【緊迫】「核戦略の三本柱使った」ロシアが大規模核演習 プーチン氏はリモート視察(2022年10月27日)

【緊迫】「核戦略の三本柱使った」ロシアが大規模核演習 プーチン氏はリモート視察(2022年10月27日)

【緊迫】「核戦略の三本柱使った」ロシアが大規模核演習 プーチン氏はリモート視察(2022年10月27日)

 プーチン大統領がリモートで見守るなか、ロシア軍が大規模な核演習を実施しました。この訓練、専門家はプーチン氏にある狙いがあると指摘しています。

 ロシアのプーチン大統領指揮の下行われた、核部隊による大規模軍事演習“グロム”。グロムとはロシア語で「雷」を意味します。

 公開された映像では、ロシア軍の潜水艦からSLBM=潜水艦発射弾道ミサイル「シネワ」が発射されたほか…。

 ロシア北部のプレセツク宇宙基地からは、ICBM=大陸間弾道ミサイル「ヤルス」を発射。

 また、戦略爆撃機「ツポレフ95」も参加し、空中で巡航ミサイルを発射する訓練も行われたということです。

 使用された兵器について、専門家は…。

 防衛省防衛研究所、高橋杉雄氏:「ICBM1発、SLBM1発、戦略爆撃機からの巡航ミサイル、いわゆる“三本柱”。核戦略の三本柱をすべて1発ずつ使ったのが今回の特徴だと思う」

 演習に使われたのは、核兵器を運搬するためのミサイルの“三本柱”でした。

 今回の演習をプーチン大統領はリモート視察し、オンライン形式で指揮したということです。

 核部隊による演習は定期的に行われていて、今年2月、ウクライナ侵攻直前にも実施されていますが、侵攻後は初めて。これまでとは状況が違うとみられます。

 防衛省・防衛研究所、高橋杉雄氏:「やはりロシア側も核兵器を使用する可能性を真剣に考えている状況ですから、(核兵器を)実際に使う時にプーチン大統領の指令がきちんと伝わるか。核兵器の発射を決める権限のある、ある意味(核の)ボタンを持っているプーチン大統領の命令が、現地部隊にちゃんと伝わるプロセスをきちんと訓練していく。それがちゃんと機能するかどうかの検証を含めた訓練をするのは、ロシア側からみると非常に重要な意味を持つ可能性がある」

 ショイグ国防相が、プーチン大統領にこんな報告をしています。

 ロシア、ショイグ国防相:「敵の核攻撃に対して、戦略攻撃的戦力による大量核攻撃の任務が演習として行われます」

 ロシア側は演習の目的を、敵の核攻撃への“対抗手段”と位置付けていました。

 プーチン大統領は、放射性物質をまき散らすいわゆる「汚い爆弾」をウクライナが使うとの主張を一方的に繰り返していて、アメリカなどは自作自演でロシア軍が核兵器を使う可能性もあるとみて警戒を強めています。

 今回の演習について、専門家は「ロシアの核戦力を誇示する目的がある」とみる一方、演習を行うことを事前にアメリカに通告していたことに注目しています。

 防衛省・防衛研究所、高橋杉雄氏:「不意打ち的に(演習を)やって挑発するよりも、アメリカとロシア、あるいはアメリカとソ連が長い年月かけて積み上げてきた核のルールですね。核のルールは破らないということを続けているというところは、留意していいのかなと思います」

 ウクライナ侵攻を巡る緊張した局面が続いています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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