カラカラ日本列島、北国はジグザグ天気 -30℃の絶景“幻の村”、極寒の“アート”も(2023年1月11日)

カラカラ日本列島、北国はジグザグ天気 -30℃の絶景“幻の村”、極寒の“アート”も(2023年1月11日)

カラカラ日本列島、北国はジグザグ天気 -30℃の絶景“幻の村”、極寒の“アート”も(2023年1月11日)

 東京は11日も乾燥注意報が発表され、これで20日連続で雨が降らず、火災が相次ぎました。一方、北海道では気温が上昇するなどジグザグ天気で雪解けが進み、路面が危険な状態になっていました。

 燃え上がる住宅に駆け付けた消防車。

 撮影者:「やばいっすね。爆発するから脱出した方がいい」

 火事があったのは11日午後1時すぎ。千葉県九十九里町の住宅から火の手が上がりました。近くを通り掛かった男性が撮影した映像では、屋根の上には男性の姿が…。すぐ近くに炎が迫ります。

 撮影者:「じいさん、やばい。おじさん大丈夫?」

 撮影していた男性も救助に向かいます。脚立を家に立て掛けて声を掛けながら男性を救助します。男性を含む家族は全員、無事でした。

 11日は全国で火災が相次ぎました。山形県酒田市や大阪府堺市では、2件の火事が相次ぎました。

 近隣住民:「何しろ火が、火の勢いがすごかった」

 火災が相次ぐ理由の一つは乾燥です。11日未明にも1人が死亡する住宅火災があった千葉県。千葉では4日連続で乾燥注意報が出されていました。東京も20日連続で乾燥注意報が出されています。20日連続、雨も降っていません。これだけ雨がない状態は過去3番目の記録です。12日、13日も雨が降らない予想で、記録はさらに伸びる見込みです。11日の湿度は31%。この状態が続くとどうなるのでしょうか…。

 札幌市消防局予防部・川瀬信さん:「乾燥した日が継続すると草木の表面の湿度も奪われるし、草木の内部の水分も失われるため火災の危険が高まる」

 枯草の上にたばこを置き、春と夏の延焼度を比較した実験。夏の気候は湿度80%、春の湿度は30%に設定し、枯草の上にたばこの吸い殻を置くと、湿度30%だと約3分で炎が…。湿度80%は遅れて約10分ほどで炎が上がりました。

 都内の火災は今年、すでに139件起きています。これは去年の同じ時期を上回る数字です。

 この乾燥で楽器にも異変が起きています。乾燥に弱い木製の楽器。ウクレレには15センチほどの亀裂が入ってしまっています。今、楽器の修理は殺到しているそうです。

 アコースティックギター担当の店員:「(Q.割れの原因は?)これはもう乾燥。直すのは結構、大変だと思う。隙間がすごく開いてしまっている。目に見えて分かりますから」

 乾燥対策に1部屋だけで4つの加湿器が置かれています。

 アコースティックギター担当の店員:「(湿度が)40%は切らないように日頃、気を付けている」

 11日の東京は最小湿度31%。危険な状態です。

 北国はジグザグ天気に悩まされています。10日までの冬型の気圧配置が解消。雪が一段落した札幌市。雪が解け、雪庇(せっぴ)が危険な状況です。

 灯油を配達する人:「正直、道を作ってくれると助かるが、皆さんも自分の雪かきで精一杯と思う」

 北国が悩まされる“寒さ”。時に、絶景も生み出します。岐阜県高山市では、川を“ダイヤモンドダスト”が舞いました。気温マイナス15度以下など、特殊な条件下でしか見られない絶景です。

 ある絶景のため、過酷な作業をしている場所がありました。

 作業する人:「結構な力仕事になるから逆に汗ばむ」

 一面、銀世界となった北海道鹿追町。白く広がるここ、実は“地上”ではありません。「然別湖」、つまり湖の上です。夏は緑に覆われ、美しいブルーに照らされる湖面。紅葉に包まれる秋は「けあらし」が幻想的な世界を作り出します。その湖が冬は白銀の世界に覆われます。北海道内で最も高い位置にある自然湖で、標高は810メートル。大雪山国立公園内にあります。冬にはマイナス30℃まで冷え込みます。

 冬は1メートルの氷に覆われる湖。その上に“幻の村”が出現します。凍った湖の絶景を眺めながらの「露天過ぎる氷上温泉」。“本格的すぎる”かまくらでの「バー」や「チャペル」。今月末、湖の上に“村”が出現するイベント「しかりべつ湖コタン」が行われます。村おこしのために41年前から始まったイベント。真冬に出現する「幻の村」として例年4万人が訪れます。現在急ピッチで準備中。かまくら内は骨組みだらけです。準備はすべて“人力”で行われています。

 しかりべつ湖コタン実行委員会・石川昇司さん:「湖の上は大きな機械は入れませんから、重たいものはスノーモービル。それ以上は人力」

 建物の元となるブロックを作る作業です。

 しかりべつ湖コタン実行委員会・石川昇司さん:「軽いと言っても15キロある。滑るから持ちづらい」

 開催までに約1万個のブロックを作ります。重いものでは300キロを超えるものもあり、過酷な作業が続きます。

 しかりべつ湖コタン実行委員会・石川昇司さん:「北海道の中でもこれだけ寒い場所は少ないので、寒いからできるイベントだからぜひ遊びに来てほしい」

 “寒さ”を観光資源に。その取り組みは同じ国立公園内にある「層雲峡」でも。ロープウェーから雪山を望みます。赤く染まる紅葉など四季折々の絶景を見せる場所。山々から望む雲海。「神々が遊ぶ庭」と称される雄大な自然を望みます。現在はあるイベントの準備に追わていました。ライトアップされた氷像を鮮やかな光が照らし出す幻想的な世界。今月末から行われる“氷瀑まつり”です。コロナ前は12万人が訪れた“秘境の雪まつり”。シカも訪れ、大自然を満喫できます。冬の寒さを逆手にした観光資源にと、地元ホテルのスタッフらや観光協会が総出で準備を行っています。

 氷瀑まつり実行委員会・岩本昌樹委員長:「ここ2年、だいぶ冷え込んだ観光客がやっと戻ってくると期待している。今年は例年並みの…例年並み以上の入れ込みを期待」

 北海道に行かなくても関東で見られる絶景もあります。埼玉県秩父にある冬の絶景「三十槌の氷柱」です。流れる水が凍り、日本画のような世界を生み出しています。土日祝日は500人が訪れる絶景スポット。凍る前の映像では、水がしみ出しています。それがこの寒さで凍り、つららとなります。まるで時が止まったような不思議な絶景です。

 香港からの観光客:「ブロガーが秩父に来て書いていたので興味を持ちました」

 秩父観光協会大滝支部・行常一栄さん:「大体7割ぐらいはできていると思います。雨が降って寒さが続けば、もっと大きくなっていきます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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