【報ステ】日本初給食にコオロギも『タンパク質危機』を救う“新食材”の最前線(2023年1月5日)

【報ステ】日本初給食にコオロギも『タンパク質危機』を救う“新食材”の最前線(2023年1月5日)

【報ステ】日本初給食にコオロギも『タンパク質危機』を救う“新食材”の最前線(2023年1月5日)

去年11月、イギリスのチャールズ国王が、王室内である食材の使用を禁止したと話題になりました。

それは、高級食材のフォアグラです。理由は生産方法にありました。

一般的にフォアグラは、アヒルやガチョウに強制的にエサを食べさせ、肝臓を肥大化させて作られます。

チャールズ国王は動物愛護の観点から、その方法を問題視していたというのです。

そんなフォアグラ生産の課題を克服する、全く新しい方法が日本にあります。

インテグリカルチャー株式会社では2019年に、世界で初めて“培養フォアグラ”を生産しました。

アヒルの肝臓由来の細胞を培養することで、人工的にフォアグラを作ります。

インテグリカルチャー・川島一公取締役CTO:「育った後の細胞を収穫して、培養液を搾ってあげて、それを固めたものになります」

コクと甘みがあり、本物より臭みが少ないという培養フォアグラ。しかし、課題となるのが生産コストです。

100グラムあたり数千円の本物に対して、培養フォアグラの生産コストは約3万円と、まだまだ割高です。

インテグリカルチャー・川島一公取締役CTO:「(生産)スケールを10倍、100倍に上げることで、消費者の方にも食べていただけるようなコストに下げられるメドを今立てている」

数年後には、本物のフォアグラよりもはるかに安く作る計画を立てています。

細胞を培養する技術は、フォアグラだけでなく、ニワトリや豚、牛肉などにも広がっています。

今、世界各国の企業が、こうした「培養肉」の商業化に向けてしのぎを削っています。

その背景にあるのが、世界的な食糧危機。近い将来、食肉は足りなくなるとされていて、その結果、人体に必要とされる、タンパク質が供給不足に陥ると言われています。

そこで注目されている食材が「コオロギ」です。

去年11月、徳島県の高校で給食に使われました。

一見、普通のカボチャコロッケですが、ひき肉の代わりに、食用コオロギの粉末が使われています。

考えたのは食物科の生徒たち。給食でコオロギを使うのは、日本で初めてだといいます。

生徒:「おいしいです。(Q.普通のコロッケと何か違う?)そんなに変わんないです」

生徒:「カボチャが強いので、コオロギあんまり分からない」

給食で使われた食用コオロギの生産現場は、廃校となった小学校。一体、なぜコオロギなのか聞いてみました。

グリラス・渡邉崇人CEO:「普通の一般的なタンパク源の畜産と比較しても、エサからタンパク質を作る能力がコオロギは高い」

牛と比べると、コオロギの方が、必要なエサや水の量が圧倒的に少ないことが分かります。

環境への負荷が少なく、効率の良いタンパク源として、コオロギは注目されています。

グリラス・渡邉崇人CEO:「(Q.味はどんな感じですか?)甲殻類というか、エビに近いような風味や味は(食べると)分かる」

「陸のエビ」とも言われるコオロギですが、普及に向けた大きな課題が、やはり抵抗感です。

コオロギを身近に感じてもらおうと、奮闘する企業も現れました。

高崎経済大学発のベンチャー企業・フューチャーノートでは、コオロギへの抵抗感を減らしてもらおうと、出前講座や食育イベントを開催しています。

初めてコオロギを食べた人:「食べてみると意外といける。一回食べちゃえば抵抗はない感じだけど。(Q.また食べたいですか?)うーん」

果たしてコオロギは、食糧危機を救う存在になるのでしょうか。

フューチャーノート・櫻井蓮代表取締役:「タンパク質危機だったり食糧危機というのが緩和されるのであったら、食材としても受け入れていくのはありだよねという、選択肢の一つになればいいなと思ってます」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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