【南極観測隊に密着】知られざる南極観測船『しらせ』生活に密着Part① #shorts
温暖化によって南極の氷がどのくらい解けているのかなどを調査するため、11月11日に東京を出航した、南極観測船『しらせ』は赤道を越え、最後の停泊地、オーストラリア南西部フリマントル港に到着しました。
ここまで約2週間の船旅。知られざる『しらせ』の内部を、同行取材する吉田遥ディレクターがお伝えします。
吉田遥ディレクター:おはようございます。自衛隊の『総員おこし』という声で、毎朝6時に起こされます。
午前6時の朝食を終えると、それぞれの隊員が研究内容や仕事など、自分たちの役割を他の観測隊員や自衛隊員に説明する抗議が始まります。
講義が終われば、少しの自由時間。大海原に囲まれるなか、めいっぱい体を動かします。
その横では…。
吉田遥ディレクター:今、向こうにイルカが見えました。いっぱいいる!
午前11時半に昼食。曜日の間隔を取り戻すために、金曜日はカレーです。
火星を研究、西川泰弘助教:近くに店出してほしい。めっちゃうまい。なんだこれ。
昼食を終えると、南極での観測準備に取り掛かります。
夕食後の数時間は、隊員に与えられた自由時間。ジムで汗を流す隊員もいれば、とりためた韓国ドラマにかぶりつく隊員。さらには、カフェを開く人も。
南極の魚を研究、河合賢太郎助教:いらっしゃいませ。せっかくなので、いろいろ楽しみたいなと。コミュニケーションツールですね。
記者・カメラマン、神山晃平さん:味がしっかりしている。
美容師から研修を受けた隊員が担当する、にわか仕立ての理髪店をのぞいてみると…。
南極の魚を研究、黒田充樹さん:冷たい、冷たい。
理髪係・発電機制御盤を担当、香月将吾さん:耐えるんだ。ビシャビシャになってるけど。
4人がかりで奮闘すること30分…。
南極の魚を研究、黒田充樹さん:私、最初はどうなるかと思いましたが、最後は奇麗にできていて、さすがだなと思いました。
午後10時には消灯になります。
吉田遥ディレクター:消灯の時間が来てしまったので寝ます。おやすみなさい。
フリマントル港についた『しらせ』では、歯の治療が行われました。
船の揺れが少ない、この時にしかできません。
『しらせ』歯科長、齋藤文子さん:(手術などは)揺れてると無理なので、実日数はすごく少ない。(Q.揺れが少ない間に難しい処置をする)そうなんです。
フリマントル港では、生鮮食品などの物資の補給が行われていましたが、急きょ、予定より3日早く港を離れました。
吉田遥ディレクター:どんどんフリマントルの港から『しらせ』が離れていきます。
南極の魚を研究、黒田充樹さん:こんなに早く離れると思っていなかった。
吉田遥ディレクター:何が起きたんだろう。
さらに“真水緊急事態宣言”が出され、水の使用が制限されました。
いったい何が起きたのでしょうか。
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◆南極観測隊に同行する吉田ディレクター
『しらせ』は現在、フリマントル港から約6キロの沖合に停泊中です。
一時、港に着岸することはできましたが、港の管理者から「船を移動させてほしい」という指示がありました。
ただ、指定された場所は『しらせ』が止まれない浅瀬だったことで、急きょ陸から離れることになってしまいました。
さらに『しらせ』では、海水を使って水を作っていますが、急な移動によって、水を作ることができなくなってしまったため、使用に制限がかかってしまいました。
急に船が動き出したので、私たちは焦ってしまいましたが、ベテラン隊員たちは「こういった予定変更は南極ではよくあることなんだ」と、非常に落ち着いて対応していました。
(Q.この先は南極に向けた険しい航海が始まりますか?)
フリマントルを出発すると、すぐに暴風圏に入り、荒れた海域が続きます。
そうした海域を通過しないと、氷の世界に入ることはできません。
『しらせ』は、前進・後進を繰り返す“ダミング”という方法を使って、氷を砕きながら、南極に向かいます。
順調にいけば、来月下旬にも南極の昭和基地に到着する予定です。
(Q.体調や歯の治療は大丈夫ですか?)
親知らず全部抜いてきたので大丈夫です。/a>
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