《今年を振り返る》歴史的な円安と物価高 日銀の超低金利政策は正しかったのか?|TBS NEWS DIG
今年、日本経済は歴史的な円安・物価高に見舞われる年となりました。その要因の一つがアベノミクスの柱として続いてきた、日銀の超低金利政策です。物価高などの副作用が相次ぐ中、黒田総裁が頑なにこだわってきたこの政策は果たして正しかったのか、この1年を検証します。
今月20日、黒田総裁の記者会見が大きな衝撃を与えました。
日本銀行 黒田東彦総裁
「長期金利の変動幅を、従来のプラスマイナス0.25%程度から、プラスマイナス0.5%程度に拡大する」
プラスマイナス0.25%程度に抑え込んできた長期金利の変動幅を0.5%程度に拡大するという突然の発表。これまで金利の上昇を抑え込んできた日銀の大きな政策変更でした。
日本銀行 黒田東彦総裁
「利上げではありません。景気には全くマイナスにならないし、引き締めるつもりはありません」
会見で「利上げではない」と強調した黒田総裁。しかし、この発言はこれまでとは全く異なるものでした。
日本銀行 黒田東彦総裁[今年9月]
「(Q.許容上限を日銀が引き上げることは、総裁が仰る、金利引き上げあるいは金融引き締めになるのか、改めて教えてください)それはなると思いますね。明らかに金融緩和の効果を阻害すると思いますので」
TBSテレビ 経済部デスク 菅野浩志
「今回の会見にはびっくり。3か月前は利上げや引き締めに当たると説明していたのに、全く逆の説明で明らかに矛盾している」
今月になって豹変した黒田総裁ですが、これまでは、2013年に自ら始めた異次元緩和に頑なにこだわってきました。
<今年6月 1ドル=132円>
ロシアのウクライナ侵攻以降、一気に進んだ円安。モノの値段の上昇が続く中、発言が問題に。
日本銀行 黒田東彦総裁[今年6月]
「日本の家計の値上げ許容度も高まってきている」
買い物客
「違和感を感じますね。国民の立場に立って考えていないというか見ていない」
値上げに苦しむ消費者の感情を逆撫でしているとの批判を受けましたが、利上げや金融緩和の修正は行わず、円安はますます進行。
<今年10月 1ドル=149円>
10月には、ついに32年ぶりに150円近くにまで進み、その責任を追及されます。
階猛 衆院議員[今年10月]
「政府は一生懸命、円安を止めようとしているのに、日銀は円安を加速するような異次元の低金利をやっている。今すぐ退くべきだと考えます。総裁、どうですか」
日本銀行 黒田東彦総裁
「ご指摘のような量的・質的緩和が全く失敗したというのは事実に反する」
階猛 衆院議員
「やめるかやめないか、どっちなんですか」
日本銀行 黒田東彦総裁
「やめるつもりはありません」
10年にわたる超金融緩和の副作用が目立つようになっても、頑なな姿勢を崩そうとしなかった黒田総裁。
それが突然変わったのが、今月20日。超低金利にこだわってきた日銀が、事実上の利上げに転じたのです。
日本銀行 黒田東彦総裁[今月20日]
「利上げではありません」
大きな政策変更にもかかわらず、丁寧な説明を避けた黒田総裁。
TBSテレビ 経済部デスク 菅野浩志
「行き過ぎた円安や物価高など、金融緩和の副作用が大きくなりすぎて、追い込まれた末の政策変更だといえます。日銀は、これまでのアベノミクスや超金融緩和が日本経済に与えた効果と副作用を、丁寧に説明する必要があると思います」
黒田総裁の任期は残り3か月あまり。日銀、そして黒田総裁には、大きな宿題が残されています。
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