【梨泰院雑踏事故】「防げた事故だった」300人が6重7重に…“違法建築”も影響?(2022年11月1日)

【梨泰院雑踏事故】「防げた事故だった」300人が6重7重に…“違法建築”も影響?(2022年11月1日)

【梨泰院雑踏事故】「防げた事故だった」300人が6重7重に…“違法建築”も影響?(2022年11月1日)

 韓国・梨泰院(イテウォン)の雑踏事故を巡り、発生当時、「押せ押せ」と事故を誘発した人物がいたという新たな情報が入ってきました。現地では「ウサギ耳の男が押せと叫んだ」との報道もあり、警察が真偽も含めて捜査を進めています。

 現場では、献花に訪れる人が絶えません。

 友人を亡くした女性:「どんなに痛かったのか想像もつかない。安らかに休んでほしいだけです」

 亡くなった人はさらに増え、156人に上っています。

 北海道根室市の冨川芽生さん(26)。韓国が大好きで今年6月から半年、語学留学をしていました。

 遠い地で1人で頑張っていた娘との悲しみの対面となりました。

 また、埼玉県の小槌杏さん(18)の遺族も韓国に到着。遺族は1日、杏さんが暮らしていた寮を訪問する予定です。

 幅3.2メートルの狭い坂で起きた悲劇…。

 当時、18平方メートルの狭い空間に、300人が6重7重にもなって、倒れたということです。

 つまりワンルームマンションに300人がいるような状態です。

 事故の3時間前、坂には誘導する人の姿もありました。

 誘導する人:「前に伝えて、ここ詰まっているから上がれないと。上がらずに待って下さい」

 この誘導で、助かったと話す人もいます。しかし、その数時間後に起きてしまった事故。

 中央日報:「ウサギ耳の男が押せと叫んだ」

 中央日報はSNSにウサギ耳の男が「押せ」と叫んだ動画が公開され、ソウル警察庁がこうしたSNSや付近に設置された防犯カメラ52台を分析していると報じています。

 目撃者:「人混みの中から『押さないで下さい』という声が聞こえていたのに、後ろから『おい、押せ押せ』と言ったんです。皆は押されると『押さないで』と叫びました」

 また、坂にあるホテルが違法建築物と登録されているとの報道も。

 ホテルに沿って作られた赤い壁…。

 2015年の写真と比較すると以前はなかったことが分かります。

 韓国では法律で、歩行者が通る道は4メートル以上確保しなければならないと定められています。ただ、現場は建物のせり出した部分があるために道幅が、3.2メートルしかなかったということです。

 現地メディアは、建築物の図面を見ると坂の途中に設けた出入口は、建築限界のラインを超えているほか、赤い仮設フェンスも通行の流れを妨げる要素だったとしています。

 そんななか、1日、韓国当局が事故発生の前から危険の兆候を把握していたことを明かしました。

 尹熙根(ユン・ヒグン)警察庁長:「事故が発生する直前に、現場の深刻性を知らせる緊急通報が多数あったことを確認しました」

 韓国で沸き上がっているのは「防げた事故だった」という、政府や警察の不備を指摘する声です。

 事故現場の坂道から、わずか250メートルの場所に消防の拠点があったというのです。しかし、歩いて3、4分のはずが…。

 現場に居合わせたオーストラリア人:「救急隊が到着するのにすごく時間がかかりました」

 事故が発生したのは、先月29日午後10時15分ごろ。韓国メディアによりますと、消防が現場に到着したのは40分以上が過ぎた午後11時ごろだったというのです。

 目の前の4車線の道路が、多くの人でごった返していて、救急車が動けなかったといいます。

 現場近くの店:「事故が発生してから消防も警察も来たけど、人があまりにも多いので、警察が指示を出しても人が動けませんでした」

 男性:「今回の事故は警察の備えが足りていませんでした」

 当日、10万人以上が集まったとみられるなか、警察が1つの車線を確保し、救急車が通れるようになったのは午後11時50分ごろだったと、韓国メディアは報じています。

 朝鮮日報(先月31日):「事前に車道で積極的に交通規制を行っていれば、『人命被害を少しでも減らすことができた』との指摘が相次ぐ」

 そして、もう一つ指摘されているのが…。警備体制についてです。

 例年は30人から90人のところ、警察官など137人を配備したといいます。しかし、韓国メディアによりますと、その役割は交通整理ではなく、犯罪予防や麻薬などの取り締まりなどだったといいます。

 現場にいた人:「友人が『1人の警察官を見た。動けなくなった私たちを押していた』と言っていました。叫びながら群衆を誘導しようとしていたようですが、警察官1人で何かできる人数ではありませんでした」

 そして、3つ目の問題点…。安全対策についてです。

 韓国メディアによりますと、2週間前にもイベントがありましたが、一方通行にするなど、歩行者の導線をコントロールしていたといいます。今回、主催者がいなかったことも、対策の不備を作った一因かもしれません。

 現場近くの店:「警察がいたならこんなことが起きたはずがない」

 行政は、こうした声をどう受け止めるのでしょうか…。 
 
 イ・サンミン行政安全部長官:「通常と違って事前に消防や警察を配置したことで、解決できた問題ではないと把握しています」

 この、30日の行政安全部長の発言に今、韓国では「責任回避」だとの批判が殺到しているそうです。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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