防衛の指令部から発射…ハイレベルな実戦を想定か 北朝鮮・安保理会合中にミサイル(2022年10月6日)

防衛の指令部から発射…ハイレベルな実戦を想定か 北朝鮮・安保理会合中にミサイル(2022年10月6日)

防衛の指令部から発射…ハイレベルな実戦を想定か 北朝鮮・安保理会合中にミサイル(2022年10月6日)

4日に日本の上空を通過する中距離弾道ミサイルを発射した北朝鮮ですが、短距離弾道ミサイルを日本海に向けて発射しました。国連安保理で北朝鮮に関する緊急会合が行われている最中のことでした。

日本時間6日午前4時に始まった北朝鮮に対する国連安保理の緊急会合。改めて浮き彫りになったのは、ウクライナ侵攻で露呈した安保理の機能不全です。
ロシア・エフスティグニエワ国連次席大使:「あなた方(アメリカ)が挑発的な軍事路線を続ける限り、北朝鮮が対抗措置を行うというリスクにつながる。我々は、アメリカとその同盟国の間違った危険な政策を指摘しているのである」

中国・耿爽国連次席大使:「なぜ、北朝鮮の安全に対する懸念が、続けて上昇しているのでしょうか。原因があります。最近、アメリカなどは、頻繁に共同軍事訓練を行っている。このような言論行動が、問題をエスカレートさせ、緊張感をもたらし、対抗のリスクを助長している」

アメリカ・トーマスグリーンフィールド国連大使:「この安保理常任2カ国は、金総書記の行為を許しているようなものだ。思っていた通り、ロシアと中国は、本来、責めるべきところを責めることせず、責任をほかに擦り付け、自分たちを正当化したいのだろう」

アメリカが提案した北朝鮮非難の声明は、中ロの擁護によって阻まれました。北朝鮮がミサイルを発射したのは、安保理の終了間際のことでした。

北朝鮮は、12日間で6回、過去に例のない異常なペースでの発射を繰り返しています。発射した2発の弾道ミサイル。その距離や高度などから、1発目は北朝鮮が“超大型ロケット砲”と呼んでいるものと、もう1発は、北朝鮮版の“イスカンデル”と呼ばれているものの可能性が高いといわれています。

異例なのは、この2発の飛んだ先です。北朝鮮はよく2発のミサイルを東にある無人島に撃ち、両方とも着弾させることで、その精度を確かめています。それが今回は別々の場所に飛来。明らかに“違う場所”を狙っています。さらに、もう1つ異例なのが発射地点。平壌中心部から約20キロにある三石(サムソク)という場所から初めて打ち上げられました。これには大きな意味があるといいます。
朝鮮労働党元幹部:「三石(サムソク)は、防衛の指令部があるといわれているところ。私たちは『首都防御司令部』と呼んでいた」

聯合ニュースも「三石には防御司令部があり、いつも発射に使う平壌の空港が壊されても、攻撃できることを誇示した可能性がある」と報じています。つまり、実戦の中でも、よりハイレベルなケースを想定した訓練だったということになります。

4日のミサイル発射を受け、アメリカ軍は、急きょ、原子力空母『ロナルド・レーガン』を、この海域に再展開することにしました。北朝鮮は猛反発しましたが、その発表もいつもと違いました。
テレビ朝日・井上敦ソウル支局長:「北朝鮮は声明を通常、朝6時過ぎに朝鮮中央通信を通じて対外発表しますが、きょうは4時台と極めて早い時間だったため、我々もまた発射があるなと警戒を強めていました」
北朝鮮外務省の声明:「我が軍の対応措置を、米国などが国連安保理に不当に持ち込んだことを糾弾する。米国が朝鮮半島の水域に空母を再び引き入れ、周辺の情勢安定を脅かしていることを注視する」

“注視”どころか、声明の1時間後にミサイルを発射。さらに、午後には、朝鮮人民軍の爆撃機と戦闘機、合わせて12機が韓国側に向かって飛来したそうです。韓国軍が設定した『特別監視線』、いわば警戒ラインを越えたため、韓国軍も約30機がスクランブル発進し、一気に緊張が高まる事態になりました。

北朝鮮と向き合わなければいけないのは、日本も同じ。5日の衆院に続き、6日は参院本会議で北朝鮮に対する抗議案を全会一致で可決しました。
岸田総理:「25分間、韓国・尹錫悦大統領と電話会談を行いました。我が国、地域あるいは国際社会の平和と安定に対する、この深刻な挑戦であるという認識の下で、日本と韓国ともにこうした行為を強く非難する。こういったことで一致をいたしました」 (C) CABLE NEWS NETWORK 2022
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>

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