ストリートピアノに賛否「騒音聞かされ不愉快」 休止・撤去も…“共存”へ模索続く(2023年7月19日)
近年、気軽に音楽に触れてもらおうと、駅や商業施設に誰でも演奏できる「ストリートピアノ」の設置が増えています。一方で、その音が問題となるケースも相次ぎ、難しい対応が迫られています。
■「ずっと騒音を…」各地で“トラブル”相次ぐ
多くの人が行き交う、東武鉄道・坂戸駅。去年の秋、コンコースにピアノが置かれ、駅の利用者が演奏に耳を傾けます。
ただし、このピアノは、利用するにあたって「激しい曲はご遠慮ください」「丁寧に優しく演奏してください」「演奏時間は一人5分程度とします」など、いくつものルールが設けられています。
演奏する前には名前の記入が求められ、違反する人が出ないよう、監視カメラも設置されています。
ここまで厳しくするのは、ストリートピアノの音を巡って各地でトラブルが相次いでいるためです。
兵庫県内の商業施設に設置されたピアノには、「ずっと騒音を聞かされながらの買い物、とても不愉快です」「いつも同じ人が長時間、下手なピアノを続けています」といった意見が寄せられていました。
美しいピアノの音色も、場合によっては不快な雑音。SNS上などでも様々な声が上がっています。
例えば「おじさんが延々と暗い曲をジャーン、ジャーンと弾いていて騒音だった」「聴いている人が気持ちよくなる曲を弾いてほしい」という声や、他にも「電車の発車メロディーを弾く人がいて落ち着かない」「一部の人たちのためのおもちゃをなぜずっと置いているのか」といった声が上がっていました。
■不協和音とならないため…“共存”の模索続く
休止や撤去に追い込まれたケースもあります。
名古屋市が去年4月に設置したピアノは、今年3月に利用休止となり、再開のめどは立っていません。
名古屋市 担当者:「一部の方がルールを守らずに大音量で演奏され、それが演奏がうるさいという声につながるという状況なので。今後どうしていくかについて今、市の内部で検討している状況です」
兵庫県のJR加古川駅でも、ルールを守らない人が続出し、設置から半年で撤去されました。
こうした状況もあって、坂戸駅のピアノは、大きな音が出ないよう、様々な対策をしています。
坂戸駅ステンドグラス未来ピアノの会 薄墨多美恵代表:「音を遮断するためのボードを購入しました。結構、頑丈なものを入れました。上ぶたも常に閉めたまま」
さらに、床には音を吸収するマットを敷いています。しかし、それでも…。
利用者:「『デカイ音だな』と言われることもあるんですけど、(言われたら)ちょっと優しく弾こうかなという感じで。『すみません』って言って。それか、弾くのをやめて帰る時もある。迷惑にならないように」
せっかくのストリートピアノの音色が不協和音とならないために、共存のための模索が続いています。
(「グッド!モーニング」2023年7月19日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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