たばこ・バイク…現場に残された手がかり 服役の暴力団幹部逮捕『王将』社長射殺事件(2022年10月28日)

たばこ・バイク…現場に残された手がかり 服役の暴力団幹部逮捕『王将』社長射殺事件(2022年10月28日)

たばこ・バイク…現場に残された手がかり 服役の暴力団幹部逮捕『王将』社長射殺事件(2022年10月28日)

9年前、『餃子の王将』を全国で展開する『王将フードサービス』の社長だった大東隆行さん(当時72)が、拳銃で撃たれ、死亡した事件で、警察は28日、田中幸雄容疑者(56)を殺人と銃刀法違反の疑いで逮捕しました。

田中容疑者は、福岡県を拠点とする特定危険指定暴力団・工藤会の2次団体、石田組に所属する暴力団幹部で、別の事件で服役中でした。

事件が起きたのは、2013年12月19日午前5時半過ぎ。大東さんは、ほぼ毎朝、社員が出勤する前に会社に来て、本社前を一人で掃除をするのが日課でした。犯人は、そのことを知っていたのか、大東さんは、車を降りた直後に撃たれたとみられています。凶器は25口径の拳銃で、大東さんは立った状態で、4発の銃弾を胸や腹に受け、死亡しました。

逃走に使われたとみられるバイクは、2014年4月、現場から北東に2キロ離れたマンションの駐輪場で発見されています。盗難バイクで、ハンドルから銃を発射したときに残る硝煙反応が確認されています。また、すぐそばに、もう1台、盗難バイクが残されていました。

もう1台のバイクは、京都市内の飲食店の駐車場で盗まれたもので、防犯カメラに、その様子が残されていました。このとき、盗んだ人物が乗ってきたのが、九州ナンバーの軽自動車。警察によりますと、この軽自動車は、九州の暴力団員と関係があるものでした。

もう1つ、カギとなったのは、たばこの吸い殻でした。朝の掃除は、大東さんの日課となっていたため、犯人は、通路にバイクを止めて、たばこを吸いながら待ち伏せしていたことが考えられます。分析の結果、2015年、その中から検出されたDNA型が田中容疑者と一致しました。

しかし、田中容疑者が襲撃したかどうかはわかりません。そこから7年。警察は、周辺の防犯カメラの解析結果なども踏まえ、田中容疑者が、殺害に関与した疑いが強まったと判断。28日の逮捕となりました。ただ、大東さんと田中容疑者の接点はわかっていません。動機も不明です。

田中容疑者が逮捕されたのは、福岡刑務所でした。王将の事件の5年前、2008年に福岡市で起きた大手ゼネコン『大林組』の九州支店の社員が乗った車が銃撃された事件。田中容疑者は、2018年に銃刀法違反などの罪で逮捕・起訴され、懲役10年の実刑で服役中でした。

多くの暴力団関係の著書があり、暴力団に詳しい久留米大学の廣末さんは、王将の事件について、こう話します。
久留米大学・廣末登博士:「京都の山科で事件があった。九州の工藤会とは、にわかに関連性が見いだせない。非常に驚いている。田中容疑者の逮捕を聞いたとき、“石田組”という工藤会の下部団体の本部長=幹部の人間がヒットマンで行ったとしたら、非常に珍しいケースだと受け止めた」

田中容疑者は、福岡から移送中で、日付が変わるころ、京都に到着する予定です。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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