のどかな島で進む変化 台湾有事の“最前線”与那国島のいま(2022年11月19日)

のどかな島で進む変化 台湾有事の“最前線”与那国島のいま(2022年11月19日)

のどかな島で進む変化 台湾有事の“最前線”与那国島のいま(2022年11月19日)

17日、3年ぶりに実現した日中首脳会談。焦点となったのは、激しさを増す中国の軍事的活動です。台湾有事への備えはどうなっているのか。台湾を、目と鼻の先に臨む島を取材しました。

取材ディレクター:四宮謙太郎
「見えてきました、日本国最西端の地の碑がたっています。およそ100km先に台湾が見えるそうなんですが、今日は残念ながら見えなさそうです」

サタデーステーションが向かったのは、日本最西端の「与那国島」です。台湾までの距離はわずか110キロあまり。およそ1700人が暮らし、漁業や観光業を中心とするのどかな島はいま、その姿を変えつつあります。

18日、大規模な日米共同演習が行われ、初めて機動戦闘車が公道を走行しました。

道路には何頭もの馬。その近くには…。

取材ディレクター:四宮謙太郎
「あちらに目を向けると大きなレーダーがそびえたっています」

このレーダーは、陸上自衛隊が船舶や航空機を24時間監視するため、2016年に設置されました。他にも、4月には、航空自衛隊の施設が完成したり、来年度には新たな部隊も配備されるなど、防衛体制の強化が進んでいます。

背景にあるのは、与那国島周辺で活発さを増す中国の軍事的活動。尖閣諸島周辺では、中国船による領海侵入が今年だけで24件。中国の戦闘機への対応も2021年度は700件以上にものぼっています。

8月には、台湾周辺で軍事演習を決行。与那国島からわずか80キロの地点にミサイルが落下する事態にもなりました。

先月、アメリカのブリンケン国務長官は…

アメリカ・ブリンケン国務長官
「(中国は)はるかに早い時期の想定で(台湾)統一を追求することを決意した」

こうした状況に、漁業組合では…

与那国町漁業協同組合:嵩西茂則組合長
「これは水産庁からの安全情報なんですけれど」

漁業安全情報メールが、2018年度はおよそ15件でしたが、2021年度には倍増したといいます。

与那国町漁業協同組合:嵩西茂則組合長
「国と国との闘争のなかに巻き込まれるってことはもってのほかです」

一方、島内をまわって見えてきたのが、“避難の難しさ”です。

与那国馬う牧場:田中雅洋さん
「身を守れる建物はないですよね。大きい建物もないし、地下がある建物も当然ない。例えば山の中に逃げ込むって言ったって、その背後にある山の上にレーダー基地があるので、まさにそこが一番危ないですから、後ろは海ですからね、まさに背水の陣です」

有事の際には、まず島内での避難が必要となります。町は避難計画を策定中としていますが…。

島民
「内地のように地下鉄あって、そういうところに避難することも、この島では考えられない」
「避難場所というのは、具体的にそういう情報は流れていない。隠れる場所はこれと言って思いつかない」

サタデーステーション 11月19日OA
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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