異例のG20 恒例の写真撮影“なし”で波乱 ロシアとの撮影を米などが拒否(2022年11月15日)
アメリカのバイデン大統領やロシアのラブロフ外相など各国の首脳級が集結したG20。ウクライナ侵攻後、初の開催となりましたが、恒例行事が見送られるなど異例の事態となっています。
ヘルソン市民たちの大歓声に包まれ登場したウクライナのゼレンスキー大統領。ロシアの支配下での生活を8カ月間、強いられてきた人々に力強い言葉で訴えます。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「これは戦争の終わりの始まりです。私たちは一時的に占領されたすべての領土に一歩一歩、進んでいます。もちろん、長く困難な道のりです。私たちは平和のための準備ができています」
長引く戦乱…。国際社会は今後、どう動くのでしょうか。
インドネシアのバリ島ではウクライナ侵攻後、初めてとなるG20首脳会議が15日から始まります。プーチン大統領は欠席。代わりにラブロフ外相が参加しています。ゼレンスキー大統領はオンラインで参加。
ウクライナ、ゼレンスキー大統領:「ウクライナの全領土をロシアから解放するにはまだ時間がかかります。私たちは戦います。勝利を確信し、世界を安定させるための提案を実行したい」
日本やアメリカをはじめ、欧米諸国がロシアを強く非難するなか、G20開幕の恒例行事が行われない前代未聞の事態が。
これまでのサミットでは、各国首脳が一堂に介して写真撮影をするのが恒例です。コロナ禍でオンラインでの開催となったおととしは合成して集合写真を作りました。
ところが、今回はアメリカなどが「ロシアと一緒に写真に収まりたくない」という理由で見送られたのです。
ロシアを巡るごたごたは他にも。AP通信が報じたのは…。
AP通信:「ロシアのラブロフ外相は14日、バリ島の病院で心臓の状態に関係する症状で治療を受けた」
プーチン大統領の代わりにバリ島に到着したラブロフ外相がサミットの前に病院で心臓の治療を受けたというのです。
これに対し、ロシア外務省の報道官は「フェイクだ」と否定し、SNSにある動画を投稿。映っていたのは半袖、短パン姿のラブロフ外相。テラスで資料に目を通しているように見えます。
“入院報道”について、こう反論しました。
ラブロフ外相:「我々の大統領も10年間、病気だといわれている。よくある政治ゲームです。西側のジャーナリストは正直であってほしい。もっと真実を描き、1つの視点に捉われないことです」
番組では、ラブロフ外相が治療を受けたと報じられたバリ島の病院を独自に取材しました。
病院の広報担当:「我々の病院ではG20派遣団のために医療チームを編成しています。G20派遣団の1人が病院にいたことは事実です。それが誰なのかはお答えできません」
ラブロフ外相の健康状態は果たして…。ロシア情勢に詳しい専門家は。
慶應義塾大学・廣瀬陽子教授:「仮に持病で発作のようなことなら、ちょっと不思議。これまでそういうことは一度も聞いたことがない。現状が相当、心臓にかけている負担が大きいのではないか」
ウクライナでは要衝ヘルソン市を奪還され、劣勢に追い込まれているロシア。プーチン大統領の次の一手は…。
慶應義塾大学・廣瀬陽子教授:「状況がどんどん悪化していて、当初の目的を縮小せざるを得ない状況。人を使うにも動員しても訓練が行き届かないなど八方ふさがり。(ロシアにとって)一番ましなことは今まで取った領土を取られないこと。今後、相当厳しい状況がロシアには訪れると思う」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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