課題浮き彫りの「Jアラート」から見えるもの… ミサイル探知の“難しさ”と過熱する北朝鮮情勢の“危うさ”【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

課題浮き彫りの「Jアラート」から見えるもの… ミサイル探知の“難しさ”と過熱する北朝鮮情勢の“危うさ”【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

課題浮き彫りの「Jアラート」から見えるもの… ミサイル探知の“難しさ”と過熱する北朝鮮情勢の“危うさ”【サンデーモーニング】【手作り解説】|TBS NEWS DIG

韓国との軍事的応酬がエスカレートしている北朝鮮。これまでにないペースで繰り返すミサイル発射には、日本政府も対応に追われています。

■日本の弾道ミサイル探知システム

11月3日のJアラートを巡っては、発出のタイミングなどで課題が浮き彫りになりましたが、そもそも、弾道ミサイルというのはとてつもないスピードで飛来します。Jアラートは10月にも発出されましたが、その時のミサイルは、日本列島を越えて4600キロ飛行し、太平洋に落下しています。日本上空を通過したのは発射からわずか6、7分後。北朝鮮からいかに短時間で飛来するかが分かります。ではそのミサイルをどのように探知しているのでしょうか。

北朝鮮からミサイルが発射されると、まず発射の際に出る大きな熱をアメリカの警戒衛星が赤外線で探知し、瞬時に日本や韓国と共有します。地球が丸いため、発射直後は日本のレーダーでミサイルを捉えることはできず、最初は、発射地点に近い韓国のレーダーが捉えることになります。ミサイルがある程度の高さに達してから、日本のレーダーでも探知・追尾することができます。そして、スピードや角度から落下地点を予測し、日本に飛んでくる可能性がある時に、日本上空を通過する場合も含めてJアラートが発出されているんです。さらに、日本の領土領海に落ちると予測される時などには、自衛隊の迎撃ミサイルによって破壊措置も取られることになります。

■弾道ミサイルの軌道

一言で日本上空と言いますが、ミサイルはどの程度の高さを飛んでいるのでしょうか。例えば、10月4日のJアラートの対象となったミサイルでは最高高度がおよそ1000キロでした。一般的に「領空」は高度100キロ程度までとされ、そこから先は宇宙空間となります。国際宇宙ステーションはおよそ400キロの高さにあり、ミサイルはそれよりもはるかに上を飛んでいるのです。
今回のミサイルは、飛行距離は750キロほどでしたが、「ロフテッド軌道」と呼ばれる高い高度で打ち上げられ、2000キロまで達しました。3月には6000キロを越える高さまで打ち上げられたこともあり、こうしたミサイルを通常の軌道で発射すると、ワシントンやニューヨークまで届くと見られています。

■ニュースで使われるEEZとは

ところで、ニュースではよく「日本のEEZの外に落ちた」と伝えられますが、このEEZ=排他的経済水域とは各国が沿岸から200海里、およそ370キロに設定することができる海域のことで、漁業や天然資源の採掘を独占的に行う権利があるとされます。ちなみに領海というのは沿岸から12海里、およそ22キロですから、それよりもはるかに広い海域です。

■前例のない北朝鮮の挑発

そして今回、朝鮮半島近くで注目されたのは「NLL=北方限界線」というラインです。国連軍が設定した海の境界線ですが、北朝鮮は、2日に初めてこのNLLを越えて韓国側のEEZ内にミサイルを撃ち込みました。韓国も北朝鮮側へ向けて戦闘機から3発のミサイルを撃ち返しています。さらに4日には、北朝鮮が軍用機およそ180機を次々に韓国側に接近させたのに対し、韓国が戦闘機などおよそ80機を緊急発進させるという事態も起きています。
7回目の核実験の実施や偶発的な衝突による戦争のリスクも懸念されています。

(「サンデーモーニング」2022年11月6日放送より)

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