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「仕入れ値など表に」ライバル社の機密を不正入手か『かっぱ寿司』社長逮捕 記者解説(2022年9月30日)
回転ずし業界大手の『かっぱ寿司』を運営するカッパ・クリエイトの社長・田邊公己容疑者(46)が、ライバル会社『はま寿司』の営業機密を不正に入手して利用した疑いで、逮捕されました。
発端は、はま寿司側からの刑事告訴でした。警視庁は、去年6月、カッパ・クリエイト本社を家宅捜索。1年以上にわたって捜査を続けてきました。
実は、田邊容疑者は、元々、はま寿司で取締役を務めていました。はま寿司のデータを持ち出して利用したのは、かっぱクリエイトへの転職前後にかけてとみられます。そこから一気に、副社長、そして社長へと階段を駆け上がりました。
トップに就任すると、次々と大胆なキャンペーンを展開します。1年前のコロナ禍には、すべての皿を半額にし、店によっては、20時間待ちの行列ができる盛況ぶりでした。
今月も物価高のなか、1皿100円メニューを充実させます。ライバルの『スシロー』や『くら寿司』が100円皿終了を発表するなかでの決断でした。食品ロスを大幅に下げる取り組みを進め、100円皿の維持に取り組んだそうです。
ただ、こうした試みの一方、業績の悪化は続いていました。かつて業界トップを走っていたかっぱ寿司も、いまは4位。この8年で社長は5人、代わっています。
大手回転すし会社の幹部:「幹部がころころ代わるイメージ。他社からのヘッドハンティングが多くて、積極的に他社のノウハウを取り入れようとしていた印象がある」
不正入手したとされるデータに、どれほどの価値があるのか。田邊容疑者は、おととし9月~12月ごろにかけて、はま寿司の原価に関するデータを入手したとみられます。そのころはま寿司は、まぐろとサーモンの増量キャンペーンを行っていました。
外食ジャーナリスト・中村芳平氏:「生命線ですよ、原価率がわかると、経営が見える。。回転ずし業界の問題が、ここへきて噴き出したような感じ。それくらい競争が厳しい。原材料費が上がっている」
今後、捜査のポイントとなるのは、会社組織としての関わりです。カッパ・クリエイト商品企画部長・大友英昭容疑者(42)と、はま寿司の元経営企画部長・湯浅宜孝容疑者(43)も30日、逮捕されました。
捜査関係者によりますと、カッパ・クリエイト内では、入手した情報を複数の社員で共有していたということで、警視庁は法人についても立件を目指す方針です。
◆社会部警視庁キャップ・金井誠一郎記者に聞く。
(Q.仕入れ値データが重要だといわれていましたが、ほかにも売上データなども入手していたということですが、これも重要なデータなのでしょうか)
売上データの分析で繁忙店舗がわかれば、その近くに出店することができます。本来は、その場所に出店し、時間をかけて集める消費者の動向が、時間とコストをかけずに得られるメリットがあります。大手回転すし会社の幹部によりますと、かっぱ寿司は、他社から優秀な人材を集めて、積極的に他社の知識や手法を取り入れようとしているといわれています。
(Q.今後の捜査のポイントは、どこにあるのでしょうか)
ポイントは“会社組織としての関わり”になってきます。 警視庁は今回の3人逮捕で終わらせることなく、法人としてカッパ・クリエイトも立件、書類送検する方針です。捜査関係者によりますと、今回、カッパ・クリエイト内では入手した情報を社内の複数の従業員で共有していたということです。また、その情報をもとにかっぱ寿司とはま寿司の情報を比べる表などが作られていたといいます。こうしたことから警視庁は法人としての関与があると判断したものとみられています。今後、立件されたうえで起訴され裁判となった場合、5億円以下の罰金が科せられる可能性があります。
[テレ朝news] https://news.tv-asahi.co.jp/a>
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