感染対策も「スルっと抜けた」・・・高齢者施設 現場の苦悩(2022年1月27日)

感染対策も「スルっと抜けた」・・・高齢者施設 現場の苦悩(2022年1月27日)

感染対策も「スルっと抜けた」・・・高齢者施設 現場の苦悩(2022年1月27日)

 新型コロナウイルス感染は若者や子どもだけでなく高齢者にも急速に広がっています。先日、クラスターが発生した「介護施設の実態」を取材しました。

 27日から雪道を“徒歩”通勤するそうです。

 札幌に通勤する人:「いつも地下鉄なんですけど、ちょっと混んでいるかなと。30分くらいですね」

 27日から「まん延防止等重点措置」が適用された北海道。

 大阪など18道府県で、期間は来月20日まで。これで34都道府県に広がり、全都道府県の7割以上となります。

 大阪府・吉村洋文知事:「(Q.『緊急事態宣言』を発出する具体的な数字は?)重症病床があふれるような状態になる。これは避けなければならない。病床全体の逼迫(ひっぱく)を考える必要がある」

 東京は、その「緊急事態宣言」に近付いてきているのでしょうか。

 国立国際医療研究センター国際感染症センター長・大曲貴夫医師:「この水準が継続すると1週間後の2月3日の推計値は2.3倍の一日あたり約2万4074人と爆発的な感染状況となる」

 27日に行われたモニタリング会議。

 新規陽性者数の1週間平均は、ついに1万人を超えました。

 小池都知事が「緊急事態宣言検討の目安」とした病床使用率50%は、もう目前となり、今後、自宅療養者についても自分で健康観察してもらうとしました。

 都の担当者:「療養者が自身で健康観察を行って頂き、体調変化時『うちサポ東京(都の相談窓口)』に相談してく仕組みを新たに導入することとします」

 東京都・小池百合子知事:「(Q.急事態宣言については?)自宅宿泊療養を含む全体的な医療提供体制の状況や社会経済活動への影響など確認しながら総合的に検討したいと考えている」

 緊急事態宣言については慎重な意見も出ています。

 千葉県・熊谷俊人知事:「まだ現段階で『延長』『緊急事態宣言』を判断する時期にない。中等症の人も含めた医療全体の逼迫状況を勘案して判断していく必要がある」

 神奈川県・黒岩祐治知事:「『人流抑制』しなくていい『人数制限』が大事。緊急事態宣言は必要なのかな、というのが正直なところ」

 東京都は高齢者施設の往診を強化するとしています。

 東京都医師会・猪口正孝副会長:「老人ホーム等の高齢者施設では、リスクの高い人が暮らしておられて往診可能な診療所等に往診して頂いてクラスターを小さなクラスターで収める」

 26日に都内で確認された感染者のうち高齢者の感染は1000人を超え、過去最多となっています。

 クラスターが起きた施設では今、何が起きているのでしょうか。

 三幸福祉会企画開発部・柳沼亮一部長:「クラスターが出ているところもありますし『気が付いたらこんなに・・・』という感じ」

 都内で7つの高齢者施設を運営するグループです。

 今月11日、その一つの施設で入居者が発熱し、陽性が判明しました。

 その後、すべての入居者や職員を検査したところ、さらに8人の陽性が分かりました。

 全員ワクチンは2回接種して高齢者は、ほぼ軽症で、職員は無症状です。

 三幸福祉会企画開発部・柳沼亮一部長:「結構な感じで対策はしていますので、なかなか難しい。『キャッチしよう』と思って構えていたにもかかわらず『スルッと抜けていっちゃった』」

 このグループ施設では“第5波”までは、ほとんど感染を広げることなく抑え込んできたそうです。

 フロアごとにスタッフを固定して配置。他のフロアへの移動は原則、禁止して面会も制限しましたが、第6波には抗いきれませんでした。

 三幸福祉会企画開発部・柳沼亮一部長:「『これだけ同じことをやっていてこんなに違うのか』動き方をシミュレーションしていたのでパニックはない」

 「高齢者に豊かな生活を提供したい」、そんな思いと感染対策の狭間で揺れる高齢者施設。

 2年に及ぶ闘いに、答えはまだ見つかりません。

 三幸福祉会企画開発部・柳沼亮一部長:「100歳の人とかもいる。102歳、105歳に感染しないように『面会しないで下さい』『外に出ないで下さい』『部屋から出ないで下さい』ってどうなの・・・。潤いを入れていかないと『介護ってじゃあ何なの?』となる。そのへんが苦しいというか・・・職員が苦悩しているところ。新型コロナウイルスと根比べじゃないですけど『負けないよ』という感じでやっていくしかない」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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