“見納め紅葉”にぎわう高尾山 日没後のSOS…救助隊出動「真っ暗で動けない事案増」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月9日)

“見納め紅葉”にぎわう高尾山 日没後のSOS…救助隊出動「真っ暗で動けない事案増」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月9日)

“見納め紅葉”にぎわう高尾山 日没後のSOS…救助隊出動「真っ暗で動けない事案増」【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年12月9日)

 8日、北日本では冬型の気圧配置となり、北海道旭川では観光バスが凍結した路面で、分離帯に衝突するという事故も起きています。

 そして、“見納めの紅葉”でにぎわう高尾山では、登山中のトラブルに山岳救助隊が駆け付ける場面も見られました。

■強い寒気…北日本で「雪」「風」強まる

 日本有数の積雪量で知られる、青森県の酸ケ湯温泉。建物は、雪にすっぽりと埋まっています。

 さらに、ロープウエイに乗って八甲田山の山頂を目指すと、吹き付ける強い雪と風。記念撮影も大変そうです。

 強い寒気の影響で、雪や風が強まった8日の北日本。北海道の高速道路では、前輪の浮いてしまっている観光バスがありました。

 乗っていたのは韓国からの観光客で、18人が身体に痛みを訴えました。

 ネクスコ東日本によると、現場の道路は凍結していたそうです。

■紅葉の高尾山…参道が大混雑 300人行列

 一方、見納めの紅葉を求めてにぎわう高尾山。ケーブルカー乗り場の前では、およそ300人の行列ができています。

 並んでいる登山客:「(Q.この列どう?)長いですね」「長いでちゅね」「こんなに人がいたかと思いました」

 年間250万人以上が訪れ、世界一登山者が多いとされる高尾山。木々が赤や黄色に染まる紅葉の時期は、1年で最も多くの観光客が訪れます。

 観光客:「高尾山は初めてで、すごく良かったです。紅葉のシーズンだったので」

 川崎市から、3人の子どもを連れて来たという鈴木さん一家。家族で高尾山を登るのは、初めてだといいます。

 母・麻代さん:「天気が良いから、ちょっと行こうかなと」

 意気揚々と登り始めますが、登り始めて30分経つと…。

 長女・杏純ちゃん(5):「抱っこ。抱っこ」

 お父さんが長女の杏純ちゃんを抱っこすると、次男の悠利くん(3)も駄々をこね始めます。最後は、正座をして座り込んでしまいました。

 父・浩一さん:「抱っこを1回しちゃうと、そうなりますよね」

 中腹でお昼ご飯を食べて、気を取り直して山頂を目指す家族。ところが、山頂へ向かう参道は大渋滞。山頂までの階段にならぶ親子。

 父:「まじか」
 母:「まだ、あるよ」
 長女:「歩けない。歩けない、歩けない」

 長女は疲れ果て、お父さんが抱っこをしながら登っていきます。

 子ども:「やったー」
 父:「やめようかと思ったんですけど、何とか来られて良かったです」

■山頂も大混雑…焼き肉・おでん“持ち込み”

 高尾山の山頂は、紅葉を楽しみながら食事をする人でにぎわっていました。なかには、ガスコンロに鉄板を持ち込んで焼き肉をする人たちや、大きな鍋で“おでん”を楽しむグループもいました。

 登山客:「(Q.山頂のほうが、おいしい?)間違いなく、おいしいです」

 さらに、山頂でたこ焼きを作る家族もいます。タコやチーズなど具材をのせて、次々と焼き上げていきます。

 登山客:「何回か、やっているんです。3回目です。花見の時期に2回やって」「だからもう、慣れてるでしょ」

■外国人観光客「秋の体験を楽しんでいます」

 今年の高尾山は、水際対策が緩和された影響で、外国人観光客が急増しています。

 アメリカ人観光客:「この2年半、ずっと日本に来たいと思っていました。観光客の受け入れが始まって、すぐに予約をしました。日本が大好きで、また来れてとてもうれしいです」

 オーストラリア人観光客:「オーストラリアでは、木々が紅葉しません。様々な色の木々を見るのは、とても特別だ。秋の体験を楽しんでいますよ」

 アメリカから来た2人組の男性は…。

 アメリカ人観光客:「赤い御朱印帳が欲しかったから、手に入れられて、とてもうれしいです。天狗は、とてもいいですね」

■日没で急変…“スマホの明かり”で下山

 午後4時30分すぎ。日没が迫る時間帯にもかかわらず、滑りやすい山道を降りていく人の姿もありました。

 家族3人で相模原から来たという親子。日が暮れて、薄暗い山道が続きますが、懐中電灯は持ってきていないといいます。

 長男(8):「ここなんだ?ここ」
 母親:「4号(の道)こっちじゃない?」
 長男:「こっち?」
 母親:「これデコボコして、いっぱい出ているからね」
 長男:「こういうことろ来る時は(懐中電灯を)持ってきたほうが良いね」

