パキスタン前首相デモで銃撃され負傷 容疑者の男「全力で殺そうとした」(2022年11月4日)
カリスマ的人気を持つパキスタンの前首相が自ら呼び掛けた反政府デモの最中に銃撃されました。身柄を拘束された男は「全力で殺そうとした」と暗殺するつもりだった事を認めています。
7カ月前までパキスタンで3年半、政権を担っていたイムラン・カーン前首相70歳。クリケットのパキスタン代表のキャプテンを務めた元スター選手です。首相を退いた今もカリスマ的な人気で支持を集めています。
パキスタン、イムラン・カーン前首相：「真の自由を求めてマフィア（現政権）と戦う」
現地3日、そのカーン前首相が自ら呼び掛けたデモの最中銃撃されました。
轟銃声。さらにもう一発。
事件が起きたのはパキスタン東部にあるパンジャブ州ワジラバード。
海外メディアなどによると、カーン前首相がいたのは、トラックが牽引（けんいん）するコンテナ車の上。手を振り終えた直後、撃たれました。
複数の銃弾が発射されたとみられます。
カーン前首相がいたコンテナ車の上で撮られた映像です。関係者が道を開けろと怒鳴っています。
引きずられるように運ばれていく銃撃されたカーン前首相。一瞬だけその顔が捉えられました。
この銃撃事件で1人が死亡。カーン前首相を含む少なくとも7人が負傷したとみられます。
コンテナ車の中に戻ってきたカーン前首相です。右足のすねを撃たれたものの、命に別状はなく、暗殺は未遂に終わりました。
負傷したファイサル・ジャベド上院議員：「皆さんのために祈ります。アラーのご加護がありますように。イムラン・カーンは無事です。友人数人が負傷しました。1人は亡くなり、他の人は重傷です」
治安当局は容疑者の男1人の身柄をその場で確保。男は9ミリ拳銃と空の弾倉2つを所持していたということです。
身柄を拘束された男はこう話しています。
容疑者とされる男：「イムラン・カーンは人々を間違った方向に導いていて、それが許せなかった。だから彼を殺そうと…全力で殺そうとした。イムラン・カーンだけを狙い、他は殺すつもりはなかった」
男は朝決断して、自転車に乗って自宅を出たと、1人で犯行に及んだと主張しています。
今年4月、経済政策の失敗などを理由に不信任案が議会で可決されて失職したカーン前首相は、野党とアメリカが手を組んだと主張。ここ数日は現政権の打倒と総選挙の前倒しを訴えて、デモ行進を続けていました。
支援者に元気な姿を見せた後、車に乗り込んだカーン前首相。車は再び狙われないよう窓を人が覆い隠しながら病院に向かいました。 （C） CABLE NEWS NETWORK 2022
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