには相当、高いハードルがあるともいいます。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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