“異例の暖冬”スペインではビーチが賑わい、スキー場はピンチ 中東では大雨被害(2023年1月5日)
この冬、ヨーロッパ各国が“異例の暖冬”となっています。スペインでは1月にもかかわらず、ビーチが大にぎわいに。一方、冬のリゾート地、スキー場では雪不足に悲鳴が上がっています。
波に揺られながら海水浴を楽しむ人たち。砂浜では日光浴をする人の姿も見えます。年明け間もないスペイン南部マラガでは気温が20℃にも達し、季節外れの暖かさを楽しむ人たちがビーチにあふれました。
さらに、北部のビルバオでは元日に25.1℃を観測。海外メディアによりますと、これは平年より10℃以上高く、7月の平均気温と同じぐらいだということです。
フランス人観光客:「サイクリングには最高の天気だけど、温暖化の影響ですから怖い」
地元住民:「ビルバオがこんなに天気が良いのは普通じゃない。ここはいつも雨が多くてとても寒いんだ」
実は異例の暖冬がヨーロッパ各国で起こっていて、オランダやデンマークなど8カ国で1月の観測史上、最高気温を更新。20℃を観測したリヒテンシュタインは1月の平均気温が5℃だといいます。
暖冬になると苦しくなるのがスキー場。多くのウィンタースポーツファンでにぎわうはずのスイスのスキー場は人工雪で作られた狭いゲレンデのみの滑走で、当然、ゲレンデの終わりまで来るとスキーを脱いで、あとは歩きでの移動になります。
衛星画像で比較してみると、その違いは明らかです。スイスの山々も例年であれば大部分が白く覆われていたはずですが、去年12月にはほとんど雪が見えなくなりました。
スキー場付近のホテルオーナー:「予約は激減し、そのため価格を下げ、スタッフも減らさざるを得ません。先行きも不透明です」
異常な暖冬の原因は偏西風の変化によるものです。例年ではこの時期、北アフリカの辺りを通る偏西風が今年は蛇行し、ヨーロッパの北まで移動しました。そのため、アフリカからの暖かな空気が流れ込んでくることとなったのです。
一方、中東ではほとんど雨が降らない場所で横殴りの激しい風が吹き付け、動けなくなる車。場所は中東サウジアラビア有数の都市ジッダ。激しい雷雨により、町は一気に浸水。腰の高さまで水位が上がり、車は使えず、雷で空が光るなか歩いて移動する住民たち。この地区の12月の平均降水量はなんと0ミリ。この時期、雨が降らないにもかかわらず大雨が襲い、ほとんどの道路は冠水。都市機能は失われました。
さらに中東ではこの街以外でも…。当然の雨。「ここから離れろ」。響き渡る係員たちの叫び声。滝のように水が流れ落ち出してきます。ヨルダンにある世界遺産「ペトラ遺跡」は映画「インディ・ジョーンズ」の舞台となり、世界中から観光客が訪れます。気が付けば1カ所だけでなく、複数の場所、あちこちから水が流れてきたのです。
岩山の谷間に造られた遺跡。上空から見ると乾燥した岩肌ばかり。森や木はなく、雨が降ると一気に谷に流れ込みます。
2018年の映像。茶色い土石流が観光客を襲います。この時、20人以上が亡くなりました。当時の教訓もあり、今回早めの避難を行い、犠牲者などの被害はなく、全員無事でした。
年末年始、大雪と洪水に見舞われ、大気が不安定な状態が続くアメリカ。さらに今週、真冬にもかかわらず、ハリケーン並みの低気圧がカリフォルニアを襲おうとしているのです。
年末、記録的な豪雨が襲い、カルフォルニア州各地で洪水が発生。
CNN:「ハリケーン級の強風がカリフォルニア州の沿岸部を襲うでしょう」
まさに季節外れの嵐が太平洋で発達していて、今後、大雨になると予測されています。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2023
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
コメントを書く