バックカントリー中に雪崩 山岳ガイド「表層雪崩では」 新雪を楽しめる一方…危険も(2023年1月30日)

バックカントリー中に雪崩 山岳ガイド「表層雪崩では」 新雪を楽しめる一方…危険も(2023年1月30日)

バックカントリー中に雪崩 山岳ガイド「表層雪崩では」 新雪を楽しめる一方…危険も(2023年1月30日)

 長野県のスキー場の外の山林で、「バックカントリー」をしていたスキーヤーが雪崩に巻き込まれました。男女3人が救助されましたが、取り残された2人は意識不明です。

■外国人スキーヤー5人が巻き込まれる

 スキー場のコース外、管理されていない雪山でスキーなどをするバックカントリー。パウダースノーや自然のままの地形を滑ることができるため、一部スキーヤーの間で人気となっています。

 そんなバックカントリーで事故が起きました。

 29日午後2時半ごろ、長野県小谷村の「栂池高原スキー場」北側にある白馬乗鞍岳天狗原の東側斜面で雪崩が発生しました。

 バックカントリーをしていた外国人スキーヤー、少なくとも5人が巻き込まれました。

 標高800メートルほどの場所にある飲食店の人によりますと、ゴンドラを上がっていって、さらに歩いていったところ、およそ標高2000メートルの場所で雪崩にあったとみられます。

 雪崩に巻き込まれたのは、オーストリア人2人、アメリカ人2人、ドイツ人1人の合わせて5人で、このうち3人が救助されました。

 現場には、まだアメリカ人1人とオーストリア人1人の2人が残っていて、いずれも意識不明だということです。

■山岳ガイド「表層雪崩の可能性が高い」

 雪崩はなぜ起きたのでしょうか。現場近くで山岳ガイドを務める男性は、次のように話します。

 北アルプス白馬連峰で山岳ガイドを務める 武藤慶太さん:「先日の24日くらいでしたかね。あの時に、ある程度まとまって(雪が)降って。その後、(先週)金曜日から(翌日)朝にかけて、特に小谷方面で降ったということですよね。急激に積もったものは、急な斜面では落ちやすい。表層雪崩と一般に言われる可能性が非常に高いと思う」

 「表層雪崩」とは、降り積もった古い雪の上に、新しい雪の層ができ、それが雪崩となって落ちる現象です。真冬の大雪が降った時には特に警戒が必要と言われています。

 小谷村では寒波の影響で、23日に26センチだった積雪が、28日には118センチになるなど、急激に積もりました。

 気象庁などによると、小谷村を含む長野県北部には、雪崩注意報が発表されていました。

■“新雪”楽しめる一方…“危険”も

 1週間ほど前、雪崩が起きた場所からほど近い白馬乗鞍岳でバックカントリーをした人が撮影した映像です。

 リフトがない山の上まで歩いて登り、そこから人がほとんどいない大雪原をさっそうと滑り下りていきます。斜面は比較的なだらかです。

 投稿者によりますと、この日は、まだ積雪量が少なく、雪崩の危険性は低かったということです。

 外国人観光客からも人気となっているバックカントリー。専門家は、新雪を楽しめる一方で、危険も伴うと指摘します。

 武藤さん:「やみくもに知識がなくて入ると、当然色んな人を巻き込むので。ちゃんとした知識とか装備とか経験とかガイドとか、しっかり確保しながら楽しむスポーツ」

(「グッド!モーニング」2023年1月30日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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