「通過率95%以上」WEBテスト替え玉受検で男逮捕 400万円以上稼いだか Twitterのプロフィールを見ると|TBS NEWS DIG
採用試験のWEBテストで“替え玉受検”をしたとして、男が逮捕されました。全国初の摘発です。どのように行われていたか解説します。
■Twitterプロフィールには「京大院卒」「元外コン」「通過率95%以上」「2科目4000円で代行します」
ホラン千秋キャスター:
逮捕されたのは、田中信人容疑者(28)です。京都大学大学院卒で関西電力の社員でもあります。
2022年4月、就職活動中の女子大学生から依頼を受け、入社試験で行っていたWEBの適性検査のテストを替え玉受検した疑いで逮捕となりました。
実際どのように行われていたのでしょうか。
(1)まず、女子大学生が企業に対して、採用申し込みを行う
(2)ウェブテストのIDとパスワードが発行され、女子大学生のもとに渡る
(3)女子大学生は田中信人容疑者に報酬を支払う代わりに、ウェブテストを受けるために必要なIDとパスワードを渡す
(4)代わりに田中信人容疑者にウェブテストを受検してもらう
(5)ウェブテストの結果が企業に渡る
どのように依頼を受けていたのでしょうか?
田中容疑者のツイッターのアカウント名を見ると「ウェブテスト代行@元一件15000円の雇われ京大生代行員」とアカウントの名前から堂々と書かれています。
プロフィールの欄には「京都大学大学院卒」「元外コン勤務(元外資系コンサルタント勤務)」「1人で計4000件以上、通過率95%以上」「2科目4000円でウェブテスト代行します」と、かなりしっかりと明記されています。
さらに2022年7月のツイッターの投稿で・・・
「今日も日中業務後めっちゃ溜まってるウェブテストを受けていこうかと思います。笑」
「テストで落ちるのバカらしいと思うので、悩まれている方は気軽にご連絡ください!」とつぶやいています。
警視庁によりますと、2022年7月までに約300人から依頼を受け、400万円以上稼いだと見られています。
井上貴博キャスター:
コロナ禍に限らずですが、私が就職活動を受けていた15年ほど前もWEBテストがありましたし、確かにやろうと思えばなりすましはできる仕組みだった。むしろ企業側はリスクを認識した上でやっているのかなと思っていました。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
企業の方も大量に面接をさばけませんから、こういう形で一般常識(試験)で最初のハードルを作る企業もあります。これを金儲けの手段にしてはいけませんよね。
井上キャスター:
今回は田中容疑者が逮捕されましたが、もっと組織的にやっているところもありそうですし・・・
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
おそらくこれは氷山の一角でしょう。ある程度一部は黙認されてる部分がもしあるとしたら、制度的なものを考え直す必要がありますよね。
以前は、エントリーシートでチェックしていましたが、それにプラスして、昔あった一般常識(試験)とかでチェックしようというもの。しかし、こういう形で替え玉されるのは、いくら何でも趣旨を外れていますので、そこは変えていかないといけないと思いますね。
■学生「友人らが不正してるのを知ってる」30.2%
ホランキャスター:
WEBテストは採用試験の過程で応募者の能力や性格を判断するためのものです。一般的な就職活動は、説明会→エントリーシート→適性検査→面接→内定と、様々なステップを踏みます。コロナ禍で、この適性検査を自宅で受けられる体制をとった企業はかなり増えたそうです。環境的には替え玉受検しやすい状況を作ってしまっているのかもしれません。
さらに、企業の採用試験で、適性検査や筆記試験の実施率は、90.1%。多くの企業が適性検査を導入しているわけです。(対面やWEBを含む)
※リクルート就職みらい研究所「就職白書2022」調べ
では、適性検査のあり方について、企業と学生はどう思っているのか。
企業側のメリット:
「コロナ禍でも実施できる」「コストが削減できる」
企業側のデメリット:
「替え玉受検など不正行為がある」「問題・テスト内容の漏えいがある」
課題はあると企業側も認識しているようです。(株式会社ヒューマネージ調べ)
また、学生で不正の経験があると答えた方は8.4%、手伝った方は9.3%、さらに友人らがやったのを知っている方は30.2%ということです。
それなりに多くの方が不正行為について認識しているのかもしれません。(2021年7月に学生1299人を対象にキャリタス就活が行った調査)
企業への要望として学生側から多かった回答が「不正ができない仕組みにし、公正に評価してほしい」(48.2%)です。人生の中で大きなステップですので、公正に評価してほしい気持ちは大きいようです。
■入社後バレたら解雇は可能?
では、入社後に替え玉受検だったことが判明した場合、企業側は解雇できるのかどうか。
萩谷麻衣子弁護士:
就業規則の懲戒解雇事由として「重要な経歴を詐称して入社したとき、それに準ずる重大な行為があったとき」などと定められていた場合、懲戒解雇となる可能性は…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221122-6053543)
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