東京では新たな変異株も…インフルと“同時流行”懸念 どう備える?解説(2022年10月27日)

東京では新たな変異株も…インフルと“同時流行”懸念 どう備える?解説(2022年10月27日)

東京では新たな変異株も…インフルと“同時流行”懸念 どう備える?解説(2022年10月27日)

新型コロナとインフルエンザの同時流行を想定した備えが始まっています。

札幌市にあるクリニックは、2つのウイルスを同時に検査できるキットを導入しました。厚生労働省も、同時検査キットの必要性が高いと判断。どの製品かは公表していませんが、すでに3800万回分を確保しています。現場がいま、同時検査キットを求めているのは、診察や治療までの時間短縮につながるからです。
とよひら公園内科クリニック・藤本晶子院長:「3週間前は、(感染者が)減った感じで、発熱外来の時間を短くしようと思ったが、結局、減らず、2時間、診察しっぱなし。それでも診れない方もいる。早く治療することで患者も楽になるから、はっきり白黒、どっちの病名なのか。それぞれの治療薬を出すのは大事なこと」

北海道では、新型コロナウイルス感染者数の増加傾向が続いています。東京都では、オミクロン株の新たな変異ウイルスが確認されました。
東京iCDC・賀来満夫所長:「XBB系統は、世界において局所的に優位な増加をみせているので、より注視していく必要がある」

XBB系統は、通称『グリフォン』と呼ばれ、シンガポールなどで急増しています。免疫から逃れる性質が強いとされている変異株が、都内で初めて、6件確認されました。そのうえで、インフルとの同時流行にも警戒を強めています。
東京都医師会・猪口正孝副会長:「新型コロナとの同時流行が懸念されており、発熱外来、オンライン診療拡充など、医療提供体制を強化していく必要がある」

インフルエンザは、11月下旬~12月にかけて患者が増え始め、翌年にピークを迎えるのが一般的です。ところが、都内のクリニックでは、早くもコロナとインフル、2つの検査を行う頻度が増えたそうです。

先日、インフルエンザB型の感染が確認された患者に、念のためとコロナの検査もしたところ、陽性と判明。同時感染を疑う患者が出ました。その症状について、医師はこう話します。
いとう王子神谷内科クリニック・伊藤博道院長:「体が火照っていて、メガネも曇っちゃうような熱感。関節痛や筋肉痛があって、のどの痛みもある。インフルエンザだけでもびっくりしたが、“ダブル感染”もあり得るとい考えなければいけない季節になった」

同時流行による医療ひっ迫を防ぐため、政府は、オンライン診療の活用を呼び掛けています。重症化リスクの低い人は、まず、コロナにかかっていないかどうか、自分で検査。そこで陰性となり、インフルの可能性があったら、ここでオンライン診療を受けるという流れです。厚労省はその際、医師はインフルの検査をせずに薬の処方が可能としています。ただ、オンラインには課題もあります。
いとう王子神谷内科クリニック・伊藤博道院長:「画面を見ているだけで、さらなる検査ができない状況。診断がついてない、あるいは診断がその場でつけられない方にオンライン診療を提供する怖さがある。本来の診断、病気とは違う薬がいってしまうケースが増えてくれば、患者にも不利益が増えてくる」
もし、同時流行が起きたら、1日最大、75万人の患者が出るとの想定もあります。

コロナとインフルの同時流行は、去年もお伝えしましたが、今年は違うのでしょうか。

コロナ患者の治療に当たっている埼玉医科大学総合医療センターの岡秀昭教授は、「インフルエンザの流行が数年なかったことで感染する機会が減ったり、毎年、打っていたインフルエンザのワクチンを打つ機会が減ったりしたことで、免疫が低下している可能性がある」と懸念を示しています。

そのうえで、医療ひっ迫を防ぐためには、「病院内のクラスターを起こさない。感染が疑わしければ隔離を続けるなど、第7波で経験した医療従事者の不足を起こさない努力をする」としています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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