3期目の新最高指導部“習近平派”で固める “異例中の異例”胡錦涛氏が途中退席(2022年10月23日)
5年に一度の党大会を経て、世界が注目する中国共産党の新たな指導部がお披露目されました。こうしたなか、22日の党大会で胡錦涛前総書記が途中で退席を促されたのではないかと様々な臆測を呼んでいます。
会場アナウンス:「皆さん、大きな拍手で中国共産党中央総書記及び、常務委員会のメンバーを歓迎しましょう」
黄金に輝く扉が開き、赤じゅうたんに現れたのは新たに決定した中国共産党・最高指導部の7人です。
序列トップの総書記には習近平国家主席が就任し、異例の3期目の続投を果たしています。
中国共産党・習近平総書記:「我々は必ず党の性質と趣旨を心に刻み、自分の使命と責任、職務を全うし勤勉に働き、党と人民の厚い期待を絶対に裏切りません」
中国共産党は9600万人以上の党員を抱えていて、いくつかの階層に分かれています。その頂点に居並ぶのが政治局常務委員の7人です。
今回、序列2位の李克強氏など4人が外れました。新たに選ばれたのは李強氏など、すべて習近平氏に近い人物で固められています。
この新たな人事について中国の人はどのように感じているのでしょうか。
北京市民(73):「政府の計画はどれもいいもの。目標も明確で市民の暮らしはどんどん良くなる」
北京市民(69):「特に軍隊力の強化の政策が良かった。軍事力を強化しなければ、外国からいじめられる」
北京市民(23):「(Q.(習氏の)今までの印象は)とてもいいです」
もうすぐ80歳になる胡錦涛前総書記を巡っては、22日閉幕した中国共産党大会での様子が波紋を広げています。
1週間にわたる党大会はほとんど非公開で行われていました。しかし、報道陣の取材が認められた直後…。
習氏の隣に座っていた胡氏が職員に腕を支えられています。胡氏は少し怪訝そうな表情をしているようにもみえます。
その後、脇の下に手を入れられ立った胡氏は退場するように促されたのでしょうか。席を立った胡氏は習氏に声を掛け、そして、李克強氏の肩をたたいて退場しました。
この出来事について中国政府からの公式発表はありませんが、新華社通信は、胡氏は病気療養中にもかかわらず党大会に出席しようとしたが体調が優れなかったため、スタッフが隣の部屋に彼を連れていった。今、彼の体調はだいぶ良くなっていると報じています。
しかし、党大会の公式行事での途中退席は異例中の異例で、様々な臆測も呼んでいます。
現代中国を研究している東京大学大学院の阿古教授によりますと…。
東京大学大学院・阿古智子教授:「党大会は習近平氏にとって晴れ舞台ですからメンツが潰れたというか、習近平氏にとっては起こってほしくなかったことだと思います。自分(胡錦涛氏)が習近平氏を後継者として指名して、その習近平氏が今、独裁的になっていって、中国の重要な経済政策とか様々な言論に関わる問題に圧力を掛けている。その状況に対し、異論や反発が出ているなかで思うことがあったのではないか」
一党独裁体制のなかで習近平総書記により権力を集中させているのでしょうか。とめどない権力の集中に、危うさを指摘する声が強まっています。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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