【解説】ゼレンスキー大統領がアメリカを「電撃訪問」 “米中間選挙”の結果が背景に?|TBS NEWS DIG

【解説】ゼレンスキー大統領がアメリカを「電撃訪問」 “米中間選挙”の結果が背景に?|TBS NEWS DIG

【解説】ゼレンスキー大統領がアメリカを「電撃訪問」 “米中間選挙”の結果が背景に?|TBS NEWS DIG

ウクライナのゼレンスキー大統領が、アメリカを電撃訪問し、バイデン大統領と会談しました。

ゼレンスキー大統領にとって、ロシアの侵攻以降、初めての外国訪問となります。なぜこのタイミングでの訪米となったのか?専門家は、アメリカの中間選挙の結果が背景にあると指摘します。一体、どういうことなのか?詳しく解説します。

■「アメリカの支援は慈善行為ではなく、世界の安全保障と民主主義への投資」ゼレンスキー大統領はアメリカの支援継続を訴え

ホラン千秋キャスター:
ロシアによるウクライナ侵攻からおよそ10か月、12月21日にウクライナのゼレンスキー大統領が初めて国を離れてアメリカのバイデン大統領と会談を行いました。ここでバイデン大統領は、2400億円(18億5000万ドル)を超える新たな軍事支援を表明、さらに、地対空ミサイルシステム「パトリオット」を初めてウクライナに供与することになりました。「パトリオット」は明海大学の小谷哲男教授によりますと、「アメリカが所有している防空ミサイルの中で最も能力が高い物の一つ」だということです。巡航・弾道ミサイルや航空機などの攻撃から防衛することが可能だということなんです。

そして、ゼレンスキー大統領はアメリカ連邦議会でも演説を行いました。「アメリカの支援は慈善行為ではなく、世界の安全保障と民主主義への投資なのです。(侵攻を)いま止めなければ、他の同盟国も攻撃されるのは時間の問題です」というふうに話し、アメリカによる支援継続の必要性というものを訴えました。

では、なぜこのタイミングでゼレンスキー大統領がアメリカを訪問したのかという点についてなんですが、ロシア・ウクライナの情勢に詳しい慶応義塾大学の廣瀬陽子教授によると「ロシア軍のインフラ攻撃でウクライナ各地で停電が続き、寒くて悲惨なクリスマスになる。世界に対して“ウクライナを忘れないで”と訴える狙いがあるのでは」ということでした。

現在、ウクライナでは例えば首都キーウなど、ロシア軍のドローン攻撃によりインフラ施設が攻撃され、電力不足に陥っているということなんです。そんな中でも、街中のクリスマスツリーは灯されているんですが、どのように灯されているかというと自転車で発電を行ってライトアップをしているということなんです。自由に電力が使えないということがこういったところからもわかります。クリスマスについてキーウの市民は「このような悲しく暗い時の中でのささやかな喜びですね」というふうに話す方がいる一方で、「混乱と痛みを感じていて、祝う気分にはなれません」と話す人もいたようです。

■中間選挙を受け、2023年からアメリカ議会では下院がウクライナ支援に「懐疑的」な共和党が多数派に

井上貴博キャスター:
アメリカのバイデン大統領にとっても成果を上げたいという思惑があったんだろうと思いますが、今回のこのアメリカ訪問によってよりウクライナ対ロシアではなくて、国際社会対ロシアである、この構図をより鮮明に見せる効果があったのかなというふうに感じたんですが、小谷教授は今回のアメリカ訪問をどうご覧になりましたか。

明海大学 小谷哲男教授:
アメリカの議会が年明けから、11月の中間選挙の結果を受けた構成に変わります。下院に関しては共和党が多数派になりますが、共和党の議員の中にはウクライナに対する支援に懐疑的であったり、あるいは表立って反対をしている議員が相当数います。このタイミングでの訪米そして、対面での議会での演説というのは、いまウクライナが戦ってる戦争というのは決してウクライナが自ら守るためだけではなく、世界で自由や民主主義が脅かされているというアピールを、議会はもちろんですけれども、これを聞いているアメリカ国民にもう一度訴えかけて、そしてその支援の継続をお願いするということで行ったんだと思います。

井上キャスター:
アメリカのみならず、「支援疲れ」ということも報道されますので、そういったところの懸念もあってこのタイミングでゼレンスキー大統領は行動を起こしたということですか。

小谷教授:
今回はアメリカでしたけれども、やはりヨーロッパの中には「支援疲れ」という傾向も見てとれるようになっています。しかし、アメリカが支援を継続するのであれば、他のヨーロッパもさらに支援を継続しようという流れが作れますので、そういう意味でも今回アメリカ・ワシントンに行くという決断をゼレンスキー大統領がしたんだと思います。

井上キャスター:
最近、停戦の動きというのもなかなか出てこないんですけど、これはいま中途半端に停戦交渉したとしても、ロシアが時間稼ぎでただ軍を整えるだけだから、いまあまり停戦しても仕方ないという思惑とかがウクライナやゼレンスキー大統領側に働いているのでしょうか。

小谷教授:
ゼレンスキー大統領としては、いまの段階で仮に停戦したとしても、ロシアがそれに本気だとは考えられませんので、単に時間稼ぎ、さらなる侵攻を準備するだけだという判断でしょうから、そういう意味でもアメリカに対していま停戦をするつもりはないと、もっと武器の支援などをしても…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221222-6058830)

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