総理「職責の重さ感じて説明を」 与党からも批判…葉梨大臣“死刑のハンコ”発言撤回(2022年11月10日)
葉梨法務大臣は9日夜に開かれた同僚議員のパーティで、法務大臣の職務について「死刑のハンコを押したときだけニュースになる地味な役職だ」などと発言しました。
葉梨康弘法務大臣:「法務大臣になりまして、もう三月になるんですけれども、だいたい法務大臣というのは、朝、死刑のハンコを押しまして、昼のニュースのトップになるのは、そういう時だけという地味な役職。今回は、なぜか旧統一教会の問題に抱きつかれてしまいました。ただ、抱きつかれたというよりは、一生懸命、その問題解決に取り組まないといけない。私の顔もいくらかテレビにですね、出るようになったということでございます。外務省と法務省は票とお金に縁がない。法務大臣になってもお金は集まらない。なかなか票も入らない。となってまいりますと、なかなか、この日本を良くすることはできない」
一夜明け、総理官邸に呼び出され、松野官房長官に説明を行いました。
葉梨康弘法務大臣:「法務省の職務を軽んじるような印象を与えたとすれば、率直にお詫びを申し上げると伝えまして、長官からも『軽率な言動がないよう』と厳しく注意を受けた」
葉梨大臣は、報道陣の前で9日の発言をすべて読み上げました。そのうえで、問題視されている発言の真意については、こう述べました。
葉梨康弘法務大臣:「今までは、死刑の印鑑を押した日の昼のニュースのトップでというのが、ファクトとして、そういうことである。地味に見られるかもわからないけど、極めて大切な行政ということを、全体としては申し上げたわけなんですが、たとえ一部を切り取られたという形であっても、自分たちの仕事を軽んじているかのような印象を与える。そういうような発言は、やはり今後はですね、非常に慎重にしていく必要があるだろうと。(Q.役職は続けるか)しっかり言動には慎重を期しながら、しっかりとした仕事を、職責をまっとうしていきたい。(Q.発言の撤回は)今のところ、そういう考えはありません。しかし、説明をよくしないといけない。その部分だけの発言をしたわけではなくて、全体の真意を説明をしていくことは続けさせていただきたい」
葉梨大臣は、このあと、国会へと向かいました。40分以上、遅れて始まった法務委員会の冒頭、葉梨大臣は、一転、発言を撤回しました。
撤回に至った経緯については、こう説明しました。
葉梨康弘法務大臣:「一番最初に謝罪・撤回をどういう場で言うかは、私は委員会で言うべきであろうと。最初にそこで謝罪と撤回を言うべきだと。(Q.旧統一教会の問題について“抱きつかれて”という表現は)旧統一教会に抱きつかれてということではなくて、本来的に法務省が今までやっていることと、直接は関係ないけど、その後に被害者救済をやっていくんだと申し上げていた。その表現自体もあまり適当ではないと、謝罪して撤回した」
今回の発言については、与党内からも厳しい声が上がっています。
自民党(岸田派)小野寺五典衆院議員:「閣僚を経験するということは、政府の一員として自覚を持ち行動すること。より一言一言が重くなる。私どもは、宏池会(岸田派)の一員。宏池会から出ている閣僚のことで多くの皆さまに、心配と迷惑をかけている。改めてお詫びしたい」
公明党・斉藤鉄夫国土交通大臣:「命の重さと法の厳正さの象徴である法務大臣として、覚悟に欠ける発言だった」
野党からは、辞任を求める声も出ています。
立憲民主党・泉健太代表:「あのような法務大臣のもとで、死刑の判断を今後していくんでしょうか。法務行政を執行できないような発言をしてしまったことからすれば、この任にとどまることはふさわしくない」
共産党・小池晃書記局長:「テレビに出るために大臣やってるんですかと。テレビに出て、票を集めて、カネ集めて、そのために大臣やってるんですかと。これだけのことを言ってしまった以上、撤回はもう通用しない」
10日、岸田総理は、葉梨大臣と会っていないといいます。
岸田総理:「葉梨大臣については、けさ官房長官が官邸に呼び、厳重に注意をいたしました。自らの職責の重さ、しっかりと感じ、説明責任を果たしてもらいたい。発言にはこれからもくれぐれも、その職責の重みを、しっかりと感じて、丁寧に慎重に行っていただきたい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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