残業代未払い2700万円 愛媛のベトナム人技能実習生11人が訴え|TBS NEWS DIG #shorts
日本の高い技能を発展途上国に伝えるという名目で始まった外国人の技能実習制度ですが、現場では安い労働力として不当な扱いを受けるケースが相次ぎ、国は見直しの議論を始めました。2700万円もの残業代が支払われなかったケースを取材しました。
故郷の料理を囲む11人のベトナム国籍の女性。彼女たちは技能実習生として、愛媛県の縫製工場で働きながら、共同生活をしてきました。
「わたしの部屋です」
来日3年目のガーさん(32)。「子どもには貧しい暮らしをさせたくない」と、当時、泣いてすがる4歳の子どもを残し、借金をしてまでやってきました。
希望に満ち溢れ、日本の地を踏んだガーさん。しかし…
ベトナム人技能実習生 ガーさん
「私たちの残業代の一部を会社が払ってくれません。私は3年間で160万円ほど未払いがあります」
長期間続けられた残業代の未払いは、ガーさんたち11人を合わせると3年間でおよそ2700万円に上るといいます。
これは、ある実習生の給与明細です。月130時間も残業しましたが、正規の残業代が支払われたのはわずか21時間分だけ。残りは時給400円と不当に安い金額しか払われませんでした。
ベトナム人技能実習生 ガーさん
「悔しかったので、監理団体の方に相談しようと思い調べたら、監理団体の人と会社の社長は一緒の人なので、言っても意味が無いと思った」
「監理団体」とは海外から技能実習生を受け入れ、派遣先の企業に対し、適切な実習が行われるよう指導する存在です。
しかし、ガーさんの派遣先の縫製工場をたずねると、会社の入り口のすぐ隣に監理団体の入り口がありました。
支援団体などによると、監理団体の代表と会社の社長は同じ人物だといいます。現在の制度では、第三者の「監査人」を置くことを条件に、こうした兼務が認められています。ガーさんたちの支援を行っているNPOはそもそも、兼務できることが問題だと指摘します。
NPO法人日越ともいき支援会 吉水慈豊 代表理事
「社長さんが悪いことをしていても、監理団体の人が一緒だと注意をしてくれる人がいない。第三者が監理するような制度変更をする必要があるんではないかと思う」
会社は先月、倒産。会社の代理人は取材に対し、「残業代を払わなかったことに弁明の余地はないが、破産手続き後も実習生のために協力してきた」などと答えました。ガーさんたちはその後、NPOの支援を受け、別の縫製工場で働いています。
ベトナム人技能実習生 ガーさん
「私たちの権利を取り戻そうと思えるようになった。未払いの分は将来に関わるお金なので、ぜひ取り戻したい」
制度と実態が乖離し、実習生と受け入れ企業との間でトラブルが絶えない外国人技能実習制度。国は先週、有識者会議を設置し、ようやく見直しに乗り出しました。
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