中国 各地で感染率50%超 新年迎え“異変”…飲食店で“陰性の人お断り” 理髪店も(2023年1月5日)
新型コロナの感染が急拡大している中国。各地で感染率が50%を超えて、国民の半数以上が感染したとも言われています。こうしたなか、感染歴のない人が店の利用を断られるというケースも出てきています。
■新年祝い…“初詣客”殺到 3万人予約も
新年を迎えた中国・北京。多くの人が街に繰り出し、新しい年の始まりを祝っていました。
北京市民:「新年になって、コロナにも光が見えてきて、生活に希望を見出しています」「(私たちは)コロナを乗り越え、すべてが良くなっていくと思います。新年は、新しい始まりになると思います」
四川省では、街中を埋め尽くす人、人、人。コロナによる感染者が最初に見つかった武漢では、ハート型の風船が一斉に空を舞いました。
3年近く続いた中国の「ゼロコロナ政策」緩和後、初めて迎えた年末年始。中国では、大みそか、元日、2日の3日間が祝日となり、各地で多くの人が新年を祝うために集まったのです。
北京市内の寺院には、初詣客が殺到。中に入れずに、寺の外で手を合わせる人の姿もありました。元日の午前中だけで、およそ3万人の事前予約があったといいます。
■“新年祝う爆竹”騒動…若者ら“暴徒化”
各地でトラブルも相次ぎました。
黒い車から機関銃のように何発も飛び出す花火。パトカーが追跡するもお構いなしです。
河南省では若者たちが新年を祝う爆竹を、禁止されたエリアで鳴らすなどし、騒動になりました。
連行されそうになった若者を解放しようとして警察ともみ合いになり、緊迫した状況にもなりました。
この騒動で一部が暴徒化。地元警察によると、6人が拘束されたといいます。
絶景で知られる河南省の老君(ラオジュン)山では、雪が降りしきるなか、元日だけで2万人近くが殺到し、身動きが取れない状態になりました。
雪とあまりの混雑のため、一時下山ができなくなり、多くの人が山頂付近で立ち往生する事態となりました。
女性:「ここで、私たち、立ち往生になっています。警察まで来ています」
警察:「皆さん、皆さん、落ち着いて下さい」
■飲食店で“陰性者お断り”…「早く帰って」
感染者が爆発的に増えるなか、迎えた新年。街中ではこれまでとは違う光景が見られるようになりました。
それが「陰性者お断わり」です。
店員:「(コロナに)感染したことは?」
客:「あります」
店員:「それなら、大丈夫です」
客:「えっ?」
店員:「陰性の方は今、断っています」
別のラーメン店では、看板に「しばらくの間、陰性者の入店お断わり」と書かれていました。さらに、理髪店でも…。
客:「すみません、カットできますか?」
店主:「大丈夫です」
カットのために店を訪れた女性客。次の瞬間、店主から思いもよらない言葉を掛けられます。
客:「待ち時間は?」
店主:「感染したことは?」
客:「(感染したことは)ないです」
店主:「ないなら帰って」
記事によれば、店主はコロナから回復したばかりのため、女性客に感染させてしまう恐れがあると、散髪を拒否したといいます。
従業員や店内にいる客はすべてコロナの感染経験者だということです。
客:「嘘でしょう。前髪を切ってよ」
店主:「ダメです。感染したことがないなら、うつされないように早く帰って下さい」
■“胃腸薬”買い占め…“コロナ効く”デマ拡散
新年早々、新たな買い占めも起きています。
客:「胃腸薬はありますか?」
店員:「ないです」
客:「えっ、品切れですか?」
店員:「きのうでほぼ売り切れました」
薬局では、なぜか胃腸薬が売り切れ。別の店でも、胃腸薬を求めて長い行列ができていました。さらには…。
客:「薬を買いに来ました。これはいくらですか?」
店員:「胃腸薬ですね?」
客:「はい、1箱下さい」
店員:「4000円です」
客:「4000円ですか?」
通常1000円ほどの胃腸薬を、一箱およそ4000円で販売する店も出ています。
年末の31日にSNSで、「オミクロン株の派生ウイルス」に特定の胃腸薬が効果があるとのデマが拡散。そのため、元日早々、各地の薬局で胃腸薬を求める市民が殺到し、買い占めをする事態になりました。
当局は、コロナでの症状に胃腸薬は効果がないため、買い占めは必要ないと鎮静化を図っています。
■元日の深夜…“火葬場”行列「なんてことだ」
元日の午前1時。広東省では、ワゴン車の長い車列ができていました。
SNSの投稿:「火葬場の外に長蛇の列ができている」
映像を数えただけでも、50台以上の車が火葬のため並んでいます。別の火葬場でも…。
撮影者:「どれだけの人が火葬に並んでいるか、お見せしましょう。風邪だという人を信じないで下さい。火葬場を見れば、分かります」
上海でも、火葬のため、住民が夜通し行列を作っていました。
撮影者:「なんてことだ。外も中も全部そうです。冷凍庫も地下室も」
葬儀場では、火葬が追い付かず、遺体安置室が満杯になっていました。入りきらない棺(ひつぎ)が地下室に大量に並べられています。
そのため、北京市では急ピッチで火葬場の建設が始まっていて、投稿された動画には「1月8日までに完成しなければならない」と書かれていました。
■医療ひっ迫 患者あふれ…“救急車”行列
医療の逼迫(ひっぱく)も深刻です。病院の前に、救急車が行列で並んでいました。
撮影者:「合計で15台。こんなに多くの救急車が止まっているのは見たことがない」
15台の救急車が病院の前で待機しています。
病院内は患者であふれ、廊下やロビーにも多数のベッドが並べられ、患者が治療を受けています。さらに、病院の外にもベッドが並べられ、多くの患者が点滴を受けていました。
医療従事者の疲労もピークを迎えています。
SNSの投稿:「毎日仕事の後に皆で点滴をしています。すでに10連勤です」
テーブルを囲み、点滴を受ける医療従事者たち。別の病院では、せき込みながら診察を続ける医師の様子も見られました。
(「羽鳥慎一 モーニングショー」2023年1月5日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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