「妊娠の希望はなかった」知的障害者に“不妊処置”提案 8組応じる(2022年12月19日)
知的障害があるカップルが結婚や同棲を希望した場合に、不妊処置を提案していた例が明らかになりました。北海道江差町で、障害者の就労支援などを行う『あすなろ福祉会』です。25年以上前から行われていたその措置には、8組16人が応じました。
あすなろ福祉会は19日、会見を開きました。8組に妊娠の希望はなかったとし、結婚や同棲について説明をするなかで、不妊処置の話に至ったと主張しました。
あすなろ福祉会・梅村雅晴常務理事:「本人は『障害があるから子どもを育てることができない』『子どもいらない。だけど一緒に生活したい』と。でも。一緒に生活すれば、子どもができる可能性がある。その部分に関して、どう処置すればいいのかと、いろいろ提案して、保護者の皆さんと話してもらって、結果的には、やっぱりそういう手術をしなければならない。そういう手当てをしなければならない。そういう話になりますね。本人の自由に恋愛したい、結婚したい。その言葉を、私たちが叶えてあげたいという気持ちからやったことなんです」
今も施設で暮らすカップルが、職員付き添いのもと、取材に応じました。
不妊処置を受けたカップル:「(Q.施設側からアドバイスはあった)アドバイスはもらってます。(Q.家族と子どもは必要だった)必要じゃないです」
一方で、施設側からはこんな話もされていました。
あすなろ福祉会・樋口英俊理事長:「生まれる子どもはケアの対象ではない。障害をもっている人たちの結婚生活という部分では、我々もケアの限界がある」
江差町では、障害者支援を受けられる施設のほとんどは、あすなろ福祉会の系列です。二人の間で子どもを産むという結論になった場合、家族で、この地域で施設の支援を受けることは、非常に難しくなってしまいます。
北海道の旧優生保護法の訴訟の弁護士は、こう話します。
優生保護法違憲弁護団団長・西村武彦弁護士:「障害者が結婚するっていうことは、当然、そこに家庭ができる。そこに子どもが生まれることもある。だとしたら、生まれた子どもへの支援も含めると。さまざまな障害者の支援も考えながらいくのが福祉のあり方。ほかの選択肢もないという状況がある。ご家族にしても、本人にしてもほかの選択肢がないなかで『どっちか選べ』っていうときに、本当の気持ちを訴えることはできない」
施設側は、不妊処置を施設に残る条件にはしていないとしていますが、道と町は、対応に問題がなかったか調査を進めています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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