標高2000m“雲の上の野天風呂”温泉マニアも感激「夢がかなった」(2023年1月9日)

標高2000m“雲の上の野天風呂”温泉マニアも感激「夢がかなった」(2023年1月9日)

標高2000m“雲の上の野天風呂”温泉マニアも感激「夢がかなった」(2023年1月9日)

 3連休に多くの旅行客でにぎわう秘湯がありました。その場所は、なんと「雲の上」です。

 朝焼けの澄み切った空に浮かぶ雲海。この壮大な絶景を望めるのは標高2000メートル、雲の上にある野天風呂。へき地にもかかわらず、なかなか予約が取れない秘湯。

 宿泊客:「4回目でやっと、この露天風呂に入れたので感慨無量」

 しかし、冬場はマイナス25℃にもなる厳しい環境。

 高峰温泉4代目・後藤英男さん(60):「マイナス20℃や25℃の寒さだと凍っちゃう場合がある」

 雪深い秘境ならではの過酷な試練がありました。

 標高2000メートルの秘湯へは東京・新宿から高速バスで約4時間。目指すは長野県の高峰高原。バスを降りた人々が向かったのは温泉宿の送迎車。実はこれ、雪道を走るための雪上車です。冬場は積雪のため、温泉宿まで通常の車では上がれません。スキー場のゲレンデを通り、道なき雪山を上っていきます。

 東京からの観光客:「良い経験。もちろん初めて」

 雪上車で15分。ようやく高峰温泉の宿に到着。その場所は群馬県と長野県の境にそびえ立つ浅間山の山麓。標高2000メートルの険しいへき地にある一軒宿です。

 それでもこの3連休は、ほぼ満室と大にぎわい。

 “温泉マニア”加藤稔さん(42):「温泉は月に2、3回。1年通して色々な所に」

 年間50回以上も温泉に通うという加藤稔さん。はるばる千葉から、どうしても見たかった景色が…。

 湯けむりが立ち上る温泉。その先に目を奪われる光景が広がっていました。

 “温泉マニア”加藤稔さん:「谷底まで、平野の方まで見えてすごい。夢がかなった」

 まさに雲の上の絶景風呂。都会の喧騒(けんそう)を忘れ、大自然のなか、日が暮れていく様子をひたすら眺めています。

 “温泉マニア”加藤稔さん:「最高のなかの一番」

 前回、来た時は吹雪で何も見えなかったため、感慨もひとしお。

 御年93歳の男性は…。

 横浜からの宿泊客:「とにかく、あといくらもないから」

 人々を魅了するのは、この絶景だけではありません。夜には満天の星が。本格的な望遠鏡で天体観測もできます。晴れた日は月のクレーターまで、はっきりと見えます。

 宿泊客:「いつも、こうやって月が見える時は撮ってくれる。お土産にもなる」

 そして、都会ではなかなか見られない珍しい野鳥の観察も。

 東京からの宿泊客:「お客さんを飽きさせない」

 お客さんに喜んでもらうために日々、奮闘しているのは4代目主人・後藤英男さん(60)。標高2000メートルにある宿のライフラインを40年も守ってきました。

 高峰温泉4代目・後藤英男さん:「10キロ以上のお湯と塩を背負っていく」

 険しい雪山を下っていきます。この先に一体、何が…。

 高峰温泉4代目・後藤英男さん:「朝昼関係なく、トラブルがあると下りてくる。ここが源泉を上げている場所」

 温泉宿から40分、200メートル下った谷底に源泉小屋が。寒さが厳しい冬、メンテナンスは常に欠かせません。

 高峰温泉4代目・後藤英男さん:「(源泉を)送っていく配管がマイナス20℃や25℃の寒さだと凍っちゃう場合がある。いくらポンプを修理しても、いざ送った時に配管にトラブルがあるとお湯や水が上がらない。それが寒い時は致命傷」

 なぜ、源泉小屋が宿から離れた場所にあるのでしょうか。

 高峰温泉4代目・後藤英男さん:「今から43年ほど前に、谷間の宿が全焼してしまった時に…」

 以前は源泉の近くに宿が。しかし、天然ガスへの引火が原因で全焼。先代の父親が新たに建てた標高2000メートルの宿をこれまで必死に守ってきました。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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