イノシシ出没…泳いで移動も 冷蔵庫あさり「ビール飲まれた」 遭遇したらどう行動?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年11月11日)

イノシシ出没…泳いで移動も 冷蔵庫あさり「ビール飲まれた」 遭遇したらどう行動?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年11月11日)

イノシシ出没…泳いで移動も 冷蔵庫あさり「ビール飲まれた」 遭遇したらどう行動?【羽鳥慎一 モーニングショー】(2022年11月11日)

 徳島県小松島市のショッピングセンターの屋上にイノシシが出没しました。このイノシシに小学生を含む6人が襲われて、けがをしています。今、イノシシの出没が各地で確認されていて、中には、住宅に侵入して冷蔵庫をあさるという被害も出ています。

■「助けて」子どもら6人がけが

 徳島県小松島市のショッピングセンターの屋上駐車場を疾走する1頭のイノシシ。右へ左へと駆け回ります。

 壁に前足を上げ乗り越えようとする様子も…。イノシシは、市街地を走る車のドライブレコーダーや住宅に取り付けられた防犯カメラにも、姿が捉えられていました。

 全長1.5メートルほどあるという巨大なイノシシ。9日午前7時10分ごろ、女性が襲われたと警察に通報が入りました。

 女性は犬の散歩をしている時、襲われたといいます。

 娘がイノシシに襲われた女性:「後ろから急に飛び掛かってきたのかな。倒されて、かみ付いた。娘が『イノシシにかまれた』と言うから、『誰が?』と言ったら、『私が』と。びっくりして、すぐ病院に連絡した。深い傷が3カ所と、浅い傷が4カ所」

 移動しながら、次々と人を襲っていったイノシシ。被害は小学生にまで…。

 かまれた小学生を保護した人:「子どもの声が。『助けて!助けて!』って声が。最後にきたら、悲痛な叫びというか、『助けて!』って死にそうな声で言うんですよ。イノシシが、ここにおったんですよ。軽傷で済んで、良かったなって思いました。あの大きさ見たら、すごかった」

 現場には、今も血痕が残されています。小学生を含む6人がけがをしましたが、いずれも軽症だといいます。

 その後、イノシシはショッピングセンター屋上の駐車場に逃げ込みます。警察官が駆け付けましたが、パトカーに体当たりした後、すり抜け逃走。今も、捕まっていません。

■4年前…イノシシに襲われ“13針”

 イノシシに襲われると、どれほどの衝撃を受けるのでしょうか?

 4年前に福岡市で撮影された映像。歩いている男性にイノシシが突然、体当たり。男性は、大きく跳ね飛ばされてしまいます。

 さらにイノシシは、倒れこんだ男性を執拗(しつよう)に襲い続けます。

 警察によると、男性は足などを13針縫う大けがをしました。

■住民に…“外出控え”呼び掛け

 襲われると命の危険性もあるイノシシ。一夜明けた10日も、住民はどこで襲われるか分からない不安を抱えたまま、生活していました

 イノシシに襲われないように、車で子ども送ってくる保護者の車で長い列ができています。不安で、子どもを休ませる人もいたといいます。

 小松島市児安小学校・尾崎徳彦校長:「終日、外には(出ない)運動場を使わない。屋内での活動をきょうは行う。これは、いつまでも続いていくってことはできませんので。できるだけ早く、収束することを願っている」

 警察も、早朝からおよそ20人態勢で警戒にあたりました。県や市も特別態勢を取り、街中などを捜索しました。

 徳島県 鳥獣対策・ふるさと創造課 徳元篤行係長:「街中なので、なかなか捕まえるというのは難しいので。住民の方に注意喚起をしたりと、外に出たりとか、近付かないようにということで」

 小松島市のホームページには、写真付きで「イノシシ出没中」の大きな文字が掲載されています。さらに、不要不急の外出や犬の散歩を控えるよう住民に呼び掛けています。

■各地で目撃相次ぐ…なぜこの時期?

 イノシシの生態に詳しい兵庫県立大学の栗山武夫准教授によると、犬の鳴き声がイノシシを刺激し、興奮状態にさせてしまう可能性があるといいます。

 今、各地でイノシシの目撃が相次いでいます。

 先月、長崎市の繁華街に突如現れた1頭のイノシシ。警察官がさすまたで捕えようとしますが、口にくわえ抵抗。なんとか取り押さえることができ、幹線道路で繰り広げられた大捕物は無事終了しました。

 同じ長崎県の佐世保市では、温泉施設の駐車場にイノシシの大群が現れました。

 石川県では、住宅街を猛スピードで走るイノシシの姿が目撃されていました。
 
 なぜこの時期に、多くのイノシシが目撃されているのでしょうか?

