算数も国語もない“型破り小学校”人気のワケ 「学校ってなんだろう」南アルプス子どもの村小学校から考える|TBS NEWS DIG

算数も国語もない“型破り小学校”人気のワケ 「学校ってなんだろう」南アルプス子どもの村小学校から考える|TBS NEWS DIG

算数も国語もない“型破り小学校”人気のワケ 「学校ってなんだろう」南アルプス子どもの村小学校から考える|TBS NEWS DIG

山梨県にある「南アルプス子どもの村小学校」。算数も国語もない、その“型破り”な教育法がいま注目を集めています。子どもたちが成長する姿をホラン千秋キャスターが取材しました。

子どもたち
「来週やりたいこと、意見出して下さい」
「はい!来週は昔のおやつは作れるの?」

子ども達が決めているのは、時間割。この学校では子どもと大人は同じ一票を持ち、話し合って決めるのです。

山梨県にある南アルプス子どもの村小学校。約140人の子ども達が通う、私立の小学校です。

Nスタスタッフ
「学校で宿題が出たり成績がついたりするって聞いたことある?」

子ども
「聞いたことあるしYouTubeとかで見たことあるけど実際にやったことはない。何、テストって?」

この学校にはテストも宿題も通知表もありません。国語・算数・理科・社会の代わりに、「プロジェクト」と「基礎」と呼ばれる時間があります。

羊の世話を中心に活動する「わくわくファーム」など、プロジェクトは5種類。(「劇団みなみ座」「クラフトセンター」「アート&クラフト」「おいしいものをつくる会」)そこから一つ選び、1年生から6年生まで一緒に活動します。

9月、ホランさんはその中の「おいしいものをつくる会」を訪ねました。

ホランキャスター
「何をゆでてるんですか?」

子どもたち
「きびだんご」
「黄色いやつはもういいんだけど白いのはまだ」

この日のテーマは、お米で作るお菓子。子ども達が、五平餅を分けてくれました。

ホランキャスター
「あ!おいしい!!」

ここでは、必要なものは子ども達が考え、作ります。

「クラフトセンター」担任 阿部和樹さん
「このテラス全部ですけど。床面は水平になるように工夫しながら(子ども達が)作りました」

外で給食を食べられるテラスも、校庭のサッカーゴールも、秘密基地のような遊具も。学校にあるほとんどの物は小学生が設計し、自分たちの手で創り上げました。

「クラフトセンター」の子ども達は、「つくつくの家」と名付けた古民家を何年もかけて、一軒まるごとリフォームしています。

子どもたち
「壁やったよ!」
「壁は珪藻土っていうやつ」

ホランキャスター
「みんなでやったの?」

子どもたち
「はい」

お風呂場も浴槽を取り外して全面リフォーム中。

ホランキャスター
「すごいきれいに貼れてる!みんながやってることは、大人でもできないことがたくさんあるよ」

子ども
「土間(の土)をね、あ、これ調整ミスったー!とか。べちょべちょ過ぎたとか」

この学校を創ったきっかけは、35年前に、ある学校で行ったアンケートだったと、学園長の堀さんは話します。

きのくに子どもの村学園学長 堀真一郎さん
「授業が一番楽しいんだと選んだ子どもの割合があまりにも少なかった。学習が子どもたちの心をとらえていない。それに大変ショックを受けまして」

そうして考え出した「プロジェクト」と「基礎」を軸にした時間割。文部科学省の学習指導要領をクリアしています。

例えば、畑で摘んだ藍の葉でハンカチを染めるこの活動では・・・

「わくわくファーム」浅倉翔くん(4年生)
「最初は緑だけど空気に触れたら青くなる」

ーーそれは何ていうの?

「わくわくファーム」浅倉翔くん(4年生)
「えっとね、酸化」

自然に「理科」が出て来ます。

子ども
「濃くしたい」

ーーじゃあ(水は)どのくらいだ?

子ども
「3分の1だっけ?」

分数が出てきたら、そのあとの「基礎」の時間にプリントで定着させます。同じ時間に、覚えた言葉の書き取りをする子もいます。

説明会に来た人
「ここを子どもと一緒に作ってる、その中心に子どもがある。大人っていう年齢の人もいるし、子どもっていう年齢の人もいて、みんなでこの場を共創している」

入りにくい職員室は、ここには存在しません。

子どもたち
「私はこの職員室好きよ!楽しいし」
「椅子二つ使ってこうやってね!」

職員室は「くつろぎの場」。

大人の頭の上に肘を乗せて漫画を読んだり、ソファに重なるように寝転んだりして過ごします。ボランティアに来ていた卒業生は。

ーー外に出て自由がなく困ったことは?

卒業生 伊藤沙也花さん
「高校の時は結構校則とかもあったんでそういうのを思う時もあるんですけど、その中でどうやったら自由にできるかって考えられる」

この学校を支えるもう一つの「柱」は、「話し合い」です。

「クラフトセンター」武井ハジメラフェルくん(3年生)
「さびしい人のことはどうしたらいいかな」

リフォームした古民家での「お泊まり会」を企画しているクラフトセンター。

さびしいから参加できないと言う子がいるため、徹底的に話し合います。

子どもたちの話し合い
「でっかいぬいぐるみにお母さんとお父さんの顔の写真を貼る」
「こわいこわいこわいこわい」
「お母さん呼んでくる?(笑)」

「クラフトセンター」久保田大喜(たいき)くん(3年生)
「笑うのは良くないよそういうの!
(誰だって)バレたらいけないことってあるからね!(オレだって)バ…(https://newsdig.tbs.co.jp/list/article?id=jnn-20221031-6049093)

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