【光熱費高騰の冬】水族館や銭湯もピンチ 「ガス代約100万」でギリギリの経営(2023年1月17日)

【光熱費高騰の冬】水族館や銭湯もピンチ 「ガス代約100万」でギリギリの経営(2023年1月17日)

【光熱費高騰の冬】水族館や銭湯もピンチ 「ガス代約100万」でギリギリの経営(2023年1月17日)

 気温が急降下し本格的な寒さを迎えるなか、気になるのが光熱費の高騰です。ガス代や電気代の値上がりは家計だけでなく、水族館や銭湯など街のあちこちに影響を及ぼしています。

 上空に寒気が流れ込んでいる影響で、17日朝は全国的に強い冷え込みとなりました。東京・府中では、最低気温がマイナス0.2℃。都内では銭湯を楽しむお客さんも…。

 そんななか、光熱費の高騰がいよいよ経営に影響するまでのレベルになっている場所もあります。人気のアシカやペンギンなどが元気よく水槽の中を泳ぐ姿が楽しめる東京・池袋の「サンシャイン水族館」。言わずと知れた人気の水族館ですが…。

 サンシャイン水族館・二見武史さん:「生き物たちの『適正な温度』があるので、それを維持してエネルギーを使うので、やはりコストに跳ね返ってくる」

 実は今、全国の動物園や水族館が同じ問題を抱えています。新潟の「マリンピア日本海」では、電気代だけで、2021年度は年間約7500万円だったそうですが、節電のため使用量が数%減っているにもかかわらず、2022年度は約1億1000万円の見込み。先月の電気代は、前年比6割増の約1000万円だったそうです。

 大きな水槽の水温を維持するための光熱費。生き物を扱うため、節電や節約にも限界があるなか、経営に影響するレベルの光熱費高騰に対して工夫を重ねる水族館。こんなまさかの対策までも…。

 東京・池袋のサンシャイン水族館。光熱費、餌(えさ)代などの相次ぐ高騰にこんな工夫を…。

 サンシャイン水族館・二見武史さん:「生き物ではなく、機械だけの場所は電気を消しています。こっち側は、今クラゲたちがいるので(電気を)付けてもらっている状態ですね」

 館内の暖房を節約。バックヤードでは、電気を切っている状態。

 サンシャイン水族館・二見武史さん:「生き物たちの『適合する温度』というものがありますので、それを1℃下げたりするだけでも、かなり使うエネルギーは減りますから」

 生き物の生体に影響のない範囲でのわずかな温度調整までを行って節約をしているそうです。「入場料金」に関しては、なんとか維持をする努力を続けていましたが、今年3月からの値上げを決めています。

 光熱費の高騰は「庶民の味」も直撃。愛知県小牧市にあるラーメン店です。

 辻商店・辻田雅人店長:「(スープは)25時間は大抵炊きますね。今だと朝8時から24時ごろまでは、大体(火は)付けっぱなしです」

 豚肉やネギ、小麦など、材料に関しても値が上がっていないものは何もないというぐらい逼迫(ひっぱく)した状況だそうですが、特に大きいのが「ガス代」です。お店の自慢である豚骨を約16時間煮込んだ濃厚スープは…。

 辻商店・辻田雅人店長:「ひと月で今、ガス代だけで15万円前後掛かっています」

 店によると、1年前はラーメン1杯あたりにかかるガス代は約40円。しかし、現在は約2倍となる70円超えだそうです。お店では、2カ月前に100円の値上げすることにしました。さらに…。

 近代的なデザインに、黒湯温泉のかけ流しや無料サウナなどの設備も充実した人気の銭湯、大田区の「COCOFUROますの湯」。

 COCOFUROますの湯・日高晃治店長:「ガス料金だと、通常の月だと50万円ぐらいのところが、ここ1、2カ月は下手したら80万円とか90万円、100万円近くになっちゃったり…」

 ガスを使ったボイラー室です。一体なぜ、源泉かけ流しにボイラーが必要なのでしょうか?

 COCOFUROますの湯・日高晃治店長:「冬なので、外の温度が寒かったりするとお客さんが外から来て『熱い温度がいいな』ということになるので」

 源泉であっても「温度調整」は必要になります。今の季節の場合、ますの湯ではガスを使ったボイラーで65℃まで上げて、お客さんの入る湯船が43℃ぐらいになるように調整しているそうです。

 COCOFUROますの湯・日高晃治店長:「正直びっくりしました。こんなに(料金が)上がっているんだなって。数字を見て実感するってこともあって。毎回請求が来るたびにドキドキしています」

 部屋の暖房や、サウナの電気代など他にも光熱費がかかる要素は多く、こちらも節約しながらギリギリだそうです。

 COCOFUROますの湯・日高晃治店長:「もしかすると営業時間をちょっと短くしないといけないとか。お湯の温度を下げるわけにはいかないので…」

 現在のところ値上げはしないで頑張るそうですが、銭湯のお客さんは…。

 銭湯の利用客:「我々消費者としては、お客としてはすごくありがたいですね。他の物価が高くなってるわりに、これだけ楽しめるんだから」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事