名古屋名物“モーニング”円安で苦渋の値上げ、外国人実習生「働いていたくない」(2022年10月26日)

名古屋名物“モーニング”円安で苦渋の値上げ、外国人実習生「働いていたくない」(2022年10月26日)

名古屋名物“モーニング”円安で苦渋の値上げ、外国人実習生「働いていたくない」(2022年10月26日)

 歴史的な円安が続くなか、全国各地のご当地メニューにも値上げの波が押し寄せています。名古屋名物の朝食やボリュームが売りのスイーツに起きたある異変とは。

 止まらない円相場の値下がり。その影響は…名古屋名物“モーニング”にも降り注いでいます。

 「自称世界一高いカフェオレ」

 脚立の上から、カフェオレを注ぐ演出が人気の喫茶店。

 「はい、上見て!」

 脚立の間から、お客さんも釘付け。

 看板メニューのカフェオレは570円です。円安の影響で7月に20円値上げしました。

 カフェオレを頼むと、モーニングセットとしてトーストが無料で付きます。ところが…

 パンの仕入れ価格も、円安で原材料が上がったことで1本あたり30円から50円値上がり。そこで店側がこっそりと取った秘策は。

 喫茶ツヅキ・都築秀紀店長:「若干パンを薄くしている」

 パンの厚さを1ミリから2ミリほど薄くする苦肉の策。そのわずかな変化を、常連客は見逃しません。

 喫茶ツヅキ・都築秀紀店長:「常連客から『パン薄くなったね』と言われる。『はい、すみません』という感じ」

 パンにつけるジャムも減らさざるを得ない状況に。

 以前は自家製のフルーツジャム2種類と小倉あん、合わせて3種類を楽しめましたが…今は仕方なく、小倉のみの提供にしています。

 こちらの喫茶店では、急激な円安の影響で60種類ほどあるメニューすべてで、10円から100円値上げに踏み切りました。

 こうしたなか、人気メニューに大きな危機が。豪華なフルーツが盛りだくさんのパフェ。記録的な円安の影響で、仕入れ値が1000円値上がりしたという食材が。

 喫茶ツヅキ・都築秀紀店長:「外国産のメロンを基本的に使っているが、(1個)1000円アップしたことがあって、あまりにも高いと仕入れできないので…ない時は無い」

 輸入品のメロンは1個1000円値上がり。

 他にも、オレンジやグレープフルーツ、アイスクリームに至るまで、多くの食材が高騰しています。

 喫茶ツヅキ・都築秀紀店長:「(円安で)かなり厳しい。毎月会計士から話があるが、毎回怒られる。(会計士から)『ちょっと考えた方が良い』と言われている。なるべく頑張れるところは頑張って」

 これ以上、店頭価格に転嫁する訳にもいかず、店側は苦悩しています。

 原油価格の高騰で電気代も上がっていて、先月は去年に比べて8万円アップ。

 円安がさらに加速すれば死活問題だと訴えます。

 喫茶ツヅキ・都築秀紀店長:「どうして良いのか分からない。身を削りながらやっていくしかない」

 26日の円相場は、1ドル=148円台で推移しています。

 急激な円安を抑えるため、先週末から24日にかけて政府が行ったとみられる為替介入。過去最大規模で、合わせて6兆円に上る可能性があることが分かりました。

 財務省・神田財務官:「過度の変動、無秩序な動きについてはしっかりと緊張感を持って監視して、必要に応じて断固たる措置を取ることを続けたい」

 円相場の乱高下。その影響をもろに受けているのが。

 寒いとついつい外でも欲しくなるテイクアウトコーヒー。値段は1ドル。つまり、円相場に応じて毎日価格が変わります。

 加藤珈琲店・池田龍太郎店長:「先週末、過去最高値150円。今年の3月は115円ほどだった。コーヒー1杯で30円から35円値上がり」

 円高だった2011年は、最安値が76円。今は倍の値段にまで跳ね上がっています。

 円安が加速しているのは、ドルだけではなく他の通貨でも。

 車の座席シートのカバーを縫製する工場です。ここで5年働いているベトナム人実習生のホ・ティツガーさん。「円安ドン高」の影響で、母国にいる家族への仕送り額を増やさざるを得ない状況に。

 ベトナム人実習生、ホ・ティツガーさん:「前は5万円くらい家族に送っていたが、円安で最近は7万円くらい送る」

 5万円は去年のレートでは1002万ベトナムドンですが、今は834万ベトナムドンで、17%目減りしています。

 ベトナム人実習生、ホ・ティツガーさん:「円安なので日本で働いていたくない」

 止まらない円安は外国人実習生の“日本離れ”にもつながっています。

 協同組合アジェコ・近藤香奈美事務局長:「本当は日本でプラス2年頑張ろうと思っていた実習生たちが『他の国に行きたい』という言葉も出てきている」

 人材の流出、物価の高騰…様々な分野に影響を及ぼしている円安は、果たしていつまで続くのでしょうか…?
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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