 栗山准教授:「冬になると、エサ資源がほとんどなくなるので。秋のうちに冬を越すために、食いだめているという時期になります。エサを求めて、結構あちこちに行っている時期」

■泳いで移動…冷蔵庫あさりビールも

 生息範囲を拡大し続けるイノシシ。その勢いはとどまることを知らず、瀬戸内海を悠々と泳いでいきます。鼻を海面から突き出すようにして、器用に泳ぎます。

 こうしたイノシシが行き付いたとみられるのが、瀬戸内海に浮かぶ大小の島々。その一つ、広島県尾道市の百島。人口400人ほどのこの島では、家の入り口が有刺鉄線と木の板で守られています。

 どの家も、どの畑も、不自然なほどの警戒ぶりです。なかには、飛び出た釘でハリセンボンのようになった板を置く家もあります。

 島の人:「とりあえず釘を全部打ち込んで。等間隔にね」

 島を異様な雰囲気にした原因は、イノシシによる家への襲撃です。

 島の人:「米とか食品関係を置いているのが、全部ぐちゃぐちゃにやられたような感じ」

 冷蔵庫は空になり、入っていた食品は床に…。

 島の人:「ビールとか、色々なジュースがあったのが全部。結構、ビールなんかも飲むからね」「(Q.ビールも飲むんですか?)ビール飲みますよ、なんぼでも。雑食だから、何でも食べるんじゃないかな」

 男性はイノシシ対策で家の周囲を柵で囲い、費用はすでに50万円以上かかっているといいます。

 島の人:「本当に笑い話じゃないけど。人間が檻(おり)で生活しよるような」

 扉のガラス程度なら、安々と壊すというイノシシ。この施設では、玄関のガラス製の扉が破られました。

 施設の職員:「突き破った時に、イノシシが傷付きながらも押し入った形跡で」

 傷付きながらも侵入し、探し当てたのは、やはり食料でした。

 栗山准教授:「(建物の中には)山のものよりも栄養価が高い何かがあるという学習をしてしまったがゆえに、おいしいものがあるというので、入ったんじゃないかなと思います」

 実際、この施設では、侵入された日の夜にカメラを仕掛けると、扉にゆっくりと近付く大きな影。大きなイノシシが、姿を現します。

 しかし、すでに扉が補強されたことに気が付いたのか、侵入を諦めて去っていきました。

■島内で被害…少なくても101件 何度も

 栗山准教授:「イノシシにとって、競争相手もいなくて、冬場も温暖な島に行けば増えやすいので。(島は)イノシシには楽園のような良い環境」

 イノシシによる被害は、島内でこれまで少なくとも101件。幸いにもけが人は出ていませんが、壁を破られたり、冷蔵庫が壊されたり、多くの場合には食料が狙われ、肉に米、冷蔵庫のビールも飲まれました。

 中身を荒らされた冷蔵庫は「菌などの不安もある」と、買い替える人も多いといいます。

 3年前、百島に移住してきた男性も今年8月、イノシシに自宅が襲われました。

 イノシシ被害を受けた男性:「ラーメンと米ですね。1時間ぐらい留守にした時なんですけど、帰ってきたら、こうなっていました。家の中に入られて」

 さらに、別の日には…。

 男性:「バイクも壊されたんですよ。ショックですよね」

 シートの皮がはがれ落ち、部品も粉々に…。イノシシは食べ物が入っている冷蔵庫と、バイクを見間違えて襲ったのではないかといいます。

 一方、侵入された時に冷蔵庫は無事だったといいますが…。

 男性:「ビールと間違えて、エンジンオイルの缶をかみ砕こうとしたやつがあります。かみきれなかったんですけど。ビールとかだと開けて飲んじゃうんですよ」

 ビールの味を気に入っていたのでしょうか?男性の家では、現在は赤外線センサーを取り付け、動物が近付いたら、音が鳴るようにしているといいます。

 男性:「これですね。夜中2時とか4時とか、結構ひっきりなし」「(Q.鳴った時はどうする?)追い払うんですけど、降りて来て。人の気配するといなくなるので」「(Q.休まりませんね?)そうなんですよ、寝られなかったですよ」

■行政も対応…“防護柵”支給

 こうした住宅を襲う“イノシシ被害”を減らすため、行政も動き出しました。

 男性:「一世帯あたり上限5枚で、防護柵が支給されるみたいですね」

 尾道市は10日から、島民に対してイノシシ対策用の“柵”の支給を始めました。

 男性:「大変ありがたいです」「(Q.どこに建てる?)家の玄関と縁側の所」

■もし遭遇したら…どう行動すれば?

 街中で、島で、各地で、拡大するイノシシ被害。もし、遭遇してしまった時は、どう行動すればいいのでしょうか。

 栗山准教授によりますと「刺激せず、ゆっくりとその場を離れる。そして、物陰に隠れたり、高い所に避難したりするのが良い」ということです。

(「羽鳥慎一 モーニングショー」2022年11月7日放送分より)
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