寒さ再びで“観測史上1位”の雪 「停電」に「立ち往生」も(2023年1月10日)
10日は、全国的に強い北風が吹き、再び、真冬の寒さとなりました。大雪警報が続いている北海道では、タンクローリーがスリップし、一時立ち往生となるなど、交通の混乱が続いています。
北国は危険な状況です。視界を遮る横殴りの雪。市街地も白く覆われ、遠くがかすんでいます。
北海道小樽。6時間に降った雪の量が1月の観測史上1位となりました。一晩でひざが埋まるほどの雪が積もりました。雪捨て場の海…。雪で埋め尽くされていました。観光名所の運河も、よく見ると…氷が張っています。
韓国からの観光客:「とても美しいです。雪がたくさん降ってラッキーです」
テンションの上がる観光客とは対照的に、雪国の暮らしは、過酷さを増していきます。吹雪のなか、車が入れない道を何度も往復してごみを集める作業員の姿がありました。
札幌も10日未明から雪が強まり、一時、今シーズン初の大雪警報が出されました。朝4時の札幌市内。路面電車の線路を除雪するササラ電車が出動。車体にも雪がどんどん積もります。
作業員:「(Q.終わりですか?)これからずっとですね」
この冬一番となった積雪。車もこの状況を走ります。車も人も雪をかき分けながら走っています。
10日朝、一時1000世帯を超える停電も発生。最低気温マイナス5℃となった札幌。一つ間違えば、命の危険もある状況です。
家が停電した人:「家の中のほうが寒い。本当に。寒いなんてもんじゃない、凍え死ぬんだよ」
雪に慣れたはずの北海道。交通への影響も出ています。札幌北インターチェンジは、現在入り口が閉鎖されています。小樽市方面が吹雪のため、高速道路に入れないようになっています。高速道路だけではありません。タンクローリーが道路をふさぐ形で動けなくなっています。小樽と札幌を結ぶ国道5号線でスリップ事故が起き、一時通行止めとなり、立ち往生が発生しました。
観光バスの運転手:「(Q.どれくらい止まっている?)2時間半…。ちょっと動いてまた別のトレーラーが…。トータル2時間半くらい」
妊娠8カ月の女性も巻き込まれていました。
妊娠8カ月の女性:「もう3時間待っていて、妊娠も8カ月に入っていて出血とかもあるので、ちょっと厳しいなっていう感じで、どのぐらいで動くかなってすごく今不安。もうどっちにも帰れもしないので、変に陣痛が起きたりしても困るしなみたいな」
警察官が1台ずつ状況の説明にあたっています。
警察官:「今、車は排除できて通行できるようになったんですが、左側がブラックアイスバーンになっていて、ハンドルが取られやすい状況になっていますから」
妊娠8カ月の女性:「(Q.ようやく通れるように?)本当ですね、良かったです。何とか先が見えて…」「(Q.どうか安全に)頑張って出産したいと思います」
冬型の気圧配置が強まった10日。北陸から北海道で雪や風が強まりました。
除雪する住民:「いや…疲れています」
今も2メートル近い雪が積もる、新潟県魚沼市。背丈以上の雪。過酷な除雪作業が続きます。
除雪する住民:「これから本番ですのでね。1月の半ばから2月半ばが一番降る」
豪雪地帯では、知恵を凝らし雪と戦っています。最深積雪222センチとなった、山形県の肘折温泉。地図やバス停などそのままにしておくと…どこまでも隠してしまう雪。地面が水浸しのなか、1人で自宅の雪かきを進める、65歳の男性。雪のシーズン前と比べ、1メートルほど積もった雪。これを1人で除雪していきます。
65歳男性:「(Q.体への負担が大きい?)背中ビキビキ」
毎日、朝からの始まる重労働。体への負担を減らすため、男性の自宅では温泉街ならではの工夫がありました。
65歳男性:「温泉のお湯があるから」「(Q.お父さんの所に温泉が流れている?)そこ」「(Q.周辺が温泉で溶ける?)(溶ける)ようにしている」
男性の自宅の周りにあるパイプやホース。その先で見せてくれたのは、市内に流れる温泉です。ここから暖かいお湯を汲み上げ、自宅の周りに設置したパイプの穴から温かい温泉水が流れ出るようにしていました。これが除雪したそばから雪を溶かしてくれるのです。
65歳男性:「とても1人ではやっていけねーよ。いろいろ工夫して」
そして大雪の中で気を付けるのが、道路の歩き方だと言います。道路の端を歩いていると…大きくブロック状に切断した雪の塊が歩行者の頭上に落ちてくる危険性があります。さらに今年の雪質は…。
男性:「(Q.雪質は?)重いです」「今年は全体的に湿った雪が降っている。重量的に去年の倍」
関東も、雪が強まりました。群馬県みなかみ町。気温も下がり、積雪もぐっと増えました。
地元の人:「(Q.風がすごいですね)すごいですね。暮らしている方はちょっと大変ですよね」
注意が必要なのは、雪だけではありません。北風が強まった東京都心。今シーズン一番となる最大瞬間風速18.1メートルを観測しました。さらに注意が必要なのが“空気の乾燥”です。19日連続で乾燥注意報が出た東京。最大瞬間風速が20メートルを超えた八王子市。住宅が全焼し、焼け跡から住民とみられる遺体が見つかりました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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