【価格の優等生】鳥インフルエンザ“猛威”卵が高騰 ペンギンの代役に河童も…(2023年1月11日)

【価格の優等生】鳥インフルエンザ“猛威”卵が高騰 ペンギンの代役に河童も…(2023年1月11日)

【価格の優等生】鳥インフルエンザ“猛威”卵が高騰 ペンギンの代役に河童も…(2023年1月11日)

 食品の値上げが相次ぐなか、鳥インフルエンザの猛威が私たちの食卓にさらなる打撃となっています。“価格の優等生”とされる卵の価格が、この1年で倍近くまで高騰し、各地で悲鳴が上がっています。

 東京・新橋にある、お好み焼き店「みっちゃん」では、一日に約300個から400個の卵を使っているため、価格の高騰が経営を直撃します。

 お好み焼みっちゃん総本店・田口勝彦店長:「(Q.卵の仕入れ価格は上がっていますか?)上がっていますね。1個あたり9円近く上がっている。飲食業界大ダメージだと思います」

 卵の月別相場情報によりますと、去年1月、1キログラムあたり平均約150円だった価格は12月には280円を超え、倍近い値段に。また、今月11日に発表された価格は275円となっています。

 お好み焼みっちゃん総本店・田口勝彦店長:「夜だけでこの量を消費していきます。卵はお好み焼きに必要不可欠な存在。大事です。これがないとおいしくないので」

 ニワトリの餌(えさ)の原料となる海外のトウモロコシや小麦の不作に加え、ウクライナ侵攻や歴史的な円安など様々な要因が価格の高騰につながっているとみられていますが、さらに懸念する事態が発生しています。

 白い防護服に身を包んで歩いていく作業員。8日、茨城県城里町の養鶏場で鳥インフルエンザが確認されました。殺処分の対象となったニワトリは約93万羽。鳥インフルエンザが全国で前例のないほどの猛威を振るっています。去年秋からの殺処分の対象数を見ると、去年11月から急激に数を増やし、今月10日についに1000万羽を超えました。1シーズンでの1000万羽超えは初めてで、過去最悪の数値となっています。

 野村哲郎農林水産大臣:「いわば非常事態宣言と言うべきことを発したい」

 鳥インフルエンザに詳しい北海道大学の迫田義博教授は感染拡大の理由を「渡り鳥の飛来の速さ」と指摘します。

 北海道大学大学院獣医学研究院・迫田義博教授:「シーズンとして一番早いものが(去年)9月下旬にハヤブサから神奈川県伊勢原市でウイルスが分離されたんですけど、9月下旬に野鳥からウイルスが分離されるのが最速。10月中に養鶏場における感染もある。すべてが最速で結果として、これまで最大の殺処分数になっている」

 つまり「渡り鳥の飛来が例年より早まり、養鶏場への感染も早まった結果、感染が激増した」と言います。そして殺処分された大半は採卵鶏(さいらんけい)と呼ばれる、卵を産ませるために育てられたニワトリです。

 新潟県三条市のスーパーでは、県内の養鶏場で殺処分が進められたため、特売の予定だった卵300パック以上が入荷できなくなり、他の問屋をあたるなど対応に追われました。

 マルセン・太田雅悠専務:「卵はスーパーにとって集客の柱になっている商品なので、品薄とか価格の値上がりを受けると、お客様の来店の足が止まったり、そういうところに影響が及ばなければいいと願っています」

 1000万羽を超える殺処分、価格の上昇に対する影響は避けられません。

 秋田の比内地鶏を使った親子丼で有名な東京・赤坂の「きすけ」。1人前に使う卵は2つ、10個で500円以上する高級ブランド卵を使用しています。

 秋田比内地鶏きすけ・古澤卓店主:「去年からちょっとずつ値上げが始まっている感じは否めない」

 鶏肉の値上げも相まって去年、100円の値上げに踏み切りました。そこに今回の大量殺処分のニュース…。

 秋田比内地鶏きすけ・古澤卓店主:「不安ですね。今、使っている鶏が今後、入らなくなってしまうと、これまで提供していた味が変わる可能性も出ますし」

 また、国内で生産された卵の約2割はマヨネーズなどの加工用として消費されます。先ほどのお好み焼き店ではマヨネーズ価格の高騰にも困惑していました。

 お好み焼みっちゃん総本店・田口勝彦店長:「1キロあたり200円から300円上がった。原材料は上がっているが、(商品の)値上げはしていない。今のところ(値上げは)考えてはいるが、すぐには…」

 全国で蔓延する鳥インフルエンザの猛威は、こんなところにも影響を与えています。香川県にある水族館のペンギンプールにいたのはカッパの集団…。

 四国水族館広報担当・片山豊心さん:「ペンギンも鳥なので、感染対策として屋外展示をしていたので、屋内のバックヤードに下げて展示を一時休止という形にしている」

 それにしても代役をカッパにした理由は…。

 四国水族館広報担当・片山豊心さん:「四国の伝承にも度々、登場するようなカッパを展示したいなというところで、高知県にある海洋堂のかっぱ館から協力をもらってカッパを展示しようということになった」

 生活の様々な面で影響を与えている鳥インフルエンザの拡大。シーズンは、まだ半ばだといいます。

 北海道大学大学院獣医学研究院・迫田義博教授:「(Q.いつまで警戒が必要?)渡り鳥たちが帰っていくのが4月・5月。これは地域にもよると思うが、5月下旬まで警戒が必要」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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