日本近海で相次ぐ“異変”「のり」収穫量が激減 海岸に大量フグで地元騒然(2023年1月12日)

日本近海で相次ぐ“異変”「のり」収穫量が激減 海岸に大量フグで地元騒然(2023年1月12日)

日本近海で相次ぐ“異変”「のり」収穫量が激減 海岸に大量フグで地元騒然(2023年1月12日)

 日本近海で異変が相次いでいます。収穫量が激減しているのり。海岸に打ち上げられた大量のフグ。その背景に一体何があるのでしょうか。

 つやつやのお米にアナゴにかんぴょう、たまごを詰め込んだ太巻き。一番外側ですべてをしっかりと包み込んでいるのがのり。ですが、巻きずし専門店ではのりの仕入れ価格が上がっているといいます。

 ささき寿司店・佐々木健太代表:「2年前と比べると(仕入れ価格が)大体2、3割上がっています。(のりは)元々、原価率が良くない商品なんですけど、経営を圧迫するようなくらいに上がっています」

 風味だけでなく、しっかりとした厚みを考慮してこの店では兵庫県産ののりを使用していますが、値上がりを受けて別の産地ののりも検討しました。

 ささき寿司店・佐々木健太代表:「(兵庫県産以外を)試したんですけど、それを透かして見ると、薄くてうちの店ではちょっと向いていない感じでした」

 のりの高値が続けば節分の恵方巻の価格にも影響するかもしれません。

 ささき寿司店・佐々木健太代表:「『のり』だけではなく全部が値上がりしているので、価格設定とか正直厳しいですね」

 節分には500本、いつもの週末でも150本の巻ずしが売れるこの店ですが、のりの値上がりで商品の値上げを検討せざるを得ない状況だといいます。

 値上がりの理由は、のりの不漁です。全国ののりの需要が年間85億枚といわれるのに対し、2021年度の生産量は、およそ64億枚。不漁の原因は、栄養となる海中の窒素やリン、ケイ素の不足、海水温の上昇、魚による食害が考えられるといいます。

 海の異変はのり以外にも。新潟県の北部・村上市の海岸には9日から大量のフグが打ち上がっていました。専門家によるとこのフグは「ホシフグ」だといいます。

 マリンピア日本海・野村卓之館長:「本来、日本海にすんでいるものではなく太平洋側の温帯から熱帯にかけて、深い所にいる種類だと言われています」

 太平洋側のホシフグが日本海側で打ち上げられた理由は、この冬の寒さが影響しているといいます。

 マリンピア日本海・野村卓之館長:「冬場の対馬海流というのは特に今年みたいな冬になると蛇行流になる。本来(ホシフグが)いた海域がまるごと日本海に入ってくるようなイメージ。深い所にいるから持ち上がって表層が特に冷えているからそれで寒くて弱る、衰弱するというのはあるのではないか」

 大量のフグが打ち上げられる現象は、お隣の山形県にまで及んでいます。新潟県と接する山形県鶴岡市の4つの漁港と、秋田県に接する遊佐町の漁港でフグの漂着を確認。こちらもホシフグとみられ、鶴岡市の1つの漁港だけで、12日午前中、県の職員が数万匹をを回収したということです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事