【北朝鮮】「金正恩氏が最も恐れる兵器」“死の白鳥”米韓が訓練に投入へ(2022年11月4日)

【北朝鮮】「金正恩氏が最も恐れる兵器」“死の白鳥”米韓が訓練に投入へ(2022年11月4日)

【北朝鮮】「金正恩氏が最も恐れる兵器」“死の白鳥”米韓が訓練に投入へ(2022年11月4日)

 北朝鮮による連日の弾道ミサイル発射が続いていますが、米韓の合同訓練の延長発表後、挑発はさらにエスカレートしています。専門家は「過去とは局面が異なる」として今後、核実験や民間人を巻き込んだ砲撃事件が発生しうると懸念しています。

 “挑発”は、やむ気配がありません。

 3日夜、3発の短距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮。韓国軍によると、そのおよそ2時間後、日本海に向け80発以上の砲撃を実施しました。

 繰り返されてきた“挑発行為”。今回は明らかにフェーズが変わったと、長年北朝鮮を見てきた礒崎教授は話します。

 慶応義塾大学、北朝鮮政治・礒崎敦仁教授:「過去とは全く局面が異なります。金正日委員長の時代は17年間に16発しか撃っていないのに、わずか一日でその数を超えるミサイルが撃たれているという状況。尋常ではない」

 局面が変わった訳。その一つを北朝鮮・軍の最高幹部が明かしています。

 朝鮮労働党・朴正天(パク・チョンチョン)書記:「米国と南朝鮮の無責任な決定は、連合軍の挑発的軍事行為によってもたらされた現在の状況を、統制不能の局面に押し付けている。米国と南朝鮮は取り返しのつかない大きな過ちを犯したことに気付くだろう」

 “無責任な決定”。そう主張するのがこれです。

 アメリカ、オースティン国防長官:「合同訓練である『ビジラントストーム』を延長することにした」

 韓国・李国防相:「北朝鮮のいかなる核攻撃も容認できず、同盟の決定的な対応によって、金正恩体制を終わらせることを確認しました」

 5日までの延長が決まった米韓合同訓練。2人が巨大な爆撃機の前で話し合う様子が伝えられています。

 黒く覆われた、爆撃機とは思えないほどの大きな機体。

 優雅に空を舞う姿とは裏腹に、強力な爆撃能力を兼ね備えた「B1B戦略爆撃機」、別名「死の白鳥」。

 韓国メディアは、合同演習に投入されると伝えています。

 連合ニュース:「当局は『朝鮮半島へのB1Bの配備は北朝鮮の挑発に対する警戒・演習延長の“鍵”となるだろう』と話した」

 「金正恩総書記が最も恐れる兵器」。そう伝えるメディアもあります。

 東亜日報:「死の白鳥と呼ばれるB1B、そしてB2爆撃機は地下を攻撃する能力まで備えている。一部では金正恩総書記が最も恐れる戦闘機を配備する可能性が高まったと話している。金正恩総書記は以前からアメリカの戦略兵器が朝鮮半島に入ってくることを極度に警戒していた」

 この爆撃機、特筆すべきは速度です。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「敵の上空に入る時は非常に低空に下りてきて、レーダーに見つからないように、最高速度はマッハ1.25。音速は超える」

 グアム基地で見掛けることが多いという爆撃機。

 通常のジェット機ならグアムから5時間近くかかる距離、わずか2時間で朝鮮半島上空に到達できます。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「一番の特徴は大量の爆弾やミサイルを積んで速いスピードで低空侵入して攻撃する。アフガニスタンやイラクの戦争で結構出動した」

 速度が速いうえに、機体が大きいのも特徴です。

 通常の爆撃機の5倍にあたる56トンの爆弾を積み込むことができます。

 軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「(朝鮮半島なら)マッハ1.25のスピードで突入して、敵の上空に到達した段階で爆弾の雨を降らせることが可能。100%突発的・偶発的な衝突が起こらないと断言できないとお互い思っているので、強力な兵器が前線に出てきていることは相手方にとって嫌」

 さらに、フェーズの違いは金正恩氏の動向にも表れていると礒崎教授は話します。

 慶應義塾大学、北朝鮮政治・礒崎敦仁教授:「2017年にも多くのミサイルが発射されたが、その年の下半期になると金正恩氏の動静報道が工場・農場に出向いて経済を重視する様が見受けられた。つまり、ミサイル発射の次に対話攻勢をかけてくることが見られた。今回はそれがない。ミサイル発射を続ける、この意志が強いように思う」

 確かに金正恩氏の動向を伝える北朝鮮メディアの報道は減ってきています。

 その裏には、秒読みとも言われる“核実験”への意志もあると話します。

 慶應義塾大学、北朝鮮政治・礒崎敦仁教授:「半年前にはすでに『北朝鮮は核実験の準備が完了した』と言われているなかで、やるつもりはある、やりたいというのが本音」

 その思いをミサイル発射にとどまらせているのが、数少ない良好な関係を築いている“中国”だとしています。

 慶應義塾大学、北朝鮮政治・礒崎敦仁教授:「中国はミサイル発射には目をつぶってきたが、北朝鮮の核開発には反対する。北朝鮮が核を持てば日本、韓国、台湾も核を持とうとする動きが出てしまう」

 韓国国内では、こんな強硬論も出てきています。

 朝鮮日報:「韓国政府は北朝鮮が核実験をする場合、厳しい代価を払わせるとしているが限界は明らかだ。韓米の制裁はできることはほとんどしている。北朝鮮の核の有効性をゼロにする方法は韓国の核保有だ。米国を説得してその方向に進むこと、それが北朝鮮が支払う最も過酷な代価だ」

 礒崎教授は核実験に関して、日米韓は織り込み済みだとしています。

 懸念されるのは12年前の最悪のシナリオです。

 慶應義塾大学、北朝鮮政治・礒崎敦仁教授:「北朝鮮が核実験をいつやったところでサプライズにならない。12年前、北朝鮮がヨンピョン島という韓国の領土を砲撃した事件。韓国に人命の被害が出た。そういった問題が生じないか私は大変懸念している」

 日本国内では“危機管理”が問われています。

 小野寺元防衛大臣:「結局通過した後に『Jアラート』が出たじゃないですか。これって普通おかしいですよね。ちょっと恥ずかしい状況の発表だったと思います」

 3日朝に出されたJアラート。ミサイルは実際に日本上空を通過していませんでした。

 そもそも出されたタイミングも、上空通過と予想した時刻より後でした。

 自民党・佐藤正久参院議員:「Jアラート、国民への伝達は『正確性よりも迅速性』もっと早く出すべき」

 政府はJアラートの改善や、ツイッターの活用なども検討しているとしています。

 松野官房長官:「政府としても『国民保護ポータルサイト』の認知度の向上は重要な課題と認識。今後ツイッターを活用したプッシュ型の周知など通じ認識度向上に努めたい」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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