アメリカで広がる“幽霊のような銃” 追跡不可能「ゴーストガン」とは|TBS NEWS DIG

アメリカで広がる“幽霊のような銃” 追跡不可能「ゴーストガン」とは|TBS NEWS DIG

アメリカで広がる“幽霊のような銃” 追跡不可能「ゴーストガン」とは|TBS NEWS DIG

銃社会アメリカ。来週8日に行われる中間選挙では「銃規制」も争点の1つですが、アメリカでは今「幽霊のようだ」といわれるある銃の存在が深刻化しています。

年間2万人もの人が銃によって命を落とすと言われるアメリカ。今年5月、南部テキサス州の小学校で起きた銃撃事件では、児童ら21人の命が奪われました。

その銃社会で今、ある銃の存在が問題視されています。違法な銃などの取り締まりを行う連邦機関の施設にあったものは。

ワシントンDC首都警察 マックリントン氏
「この机に置かれているのが、ゴーストガンと呼ばれるものです」

「ゴーストガン=幽霊銃」。購入時の身元調査や製造番号の刻印が必要なく、一度犯罪に使われると捜査当局による追跡が困難なため「ゴースト」と呼ばれています。普通の銃と違いは無いように見えますが。

ワシントンDC首都警察 マックリントン氏
「銃の部品をバラバラに買い、自分で組み立てることで、規制当局には『銃』と認定されません」

記者
「普通の銃と威力は変わらないのですか?」
ワシントンDC首都警察 マックリントン氏
「同じ40口径の普通の銃とゴーストガンでは違いはない」

銃の部品を購入し、自ら組み立てて使用するゴーストガンは、近年インターネット上の販売サイトなどを通じて市民の間に広がりました。

アメリカ政府によると、去年1年間に犯罪捜査で押収されたゴーストガンの数はおよそ2万丁。ここ5年で10倍に増えました。

アメリカ バイデン大統領4月
「ゴーストガンは多くの犯罪者の選択肢だ。その選択肢をなくすために何でもやる」

今年4月、ゴーストガンへの規制強化を発表したバイデン大統領。8月からは業者に対し、銃の部品に製造番号を刻印するよう義務づけました。ただ、規制が追いついていないのが実態です。

関連業者を直撃しました。

「ゴーストガンの父」と呼ばれるウィルソン氏。南部テキサス州で関連する販売会社を経営しています。

ゴーストガン関連販売会社経営 ウィルソン氏
「これは単なるアルミの塊。これを機械に入れて…」

この会社が扱うのは、銃の部品をイチから自作するための機械。付属のUSBメモリーからデータをパソコンに読み込み、機械と接続するだけで金属の塊から部品を作ることができ、組み立てればゴーストガンが完成します。

機械は日本円にして1台およそ30万円。購入希望者が殺到し、出荷が追い付かないといいます。

規制について尋ねると。

ゴーストガン関連販売会社経営 ウィルソン氏
「規制は私たちのビジネスを妨げません。いや、できないのです。なぜならアメリカ政府はこの金属を『銃』と呼ぶことはできまませんから。法律が変わる速度が遅くて嬉しいです。適応していけますから」

来週8日に行われる中間選挙でも銃規制は争点の1つとなりますが、アメリカ社会で今後、議論は深まっていくのでしょうか。

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