IRめぐり『ギャンブル依存症』の当事者家族が望む「対策」 大阪では条例案を採決へ(2022年10月25日)

IRめぐり『ギャンブル依存症』の当事者家族が望む「対策」 大阪では条例案を採決へ(2022年10月25日)

IRめぐり『ギャンブル依存症』の当事者家族が望む「対策」 大阪では条例案を採決へ(2022年10月25日)

大阪府が大阪市と共に誘致を進めているIR=カジノを含む統合型リゾート。2029年秋~冬ごろに大阪市の人工島・夢洲での開業を目指しています。IR区域整備計画では、年間売り上げ約5200億円のうちカジノの売り上げが約4200億円で8割を占めています。また、来訪者は年間2000万人を目指していて、そのうち国内客の見込みは7割の1400万人となっています。こういったことから対策が求められているのが「ギャンブル依存症」です。

 10月23日、大阪市内ではギャンブル依存症の家族を持つ人たちが集まっていました。

 (夫がギャンブル依存症という人)
 「依存症かもしれないと思ったのは今年に入ってから。生活費に影響するほどの借金が出たときに(気が付いた)。生活が立ち行かなくなるほどの借金というのは依存症なんじゃないかと」

 行われていたのは、「全国ギャンブル依存症家族の会」が開催している相談会です。家族の会のメンバーが参加者の抱える不安や悩みに耳を傾けています。

 この会を大阪で立ち上げた上野郁子さん(60)。実は上野さん自身も息子がギャンブル依存症です。12年前、当時高校生だった息子は上野さんの婚約指輪など家の中のあらゆるものを換金し、パチンコやスロットに浪費していました。“ギャンブルが無い場所に行けば手を出さない”と考え、沖縄県の離島で2か月アルバイトをさせましたが…。

 (全国ギャンブル依存症家族の会・大阪 上野郁子さん)
 「(本島に渡って)2か月分のバイト代を一晩で全部使ってしまって、それで那覇警察署から家に電話がかかってきて、『息子さんが一文無しで来ていますよ』と。おかしいっていうか、もう狂っていると思った。性格や意思の問題ではなくて病気なんだと。高校生とか大学生の予防教育も含めて必要だし、家族はどうしたらいいかっていうことを広めていくのもすごく大事だと思います」

 その後、上野さんは息子を依存症の回復施設に入所させ、去年、ようやく自立しました。

 上野さんは自身の経験から、ギャンブル依存症の対策には「正しい知識」の啓発などが必要と考え、同じような悩みを抱える家族の相談にのっています。大阪でIRの誘致が進んでいることについては次のように話しました。

 (全国ギャンブル依存症家族の会・大阪 上野郁子さん)
 「(国や府が)ギャンブル依存症対策をしっかりやってくれるのなら致し方ないかなと。賛成とも反対とも意見は述べていなかったんですけど、(何も進んでいない)この状況で進んでいったらどうなるのかなという懸念はすごくあります」

 こうした中、大阪ではギャンブル依存症対策の条例案が議論されています。10月11日に大阪維新の会の府議団と自民党の大阪府議団がそれぞれ条例案を提出していて、10月26日の本会議で採決が行われる予定です。可決・成立すれば全国で初の『ギャンブル依存症対策条例』となります。

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