日中国交正常化50年 日中の経済の結びつき 中国の“民主主義”【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

日中国交正常化50年 日中の経済の結びつき 中国の“民主主義”【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

日中国交正常化50年 日中の経済の結びつき 中国の“民主主義”【風をよむ】サンデーモーニング|TBS NEWS DIG

日本と中国の国交正常化から50年。このところ覇権を強める中国に私たちはどう向き合えばいいのでしょう。

9月29日、日本と中国が国交を正常化してから50年という節目を迎え記念行事が行われました。

しかし両国で行われた行事に、日本の岸田総理と中国の習近平主席の姿はなく関係発展を望むメッセージの交換にとどまります。

両国首脳の対面による正式会談は3年近く実現していません…

■日中の国交回復

1972年9月29日、当時の田中角栄総理と中国の周恩来首相が日中共同声明に署名し日中の国交が回復します。

「日中友好」の機運が盛り上がる中、友好の証として上野動物園に2頭のパンダ、「カンカン」と「ランラン」が到着し一躍人気者に・・・

6年後の78年には「日中平和友好条約」を締結。その年の10月には当時の実力者、鄧小平副首相が来日。工場視察のほか、東海道新幹線にも試乗し日本に技術協力を求めたのです。

鄧小平副首相(当時)
「(新幹線は)とにかく速く感じます。追いかけられて走っているような気がします」

翌79年には日本は中国への政府開発援助=ODAを西側で初めて開始。社会主義体制の中に市場経済を導入する「改革開放路線」を民主化につながるものとして支援します。ところが・・・

1989年、中国で民主化運動を弾圧する天安門事件が発生。

各国から非難の声が上がりましたが、日本は翌年の1990年、欧米に先駆け中国への円借款再開を表明。経済的に豊かになることで中国の民主化が進むことを期待したのです。

■政冷経熱

2000年代には靖国参拝問題などで、外交は冷え込んだものの、日本企業の中国進出は続き、「政冷経熱」とも呼ばれました。

そしてついに中国は2010年、GDP=国内総生産で日本を抜いて
世界第2位に。この頃から日中関係は大きく転換していきます。

■日中の関係悪化

2010年、尖閣諸島沖の日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船に衝突し両国が対立。また2012年に日本が尖閣諸島を国有化すると中国各地で反日デモが発生。さらに・・・

■習近平国家主席の就任で…

全人代(2013年)「習近平同志が国家主席に選出されました」

2013年、習近平国家主席が就任すると中国は一気に強権的姿勢を強めたのです。

国内では共産党による一党独裁体制のもと、全土に監視カメラが設置されたり、民主派への締め付けが強化されたりします。

外交面では南シナ海などで海洋進出の動きを強め、新疆ウイグル自治区の人権問題や香港を巡る問題で国際社会から厳しい批判を招きます。

■中国の“民主主義”

しかし、こうした批判に対して、中国の人々は意外な受け止め方をしているのです--

覇権を強める中国。ところがデンマーク等を拠点とする調査機関が「あなたの国は民主的だと思うか?」と、2022年、世界53の国と地域で聞いたところ中国は83%が「そう思う」と回答、最も高い結果が出ました。

実際、今の中国では政権への批判的発言がはばかられる面はあるものの、市民からは自国への自信に満ちた声が聞かれます。

街の人「習近平国家主席の指導の下で中国はますます良くなっていく」

街の人「政府は人民にとって親のようなもの。親が子どもに害は与えない」

街の人「アメリカは資本主義のための民主で中国は人民のための民主だ」

国民のこうした意識について、専門家は・・・

富坂聰・拓殖大学教授
「経済が好調であるうちは、政権に対するノーと言うのはなかなか一般の人々の間からは起こってこない。もう一つ、 アメリカで色々な問題が起きている。議会乱入事件による混乱とか人種差別問題。(中国人にとって)今や中国のお手本になる民主主義ではないと・・・」

■アメリカの民主主義を批判

例えば、2021年12月、バイデン大統領が民主主義サミットを開いたのと同じ日に、中国は「アメリカ式民主主義」を批判する番組を放送。

中国国営CGTN
「リンカーン大統領はかつて『選挙は人民のもの』と言ったが、今のアメリカを見たら彼はがっかりするでしょう―」

■世界は中国をどう見る?

中国流のやり方に自信を深める今の中国。世界はどう見ているのでしょうか。

欧米を中心に19か国で行われた世論調査では、中国の印象について「好ましくない」との回答が5割以上にのぼった国が16か国ありました。なかでもその割合が一番高かったのが日本でした。

■今後の日中関係はー

ではその日本を、今の中国はどう見ているのでしょうか…

富坂教授
「GDPがもう日本の3倍になって、ある種、優越感を持って日本に接している。その代わりにアメリカの意向に従って動く手先みたいな感じで中国は捉えている。ただ、お互いにコロナ禍で距離が出来て疑心暗鬼になっている部分が非常に大きい」

国交正常化から50年。その間、大きく揺れ動いた日中関係。今後、日中の関係はどこへ向かうのでしょうか・・・

(「サンデーモーニング」2022年10月2日放送より)

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