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1発目はICBM「火星17」か 北朝鮮ミサイル発射 挑発の背景に米軍“ステルス戦闘機”(2022年11月3日)
北朝鮮が3日朝、ICBM(大陸間弾道ミサイル)を含む弾道ミサイルを少なくとも3回発射し、Jアラートが出されました。相次ぐミサイルの発射狙いは。ある戦闘機の脅威を指摘する声が上がっています。
休日の列島に異変を知らせるアラート音が響きました。午前8時前に宮城県、山形県、新潟県に出されたJアラート。緊張が走る報道フロア。リポート中にも相次ぎます。
対象となった県は連絡会議を開催するなど対応に追われました。
新潟県・笠鳥公一危機管理監:「しっかり県民の安全を守るため、情報提供に努めたい」
北朝鮮は3日朝、少なくとも3発のミサイルを発射。警戒が呼び掛けられた地域の人々。“憤り”と“異変”を感じていました。
Jアラートが発令された地域の人:「(Q.Jアラートを聞きましたか?)聞きました。何て馬鹿なことをやるんだろう、北朝鮮」「何事が起きたんだろうと思った。どうしていいか分からないので、じっとしていた」「またかって感じでした。最近、多いんで少し怖い」
秋晴れとなった休日。行楽客の足も直撃します。東北、上越、北陸の新幹線や在来線は一時、運転を見合わせました。
名古屋から来た人:「どこに避難しようかなと思って一応、確認して建物の中でってことで窓から離れた。動揺した。県外から来ているので、知り合いもいないので」
祝日でにぎわう東京駅も新幹線が最大40分遅れました。たまたま居合わせたテレビ朝日社員は富山に帰省中でした。
居合わせたテレビ朝日社員:「今、富山駅に到着したが20数分遅れ。前回は正月休みだったが、その時よりもホーム混んでいる感じ」
情報は錯綜(さくそう)します。
浜田防衛大臣:「7時40分ごろ発射されたものは日本列島を越えて飛翔(ひしょう)する可能性があると探知しましたので、Jアラートにてその旨、公表しました。その後、当該情報を確認したところ、ミサイルは日本列島を越えず日本海上空にて消失したことが確認されたので訂正します」
発射されたミサイルは少なくとも3発。最初の1発は午前7時39分ごろ。次に発射された2発は短距離弾道ミサイルとみられ、EEZ(排他的経済水域)外に落下しました。政府はJアラートを出しましたが、ミサイルは日本上空を通過せず、その後に訂正しました。
振り回された人々も多くいます。
Jアラートが発令された地域の人:「風呂入っていて、素っ裸だから服を着た」「結婚式がきょうあるので、支度をしていた。やめてくれよという感じ」
日本海を仕事場とする漁師。不安な日々が続きます。
漁師:「いい加減にしてほしい。いずれは戦争、始まるよ」
2日から乱発されるミサイル。韓国もフェーズが変わったことを感じていました。
韓国の人:「北朝鮮は正当性があると思っているのだろうか。少なくとも同じ民族だったら、今の時期はやめてほしい」
3日昼近く、徐々にミサイルの詳細が分かり始めました。
韓国軍は、最初の1発は最新型のICBM(大陸間弾道ミサイル)「火星17」としています。発射には失敗したとみています。
火星17といえば、思い起こされるのは今年3月。映画さながらの動画を公開し、発射実験の様子を公開したミサイルです。
コリア・リポート、辺真一さん:「明らかに韓国に向けられたものではなく、アメリカに向けられたもの。米韓合同軍事演習の主導がアメリカ。北朝鮮のアメリカへの対抗措置としてICBMの発射に手を掛けた」
韓国軍は4日までとしていたアメリカ軍との訓練期間を延長することを決めました。北朝鮮は猛烈に反発しています。
「わが民族同士」ホームページ:「朝鮮半島情勢は一触即発の超緊張状態にある。緊張激化の張本人が米国と南朝鮮であることをはっきり示している」
その訓練、ある戦闘機の参加が確認されています。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「在日米軍のF-35Bという戦闘機が参加している」
自衛隊が公開した動画のF-35Bの映像では、離陸する際は戦闘機とは思えない短い距離で出発。驚くのは着陸の際の映像です。
ヘリコプターのように垂直に着陸しています。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「本格的な空母でない軽空母・揚陸艦に載せて使うことが可能。陸上でも本格的な空港じゃないところでも離着陸が可能」
最新鋭ステルス戦闘で隠密に敵陣に入り、精密に打撃を与えることができます。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「北朝鮮を空爆かける時にレーダーでキャッチされると、北朝鮮は対空兵器持っているので、かいくぐって攻撃が可能」
アメリカ政府は非難の声を上げています。
アメリカ国務省:「今回の発射は国連安全保障理事会の決議に明らかに違反し、北朝鮮の違法な大量破壊兵器と弾道ミサイルの開発計画が近隣諸国などに脅威を与えている」
本音は、それどころではないようです。
ワシントン・梶川幸司支局長:「アメリカにとって最優先の課題は中国との競争に打ち勝つこと。ロシアのウクライナ侵攻をどう食い止めるか。つまり、北朝鮮問題の優先順位は高くないという現実がある。そもそも政権自体に北朝鮮問題を何とかしようという熱意、やる気も感じられない。北朝鮮とは『条件を付けずに対話する』とはいうものの、その手応えがないまま核とミサイル技術の向上だけが続いている。バイデン政権の北朝鮮政策が手詰まりにあるのは間違いなく、北朝鮮に付け入る余地を与えてしまっているといえる」
ロシアのペスコフ報道官は緊張の激化を避けるよう呼び掛けています。
ロシア、ペスコフ報道官:「すべての紛争当事者は緊張をエスカレートさせるような手段は避けるべきだと考える。朝鮮半島情勢はすでに十分、緊迫している」
手詰まりなのは、こちらも同じでしょうか。
岸田総理大臣はNSC(国家安全保障会議)を開き、情報の分析と今後の対応を協議しました。
岸田総理大臣:「これは暴挙であり、決して許されるものではない」
外務省幹部:「Jアラートの混乱もあったが、そもそもICBMかどうかも怪しいし、上空越えもしていないのですぐに制裁という雰囲気ではないと思う」
なぜ、Jアラートが出されたのでしょうか。2つの可能性が考えられます。
一つは発射に失敗した破片がJアラートに反応した可能性。
もう一つは、ほぼ同じ時刻に別のミサイルが発射された可能性です。
コリア・リポート、辺真一さん:「失敗したということであれば、そう遠からず近々にもう1回、北朝鮮がトライする、再発射するだろう」
乱発されるミサイル。北朝鮮の狙いは他にあるという指摘もあります。
軍事ジャーナリスト・黒井文太郎氏:「米韓側もこれに対して反発するので、緊張を故意にエスカレートさせて核実験まで持っていきたいということではないかと推測している」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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