【解説】“最大の敗者”トランプ氏…「重大発表」は? 大接戦のアメリカ中間選挙で「目立ちすぎ」批判も

【解説】“最大の敗者”トランプ氏…「重大発表」は? 大接戦のアメリカ中間選挙で「目立ちすぎ」批判も

【解説】“最大の敗者”トランプ氏…「重大発表」は? 大接戦のアメリカ中間選挙で「目立ちすぎ」批判も

大接戦となっているアメリカの中間選挙は、日本時間11日夕方時点でも開票作業が続いています。こうした中、「トランプ前大統領は最大の敗者」と報じられるなど、トランプ氏への批判が目立ち始めました。

●重大発表どうなる?
●目立ちすぎて“嫌気”
●身内争いも?

以上の3つのポイントについて、詳しく解説します。

■バイデン大統領、与党・民主党の“善戦”アピール
10日、中間選挙後、初めて支持者の前に登場したバイデン大統領は、「民主党の大統領の初の中間選挙として、失った下院議席数は過去40年で最少だ」と述べ、与党・民主党の善戦をアピールしました。バイデン大統領の表情は明るく、かなりご機嫌な様子でした。

日本時間11日午後4時時点で、中間選挙の開票は終わっておらず、上下両院とも最終的な結果は判明していません。アメリカ・NBCによると、上院はバイデン大統領の民主党が非改選も含めて48議席、トランプ氏の共和党は49議席となっていて、日本時間の10日時点から状況は変わっていません。

結果が確定していないのは、ネバダ州、アリゾナ州、ジョージア州の3州です。このうちジョージア州では、両候補の得票率がどちらも50%に達しなかったため、12月6日に決選投票を実施することがすでに決まっています。

今回の中間選挙では、郵便投票の数が過去最多となる見通しで、それが開票に時間がかかる理由となっています。郵便投票の場合、一通一通開封して、本人確認書類と照合するなど、通常の開票よりも手間がかかります。そのため、最終的な結果が出るまで、まだ数日かかる見通しです。

ただ、どちらかの党がネバダ州とアリゾナ州の議席を2州とも獲得しない限り、ジョージア州での決選投票までもつれ込むことになり、選挙戦はさらに長丁場になる可能性があります。

■トランプ氏目立ちすぎ? 「共和党最大の敗者」米紙報道
選挙結果がまだ見えない中ですが、トランプ氏は15日に“重大な発表をする”と予告しています。トランプ氏は自身の自宅である「マル・ア・ラーゴ」という豪邸で行った演説で、「来週、重大発表を行う」と投票部前日に突然、発表したのです。

ただ、AP通信は「側近がこの発表を延期するように進言している」と伝えています。トランプ氏がこのタイミングで次の大統領選への出馬を表明すると、12月に行われるジョージア州の決選投票に悪影響が及びかねないからだとしています。しかし、トランプ陣営は11日、「予定通り15日に記者会見を行う」と発表しました。

トランプ氏が出馬表明すると、なぜ決選投票で共和党が不利になるのでしょうか。今回の選挙期間中、トランプ氏が共和党の顔として前面に出たことが、共和党が伸び悩んだ最大の理由だとみられているためです。

アメリカの有力紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、「トランプ氏は共和党最大の敗者」という見出しで、トランプ氏が目立ちすぎたことが共和党候補のイメージダウンにつながったと分析しています。

実際、トランプ氏が“目立ちすぎた”ことが、今回の投票行動にどのような影響を与えたのでしょうか。アメリカ・CNNなどが行った出口調査によると、トランプ氏に対する評価について、「好意的」が39%、「好意的でない」が58%と差が付きました。過激な言動で分断をあおったり、選挙結果を認めないなどのトランプ氏の姿勢に反発する人が多いとみられています。

また、今回の中間選挙では、無党派層をどれくらい取り込めるのかが最大の焦点でした。無党派層の投票先は民主党が49%、共和党に投票の47%で、民主党が共和党を上回りました。差は小さく見えますが、通常、中間選挙は“現政権に対する審判”という側面があるため、バイデン大統領の民主党に厳しくなる傾向があります。にもかかわらず、歴史的なインフレの中でも、民主党の方が支持されたという結果となりました。これもやはり、トランプ氏の“目立ちすぎ”が嫌われたからだと考えられます。

■トランプ氏の焦り? “身内争い”も
今回の選挙を受けて、共和党内での立場がかなり悪くなっている印象があるトランプ氏ですが、焦りからなのか、身内争いのようなことも起こり始めています。

フロリダ州のデサンティス知事は、次の大統領候補として共和党内でトランプ氏に次ぐ有力候補とされ、人気が急上昇しています。トランプ氏は10日、デサンティス氏について、「宣伝はうまいが、平凡な知事だ」などと批判する声明を発表しました。

デサンティス氏はトランプ派の1人で、2018年にトランプ氏の推薦でフロリダ州知事に当選しました。当時、トランプ氏は「デサンティスのことは昔から知っている。ハーバード大とイエール大卒の優等生、つまり賢い男なんだ!」と持ち上げ、デサンティス氏の後ろにぴったりとついて、応援していました。

デサンティス氏はエリートコースを歩んできた経歴などから、「賢いトランプ」とも呼ばれています。「マスク着用義務化に反発」、「移民を都市部に送り込む」などの強攻策を次々と打ち出し、保守派の人気を集めています。すでにフロリダ州ではトランプ氏の人気を上回り、今回の中間選挙でもライバルに大差をつけて勝利しました。こうしたことから、トランプ氏側は、次の大統領候補としての地位を奪われかねないとの焦りがあって、デサンティス氏をけん制するような声明を出したのかもしれません。

     ◇

今回の中間選挙は“バイデン政権への審判”という以上に、トランプ前大統領の影響力をはかる意味合いが強いものでした。早くも2年後の大統領選に誰が出馬するかに関心が移り始める中、トランプ氏の今後の出方が一層注目されています。
(2022年11月11日放送「news every.」より)

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