【報ステ】「差異がない」握りたてと冷凍寿司を食べ比べ 今年の一皿『冷凍グルメ』(2022年12月16日)
その年の世相を反映する象徴的な食を選ぶ『今年の一皿』。今年選ばれたのは『冷凍グルメ』です。
冷凍技術の進化によって、名店の味を自宅で楽しめるワンランク上のグルメとして人気となっています。
福井県にある食品加工会社で作られていたのは、冷凍おせち。今年初めて、冷凍での販売を開始しました。
高島屋・高島清次郎社長:アートロックフリーザー(急速冷凍機)を購入できるようになってから、今まで作れなかった商品、今まで世に出せなかった商品を一気に出すことが可能になりました。
瞬時に凍らせる、急速冷凍機の登場で、牛肉料理のできたての味を保つことができるといいます。
高島屋・高島清次郎社長:この冷凍機を使うことによって、私たちが「牛さんが今一番食べごろ」と見極めた、その瞬間を閉じ込めたい。
最近、街には冷凍自販機も登場しています。
さらに、フランス料理の冷凍食品を販売するお店も誕生しました。
店内には温めるだけで手軽に楽しめる、フランスグルメが並びます。
冷凍食品を買った人:クリスマスのディナーに使えるような、解凍するだけで出せるものを買ったり。冷凍食品への抵抗感が、昔よりはなくなった。
冷凍食品を買った人:自分で材料をそろえて作るよりはリーズナブル。
日本に居ながら世界のグルメを味わうことを可能にした冷凍技術。それは日本の商品を世界に売り込むこともできるのです。
雪国・岩手県では、日本酒『南部美人』を凍らせています。お酒は日持ちしそうですが、なぜ冷凍しているのでしょうか。
南部美人・久慈浩介社長:世界で一番美味しい酒はなにかといったら、蔵でとろとろって出てきた“しぼりたて”をシュッとすくって飲むのが一番うまいに決まってる。瞬間冷凍したら、そのしぼりたての酒を世界で飲めるようになる。
そのために必要なのが、時を止める冷凍機『凍眠』。一般的な冷凍は、冷気を使って凍らせますが『凍眠』は液体アルコールを使うことで、約20倍速く冷凍することができ、成分を壊さず、苦みやえぐみを生まないといいます。
南部美人・久慈浩介社長:世界の中での日本酒の位置が変わります。立ち位置が変わる。(冷凍日本酒は)しぼったままの、そのままの味。まさに白雪姫と同じですよね。寝たままのあの姿で、ずっと変わらない。王子様のキスで起きるみたいな酒。
冷凍技術を使って世界に売り込む商品は、日本酒だけではありません。
東京・南麻布にある『鮨心』。通常のお寿司が楽しめるほかに、去年開発した冷凍寿司は、通販で200人待ちとなっています。
握りたてのお寿司と、冷凍寿司がどう違うのか、徳永有美キャスターが食べ比べしました。
徳永キャスター:全然、見た目は分かりません、違いが。どちらもまず、マグロがとけました。お米の感触が多少違いがあるかなと思いました。
悩みに悩んで出した答えは…。
徳永キャスター:握りたては左で、冷凍は右ですか。
鮨心・中村導昌大将:正直にお答えします。握りたてが右です。はずれですね。
徳永キャスター:本当に差異がないです。例えば(解凍後に)べちゃべちゃにならないかとか、マグロだったら魚くささが出てしまわないかとか、そのあたりすごく思ったんですけど。
鮨心・中村導昌大将:「冷凍だから、ちょっと違うんじゃないの」って、僕にとっては遅い。
味が落ちないその秘訣は、冷凍に合わせた握り方。シャリとネタが、おいしく解凍されるように、水分量や酢の配合などのバランスを1年以上かけて試行錯誤したといいます。
(Q.なぜ冷凍寿司を作ろうと?)
鮨心・中村導昌大将:コロナウイルスが流行して、親しいお客様も「食べたいけど食べられない」という声を多く頂いた。その思いに応えるためには、冷凍して流通するしかないと。
さらに、冷凍寿司は、計画的な販売・消費ができるため、フードロス削減につながる可能性もあります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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