南極観測船「しらせ」赤道を通過 極寒調査の隊員支える“2人の料理人”(2022年11月18日)
アメリカの北部が早くも大雪に見舞われ、一部の地域に緊急事態宣言が出るなど、警戒感が高まっています。このように雪が吹き荒れるなか、飛行機が不時着するトラブルも起きています。
吹雪のなか、静かに横たわる飛行機の機体。
ゴルフ客:「そこに着陸したんだ。あの林を通り抜けてね」
15日、アメリカ北部に位置するウィスコンシン州のゴルフ場で、飛行機が不時着。
着陸の際、翼を失いながらも助かったのは、50匹以上のイヌたち。ルイジアナ州からウィスコンシン州の保護施設に運ばれる途中でのアクシデントでした。
ウィスコンシン州と同じく、五大湖周辺の多くの州では、例年よりも早い大雪に見舞われ、オハイオ州では高速道路に長い渋滞ができ、ミシガン州ではフライトの遅れが続出しました。
主な原因と考えれらるのは、湖水効果雪と呼ばれるもので、冬の時期、冷たい空気が暖かい湖を横切る際、雪雲が発達し、湖の沿岸部に大雪を降らせるのです。
ニューヨーク州の知事は危機感を募らせます。
ニューヨーク州、キャシー・ホークル知事:「非常に大きな嵐です。これは異常気象と考えられています。最も懸念されるのが積雪量です。1時間におよそ10センチ、尋常ではありません」
ニューヨーク州は11の郡で緊急事態宣言を発令しました。
気候変動の影響が最も表れるといわれる南極。温暖化が進んでいることを示す新たなデータが公表されました。
赤い部分が氷が失われた部分を指します。南西部は特に氷が無くなっていて、温暖化の影響を指摘。
この20年、年間1490億トンの氷が失われているといいます。
「南極で今何が起きているのか」。その答えを探るため南極に向かっている観測船しらせ。現在、その長い航海の途中です。
南極観測船「しらせ」船内:「金曜日はカレー」「(Q.きょう金曜日でしたっけ?)金曜日はカレー」「(Q.すごい山盛りですね)野菜だけは山盛りで」
長い船旅、ビタミンもしっかりと補給。
さらにコロッケをトッピング。福神漬けとらっきょうも。たっぷりと乗せます。
曜日の感覚がなくならないように「金曜日はカレー」。
南極観測船「しらせ」船内:「プロが作ってるんだからそりゃおいしいわ」「完全に普段食っているものよりうまい」
昭和基地で隊員たちの食事を支えるのは、2人の南極料理人。数カ月前から食材の準備をしています。
南極料理人・中川潤さん:「1年間で1人大体1トンぐらい食べる。普通は市場に行って魚を選んで農家さんと連絡して野菜もらう。今回パンフレットから選ぶ仕事がメイン。結構色んなものがあって…」
デザートを選ぶのも一苦労です。
料理人の中川さんは、ブラジルの公邸料理人の経験もあり、今回初めて観測隊に選ばれたのです。
南極料理人・中川潤さん:「家族は普通に喜んでくれました。『行きたい所に行くべきだ』と妻が言ってくれたのが1番大きかった」
家族を残し、南極へ向かう隊員たち…。
日本の南極調査が始まった1956年。
「南極に日本の旗を立てる」未知なる大陸の探索は、敗戦のショックが色濃く残る日本に明るい希望となったのです。
現在、南極の温暖化は気候変動のトリガーにもなりかねません。氷の調査を行う観測隊は重要な役割を担うことに。
テレビ朝日の記者も船に同行。取材を続けています。
第64次隊に同行・神山晃平記者:「船の中は結構快適な生活」
現在、「しらせ」が進んでいるのは赤道を通過した辺り。18日、赤道を通過したのです。
第64次隊に同行・神山晃平記者:「きょうは赤道祭というのが行われます。無事、赤道を通過できるようにという祈りをこめた儀式になっています」
39年前の「しらせ」での映像。古くは、大航海時代までさかのぼるという船乗りたちの儀式「赤道祭」。赤道を門に見立てたモニュメントを隊員たちがくぐって、安全を祈願します。
さらにさかのぼって、こちらは50年以上前。
当時のナレーション:「思い思いの趣向を凝らした仮装行列。珍妙な腹踊りも飛び出して、海の神ネプチューンもさぞ戸惑ったことでしょう。隊員、乗組員、こぞっての大サービスでネプチューンのおぼえもめでたく、無事、赤道通過の大きな鍵が手渡されました」
18日、送られた観測船しらせで撮影されたもの。観測隊は18日「赤道祭」を終えて、無事、赤道を通過。未知なる大陸、南極への旅路は続きます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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