 取材スタッフの明かりを頼りに、木の根が入り組んだ険しい山道を進みます。

 母親:「思ったより暗かった」
 次男(4):「めっちゃ」
 母親:「最初、泣きそうだったしね」
 長男:「楽しかった」
 次男:「おばけいるかもって思った」

 午後5時すぎ。高尾山は、整備された参道でも真っ暗に…。携帯電話の明かりを頼りに、山道を降りる人が続出しています。

■女性が身動き取れず…“救助隊”出動

 標高は低くても、油断はできない高尾山。去年の都道府県別山岳遭難では、東京都が全国で3番目に多いというデータもあります。

 こうした山で起こる、様々なトラブルに対処するのが警視庁高尾警察署の山岳救助隊です。

 隊員:「高尾警察署の山岳救助隊になります」

 山崎泰正警部補は、これまで国内外で数々の災害現場で活動してきた救助のエキスパート。神藤俊也巡査部長は、山岳救助隊歴12年。これまで300件もの救助を行った、山のスペシャリストです。

 先月27日午後1時すぎ、山岳救助隊に出動要請が入りました。

 隊員:「足をひねった女性が行動不能というので、今(通報が)入りました」

 装備を整え、パトカーに乗り込み緊急出動。救助要請のあった現場は、山頂まで狭い登山道が続く3号路です。

 隊員:「すみません。パトカー直進しています。広めに開けて頂けますか、恐れ入ります」

 日曜日の午後、混雑した参道を登っていく。参道脇にパトカーを止め登山道へ。山岳救助隊は重さ17キロのザックを背負い、舗装されていない狭い登山道を急ぎます。

 隊員:「けがしている人見ました?」
 登山客:「見ました」
 隊員:「どれくらいですか?15分くらい?ありがとうございます」

 同行者からの通報で現場へ向かうが、山の中の詳細な位置は分かりません。途中、登山者から情報収集をしながら走って現場へ向かいます。

 隊員:「高尾警察署の山岳救助隊になります」

 通報を受けてからおよそ40分、山岳救助隊が現場に到着しました。

 隊員:「左足は立てないくらい痛い?」
 女性:「踏ん張れない」

 けがをしたのは、40代女性。母親と2人で紅葉を見に来たといいます。女性は下山する途中で足を踏み外し、崖から落ちそうになったところを踏ん張った際に、左足を痛めたということです。

 救急隊も駆け付け、左足の応急処置を行います。

 けが人を背負う救助隊:「行きますよ1、2、3」

 登山道が狭いため、パトカーを止めている参道まで山岳救助隊が女性を背負って搬送。途中で交代しながら、険しい登山道を慎重に進み、午後2時半、パトカーに到着しました。

 隊員:「頭、気を付けて下さいね。どこ掴んでもらってもいいので」

 けがをした女性を乗せたパトカーは、再び狭い参道を降りていく。

 隊員:「パトカー、この広いところで転回させて頂きます」

 午後3時すぎ麓の駐車場に到着。待機していた救急車で、病院へと搬送されました。

 神藤巡査部長:「比較的登山道狭い場所なので、事案が起こると大変な所。あの状態だと、自力で下りるのは、もう無理だと思います」

■日没後の“SOS”…高尾山 暗闇の救助活動

 先月27日午後5時。日没から30分ほど経過し、真っ暗になった高尾山で再び救助の要請が入りました。

 隊員:「稲荷山の下山中に『今動けない』しか入っていないので。ちょっと、詳細は分からないですね」

 救助要請は、山頂までの登山道の中で、最も険しい稲荷山コースの先だという。通報は通りがかった登山者からで、詳しい状況は分からないという。

 救助隊は夜間救助に備え、防寒具やロープなどを入れた重いザックを背負い現場へ駆け出していく。

 暗闇のなか、滑りやすい登山道を救助隊はヘッドライトを頼りに走って登る。

 隊員:「最初の指令が稲荷山山頂下かと思ったんですけど、上にいそうですね」「(Q.しばらく先ですか?)そうですね、まだまだ。ちょっと急ぎましょうか」

 紅葉時期の高尾山は、夜になると急に冷え込むことも。隊員は、けが人のもとへ山道を急ぎます。

 隊員:「けがした人、見ましたか?」
 通報者:「東屋の500メートル先くらいのところで、オレンジのブランケットと保温としてかぶってもらっています」

 出動からおよそ30分、現場に到着。

 隊員:「こんばんは。どうしました?」

 真っ暗な登山道の脇で座り込む男性。右足は木の枝で作った添え木をあて、タオルで固定されている。

 隊員:「どこら辺かな」
 男性:「足の外側です」
 隊員:「くるぶしくらい?」
 男性:「そうです」

 中国から日本に留学しているという20代男性。日没の直前に、山頂から最も険しい登山道を降りてきたという。

 男性は日没後、真っ暗な登山道を下山中に、木の根につまづいて右足をひねったという。

 隊員:「これ(保温シート)入れちゃっていいですか?」

 山岳救助隊が応急処置をしているところに、続々と消防の救急隊が到着。歩いて下山することが不可能なため、担架に乗せて搬送することに。

 隊員:「はい、持ち上げ。1、2、3」

 山岳救助隊と消防の救急隊合わせて20人体制で、暗い夜道を慎重に搬送します。

 足場の悪い山道では、補助ロープを掛け、慎重に降りていきます。

 午後7時半、登山道の麓の清滝駅に到着。男性はストレッチャーに乗せられ、待機していた救急車へ。病院へと搬送されました。

 神藤巡査部長:「転倒からの骨折とか捻挫が、この時期多い。日が暮れるのが早いので。ライトを持っていなくて、真っ暗で動けない事案が増えます」

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年12月9日放送分より)
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

ANNnewsCHカテゴリの最新記事