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立ち入り禁止工場に初カメラ 醤油メーカーが薬を作るワケとは?(2022年1月18日)
驚きの研究でワクチンに貢献する、老舗のしょうゆメーカーです。
創業して300年以上の歴史を誇る「ヤマサ醤油」が今、注目されています。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「こちらが今、私たちが取り組んでいる新しい医薬品の製造設備です」
しょうゆメーカーが、医療分野に力を入れているのです。その成果は、新型コロナの感染症対策にも役立っていました。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部生物工学研究室、石毛和也室長:「“シュードウリジン”と呼ばれる化合物です」
実はこの物質、新型コロナのワクチンに使われています。ワクチンのなかの遺伝子情報を体内に定着するために利用されているのです。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部生物工学研究室、石毛和也室長:「大量に、かつ高品質なものは世界でもごく限られた数社になる」
しょうゆメーカーが医療分野に乗り出したきっかけと・・・。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「うま味成分の研究を始めたことです」
およそ70年前、一人の研究員がある発見をしました。
カツオ節のうま味成分「イノシン酸」と、昆布のうま味成分「グルタミン酸」を合わせると、“味の相乗効果”が生まれることを突き止めたのです。
その過程で手にしたのが「ヌクレオチド」という医薬品にも活用できる物質でした。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「何かしら体に作用があるだろうと着目して研究されたと思います」
今回、立ち入り禁止の製造工場に初めてカメラが入りました。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部製造第二課、山田寿雄課長:「こちらが(医薬品の)最初の原料RNAを分解する部屋」
「RNA」とは「リボ核酸」。これを分解すると「ヌクレオチド」を取り出すことができます。
この後、化学反応を起こす作業を繰り返すことで、医薬品の原料が作られるのです。
この技術には驚くべき可能性が・・・。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「治療困難だった病気に対して、新しい医薬品を開発できる可能性があり期待されている」
これまでに、難病である「脊髄(せきずい)性筋萎縮症」の治療薬のもとになる原薬などを開発しています。
さらに・・・。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「今、核酸医薬を製造する新工場を約30億円かけて建設しています」
実はヤマサ醤油には、こんな逸話が・・・。
ヤマサ醤油 宣伝広報室・大鹿浩之室長:「7代目当主、濱口梧陵は江戸末期にはやったコレラを銚子の町に持ち込まない活動をして、人々が助けられた話が残っている」
なんとヤマサ醤油は、160年以上前にも疫病で苦しむ人々を救う手助けをしていたのです。
ヤマサ醤油 医薬・化成品事業部薬品化学研究室、山田浩平室長:「医薬品の分野でも、縁の下の力持ち的な形で世の中の皆さんの健康に貢献したい」
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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