「トランプの壁」の“隙間”では何が? 米中間選挙前に“不法越境”が過去最多237万人で高まる政権批判|TBS NEWS DIG
アメリカに入国しようとして不法に国境を越え、拘束される人が過去最多を更新したアメリカ。2週間後に控えた中間選挙で、この問題が争点化される動きも出ています。国境の今を取材しました。
記者
「また来ましたね。人影が…、メキシコ側の河原に人影がまた見えてきました」
アメリカとメキシコの国境の川を歩いて越える人たち。
こうした「不法越境」で拘束された人は、この1年間で過去最多の237万人にのぼります。多くが治安や貧困などを理由に難民申請を希望する人で、移民に寛容な民主党・バイデン政権の誕生を機に爆発的に増加。共和党のトランプ政権だった2年前の5倍以上に膨れ上がっています。
中間選挙を前に、そのトランプ氏は…
アメリカ トランプ前大統領
「史上最も安全な国境があったはずだ。今は最悪な国境だ。途上国でもこんなことは許されない」
移民問題で政権批判を強める野党・共和党。
中には、不法越境してきた人をバスでニューヨークやワシントンに送り込み、アピールする州知事まで出てきています。
また、バイデン大統領が建設を中止した「トランプの壁」に異変が…
記者
「このあたり『トランプの壁』が途切れた場所だったんですが、コンテナが積み上げられ、隙間が埋められています」
川を挟みメキシコと国境を接する西部アリゾナ州ユマ。
共和党の州知事の命令で今年8月、コンテナが突如、積み上げられました。不法越境者の通り道とされた「トランプの壁」の隙間が埋められた形です。
共和党支持 デニス・クックさん
「バイデン政権の国境政策は完全に間違っている」
この壁の近くに住むデニス・クックさん。
以前、国境を越えてきたギャングが自宅に潜んでいたことがあり、銃を手放せない生活が続きましたが、コンテナの設置で平穏な日常が戻ったといいます。中間選挙は共和党の候補に投票するつもりです。
共和党支持 デニス・クックさん
「(共和党の)州知事は、いい仕事をしていると思うね」
ただ、アメリカを目指す人たちの流れが止まるわけではありません。
午前3時、コンテナが設置されないまま残る「壁の隙間」では、国境を越えてきた数百人が当局の聴取を受けていました。取材中も、息を切らしながら続々と人がやってきます。
「不法越境者の通り道が変わっただけ」とも言える状況に、民主党を支持する越境者支援ボランティアはこう指摘しました。
民主党支持 フェルナンド・キーローズさん
「(コンテナ設置は)税金の無駄です。政治的な動きで、知事は票のためにしたことを恥じるべきです。難民申請したい人にとって、アメリカは希望と自由の国です。何か良い解決策があるはずです」
アメリカの「分断の象徴」であり続ける移民問題。
中間選挙と同時に行われるアリゾナ州の知事選も接戦ですが、「不法越境者がなぜ増え続けているのか」という根本的な議論は深まっていません。
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